【ギアカスタム・磨き保存版】クリーンカンティーンをビカビカに磨いて被らないアイテムに

ランタン ギアカスタム・磨き保存版

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物書きでクリエイター、湘南牛舎のガレージでアートディレクターを担当する夏野 栄(なつの はえる)です。山岳部出身でアウトドアライターとしても紙からWEBまで各媒体で書かせていただいていますが、こちらLANTERN-ランタン-ではこのような特異なポジションを活かしたキャラのたった記事を発信していきますので、お仕事の合間に週末のリラックスタイムに、雨でフィールドで立てないお供に読んでいただければ幸いです。

文・夏野 栄
Chapter
クリーンカンティーンをビカビカに磨いて被らないアイテムに
磨きで人気ボトルを被らないルックスにしたい!
手磨きの装備・ベストセレクション
塗装の剥離・シルバーベースなら必要なし
塗装を剥ぐと無垢シルバーに変身
水研ぎ開始・基本は240番から
手強い傷にはペーパーの番手を落とす
鬼のヘアラインを倒すとあっという間に1000番台
被り回避できて素敵になるギアカスタム「磨き」
まとめ

クリーンカンティーンをビカビカに磨いて被らないアイテムに

初回は弊社クリエイティブを活かしたギアカスタムネタから。今回はキャンプ&アウトドア界隈でも注目されはじめた『磨き』カスタムで遊んでみます。

『磨き』に注目が集まりはじめた昨今、プロ視点での保存版HowToがあればお役に立てるかもと思ったのが本記事の骨子です。湘南牛舎のガレージには自転車部門、バイクと四輪部門がありまして、映画やプロモーション用の劇車からデモ車のほか、エーグルバンやタイニーハウスまで、幅広く何でも作らせていただいてます。僕はアートディレクション廉プロデュース担当ですが自転車ビルダーでもあり、磨きも作業の範疇。しっかり磨かせていただきます。

磨きで人気ボトルを被らないルックスにしたい!

人気のマイボトルといえばその筆頭と言っても過言ではないクリーンカンティーン。でもキャンプ場からスタバまで人気だけに被ること被ること。でもやっぱり美しいし機能的で使いたい。「もしクリーンカンティーンで人と被らずよりかっこいいバージョンがあったら欲しい!」このニーズはかなり潜在しているのでは? 僕自身ここがジャストで、クリーンカンティーンをカスタムベースに選んだ理由の一つ。

もう一つの選んだ理由は「ステンレス製だったから」です。ちまたで話題になる『磨きネタ』のほとんどはアルミポリッシュ。アルミは柔らかく加工がしやすい一方、ステンレスは固く加工が困難。ステンレスでのカスタムができることをお届けすることで、より磨きカスタムが幅広く身近なものになればという想いをこめて。あと加工は困難ですが、硬いステンレスの場合、すぐに曇ったり傷が入ったりするアルミに対してビカビカの耐久性が高く長持ち。ちゃんとステンレスを磨くメリットもあるんです。

手磨きの装備・ベストセレクション

【手磨き用のベストセレクション装備】
・水研ぎペーパー240、400、600、800、1200番(メーカーは重要です)
・メインの研磨用:ワコーズ メタルコンパウンド
・仕上げ研磨用:ホワイトダイアモンド
・コーティング:ワコーズ バリアスコート

ここまで完璧に揃える必要はありません。近い装備で十分です。弊社の磨きに超うるさいビルダー白鳥に、妥協を許さないベスト装備をセレクションしてもらいました。コンパウントにはさまざまあり、人気の「青棒」や「ブルーマジック」等、みなさん名前を認知している商品もあるかと思います。

根本的な違いは番手のほかに、『機械磨きにマッチするか手磨きにマッチするか』という点があります。早くもアウトドア媒体でここまで磨きについて書く必要があるのかと疑問を感じつつ、保存版としてどうかご容赦いただければ幸いです。

塗装の剥離・シルバーベースなら必要なし

もしまだボトル購入前で、その上で磨きボトルを作りたいという方がいたら迷わず無垢のシルバーカラーを購入してください。まるまるこちらの作業はカットできます。今回は私物がマットコヨーテだったためここからの作業。この工程は迷う要素ゼロ、本当にかんたんなのでご安心ください。ホームセンターで剥離剤を買ってきて塗って待つだけ。必要量の剥離剤はホームセンターで1000円ほど。
ハケ等で塗装面に塗り、10分ほど待つと塗装が溶けて表面がブクブクボコボコしてきます。トータル20分ほど待ったら塗装が布で拭き取れるほど柔らかく溶けます。剥離剤を扱う際には必ずゴム手袋をしてください。手につくとかなり痛いのでご注意を。

塗装を剥ぐと無垢シルバーに変身

塗装を拭き取った状態がこちら。「お、すでにけっこういい感じじゃん」と一瞬思いそうになりますが、これで市販の無塗装シルバーと同じ状態です。

解りやすくクリーンカンティーンの無垢シルバーカラー、クラシックボトルと並べてみました。「うわーシルバーでやれば良かった」なんて思わないで前向きにいきましょう、冒険はこれから。お隣の無垢シルバーといかに差を出せるか、お楽しみください。
近くで凝視すると無数のヘアラインがよく解ります。ヘアラインというのは文字通り「髪の毛のような線傷」のこと。意図的に一定の線傷をつけ、ボカしぎみに見える表面の処理をヘアライン仕上げといいます。アウトドアギア含め腕時計等でももちいられる仕上げ方法の一つですが、今回はトレンドの「ビカビカポリッシュ」を目指すため、まずはこのヘアラインを消していきます。

水研ぎ開始・基本は240番から

磨きの基本的な手順として、まずは耐水ペーパーの240番から始めます。「そんな荒いので傷つかない?」と思われた方、その通りです。まずは傷をつけることでヘアラインより下の層を目指す作業。ペーパーの荒い目で取れない傷は後から細い目でいくら磨いても絶対にとれないという法則があります。まずはがしがし傷をつけてヘアラインの下の層を目指します。
とはいったものの、クリーンカンティーンはがちがちのステンレスボトル。アルミ缶に比べると硬度の違いはまるで小豆バーと豆腐です。そして今回初めてクリーンカンティーンを磨いてみたのですが、このヘアライン異常に深く入ってます。どうか覚えておいてください。「クリーンカンティーンのヘアラインはヤバい」と。

このヘアラインは鬼です。240番である程度戦ってみて手も足も出ませんでした。ハードモードということで180番に番手を落とします。アルミが相手ならまず登場しない180番の登場、超荒い180番で削ってゆきます。

手強い傷にはペーパーの番手を落とす

死闘の模様がお解りいただけるだろうか、こちらが180番屍累々の図でございます……。今回予想外の展開で、隣の部屋でバイクを組んでいたビルダーの白鳥(以後シラさん)に深いヘアラインについて相談しました。「これは手強いね」と、180番作戦に共感してくれた彼、きっと苦戦についても共感してくれるだろうと状況をラインで伝えました。

「このヘアラインダメだよ。ちょっとくらい残っててもいいよね。そういう企画じゃないし」

するとシラさんから以下の返信が。

「そこが頑張りどころだよ!! そこでどんだけ頑張れるかに、かかってるよ!!」
辞め時のきっかけを得ようとラインしたにも関わらず、まさかこのような無慈悲なレスがかえってくるとは夢にも思いませんでした。どうかみなさんはクリーンカンティーンのヘアラインを全て消そうなんて思わないでください。ある程度で良い方は、180番部分の周辺はすっ飛ばして、次へ進んでください。

それ以外の勇者、いや変態カスタム野郎の方々のみ、180番でヘアラインが消えるまで格闘してみてください。なおおすすめはしません。死闘の末、クリーンカンティーンの悪魔のヘアラインを倒すことができました。本当にここまでやる必要はありません。個人のお好みで辞め時をチョイスしてみてください。

鬼のヘアラインを倒すとあっという間に1000番台

ヘアラインさえ消えればあとは高速道路に乗ったも同然。240番へ進み180番でつけた傷を消し、400番からそれ以降も同じことを繰り返し、あっという間に1200番の水研ぎです。

コツは、まずは横に磨き、横磨きでできた横線の傷を、縦磨きで消していくという方法だと取りこぼしがなくなります。

1200番でほぼ傷が消えたら、いよいよコンパウンドによる研磨がスタート。と、ここまで読んだ方は磨きとは大そうしんどいことなんだと感じてしまう方もいるかもしれませんが、アルミなら本当にお手軽にここまでこれます。時間として恐らく5分の1以下、もっとかもしれません。お手軽に楽しみたい方は、ぜんぜん楽なのでアルミのカスタムベースを選んでみてください。
一言でステンレスといってもいろいろな種類のステンレスがあります。クリーンカンティーンのステンはヘアラインが強烈だったことからも解るように、かなり硬いようです。手磨きコンパウンドを始めてもやはりなかなか切れません。とにかくゴシゴシしていきます。

被り回避できて素敵になるギアカスタム「磨き」

紙ウェスから布ウェスに変えたり。コンパウンドを拭き取って空拭きに近い状態で磨いたり。磨きに磨いてやっと映り込むようになってきました。仕上げの研磨剤ホワイトマジックでの作業ですが、アルミ地を仕上げるように表面は大きく変化しませんでした。

面が強すぎるのかコート剤も必要なさそうなご様子。そうなると作るのは大変ですが、アルミポリッシュよりも大きく優れている点として、輝きが長持ちします。ついに『クリーンカンティーン・ビカビカカスタム』の完成です。

まとめ

今回はあえてラスボス的なステンレスベースでカスタムしてみました。例えステンレスでもこのようにビカビカカスタムは可能です。アルミなら本当に楽、入浴タイムの暇つぶしあたりに丁度いい作業です。難しい工程もとくにない磨きカスタム、カスタムベース選びが重要になってくるネタだと思います。

「魅力あるギアだけど人気があってとにかく被る金属アイテム」こんなキーワードで探してみると、良いカスタムベースに出会えると思います。それではまた次回、尖ったキャンプ&アウトドアネタをお届けします。

レッツエンジョイ磨き!


文・アウトドアライター&クリエイター夏野 栄
山岳部出身のアウトドアライター。数多くの紙面やWEBなどの媒体で活躍。湘南の牛舎ガレージのアートディレクション廉プロデュース担当も務める。自転車ビルダーでもある。

(提供元:LANTERN
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