排ガス規制違反問題をちゃんと理解するための10の質問

アヘッド 排ガス規制

最近になってアメリカに続き、ヨーロッパでも対象となるエンジンを使用したクルマの販売禁止命令が出されたものの、問題解決の糸口は未だに不鮮明な状態です。

日本の正規ディーラーで販売されたフォルクスワーゲン車は、問題のエンジンを一切搭載していないので、これからも堂々と安心して乗ることができます(←ここ重要!!)が、この問題の行く末は気になるところでしょう。

報道されている内容を正しく理解するため、常に国際的見地でクルマを評価する自動車評論家の清水和夫さんに現時点で疑問に思う10の質問に答えて頂きました。

Q1 そもそも「NOx」っていったいなに?

空気中には78%も窒素が含まれているから、ガソリンエンジンでもディーゼルエンジンでも完全燃焼すると窒素と酸素がくっついて窒素酸化物=NOxが作られる。

これは光化学スモッグの原因となり、喘息など健康被害が生じる。カリフォルニア州での大気汚染が発端となり、排ガス規制が世界で初めて制定された。日本では昭和53年から規制が始まっている。

Q2 ディーゼルエンジンはガソリンエンジンに比べてどうして燃費が良くなるの?

燃料に含まれる炭素量がガソリンよりも軽油の方が多いのと、空気だけを圧縮して燃やすので、ポンピングロスと呼ばれる吸入抵抗が少ない。さらに一般的なディーゼル(マツダは例外)では圧縮比が高いので、効率がよくなる。ディーゼルの特徴は燃費がよい→CO2が少ない→しかしNOxが発生しやすい、となる。

Q3 「三元触媒」ってなにをする部品?

ガソリンエンジンでもNOxは作られるが、三元触媒という優秀なNOxの掃除機があるので、どんどん浄化してくれる(連続して浄化可能)。この触媒は燃料と空気の比率が1対14.7でしか使えない。薄く燃やすディーゼルはこの三元触媒が使えないのが辛いところ。

Q4 ディーゼルエンジン用の触媒の種類は?

ディーゼルでNOxを浄化できる触媒は二つ。ともにNOxを貯めてから浄化する。一つは白金を使ったリーンノックス触媒。白金に吸着したNOxに燃料を濃く噴いて還元する(NとOを分離)ので燃費が悪くなる。

もう一つは尿素(アンモニア水)を使用した尿素方式。尿素方式はアンモニア水を噴くから、定期的にアンモニア水が入ったカートリッジ式タンクを交換するのでコストが掛かる。

Q5 「EGR」を使えば良いって聞いたんだけど?

燃焼の段階でNOxの生成量を抑えることができるのがEGRだ。排気ガスをシリンダー(エンジン内)に戻すと燃焼温度が下がり、NOxの生成を90%近く低減できる。しかし、EGRを多く使うと性能と燃費に悪影響がでる。

次ページ質問は続く…

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