事故車の定義=事故に遭った車ではない!?事故車の定義を徹底解説

事故車

※この記事には広告が含まれます

通常、事故車と聞くと「事故に遭遇して故障した車」のことを想像するかもしれません。

しかし、自動車業界における「事故車」には厳密な定義があります。

この記事ではつい誤って認識されがちな「事故車」について正しい定義とその中身について詳しく解説していきます。
Chapter
意外と知らない「事故車」の定義
事故車=事故に遭った車ではない
事故車かどうかはココで決まる
事故車ではないケース
事故車を所有するデメリット
事故車でも買い取ってもらえるのか
事故車の査定額は30万円下がる
事故車の査定方法
事故車を見分ける方法
「修理歴」の有無で判断
車検証を確認する
事故車と知らずに買ってしまった場合の対処法
事故車の定義まとめ

意外と知らない「事故車」の定義

ポイント
  • 事故車=事故に遭った車ではない
  • 事故車とは、車の骨格部分に損傷を負った、または修復歴のある車両のこと
  • 事故車は「修復歴車」と表記されることもある

事故車=事故に遭った車ではない

車業界における「事故車」とは、事故に遭った車ではなく、「車の骨格部分に損傷を負ったまたは修復歴がある車両」を指します。

つまり、事故車は事故の有無に関係なく車の骨格部分に損傷や修理歴があれば全て事故車となります。

また、事故車は「修復歴車」と表記されることもあるので買取査定や中古車の購入を検討する際は参考にしてみてください。

事故車かどうかはココで決まる

先述のとおり、事故車の定義に事故の有無は関係ありません。

自分の車が事故車であるかを判断するには「車の骨格部分」に注目します。

では、なぜ車の骨格部分が事故車を定義づけるのでしょうか。

それは、車の骨格部分に損傷や修復歴があると安全面や機能面に支障がでるからです。

ここでは「車の骨格部分」について、その名称と役割について紹介していきます。
車を構成する骨格部分

https://www.goo-net.com/kaitori/kaitori-satei/zikosya-gimon/8595/

車の骨格部分
  1. フロントクロスメンバー
    エンジンやサスペンションを支える部分。フロント部分の骨格の剛性と強度を高める。

  2. ラジエターコアサポート
    車のフロント部分を繋げる骨組み事故の衝撃を受けやすい部分。

  3. フロントインサイドパネル
    ボンネットを開けた時にエンジンルームの左右に位置しているパネル。骨格部分で最も損傷しやすい。

  4. フレーム
    人間の体で言うと背骨にあたる長い骨格。フロントからリヤに繋がっている。

  5. ダッシュパネル
    人が乗る室内とエンジンルームの壁となる部分。エアバックを正常に動作させる。

  6. ピラー
    屋根を支える柱状の骨格。ドアとルーフ(天井部分)をつなぐ。乗員を衝突時の衝撃から守る役割があり、頑丈に作られている。

  7. ルームフロアパネル
    室内の床にあたる部分の骨格。車両の構造的な安定性を支える。カーペットを剥がすと確認できる。

  8. トランクフロアパネル
    トランクルーム下部の床にあたる骨格部分。車の強度や剛性を高める重要なパーツ。

  9. ルーフパネル
    屋根の外側の部分。ルーフパネル自体に強度はないがピラーと溶接されている重要部分。
これらの骨格部分は車を構成する上で重要な役割を担っています。

車の骨格部分に損傷や修復歴があると「事故車」になるのは、こうした理由があるのです。

事故車ではないケース

言い換えれば、骨格部分以外の箇所を損傷、修復した場合はそれがどんなに重要なパーツであっても「事故車」にはなりません。

事故に遭った車だからと言って「事故車」にはならないこと、また、車の骨格部分以外の箇所を損傷・修復しても「事故車」にはならないことをここで押さえておきましょう。

事故車を所有するデメリット

事故車を所有する際は注意が必要です。

見た目だけでは分からない、潜在的なリスクが多く存在するからです。

事故車のデメリットは主に3つあります。
  1. 車の市場価値が下がる
  2. 安全面・機能面の問題
  3. 査定時に申告が必須
事故車はその車両の重要部分に傷や修復歴があることから、安全面・機能面で問題があるとみなされます。

そのため、故障や不具合を起こしやすく、高値で買い取ってもらうことが難しくなります。

また、事故車を買取査定に出す際は事故歴を申告する義務があり、遵守しないと損害賠償責任を負うことになります。査定時にはメンテナンスノートをしっかり提出し、修復歴について包み隠さず伝えることが大切です。

事故車でも買い取ってもらえるのか

事故車であっても査定金額の相場を見積もることは可能です。

しかし、事故車の買取額は一般的な中古車に比べて低くなるので注意が必要です。

ここでは事故車の査定金額はどのくらいなのか、査定方法やそのコツについても説明していきます。
ポイント
  1. 事故車でも見積もることは可能
  2. 事故車の査定額は一般的に30万円下がる
  3. 査定額は損傷の程度・車種・年式・走行距離によって異なるため確実な相場はない

事故車の査定額は30万円下がる

一般的に事故車の査定額は30万円下がるとされています。

例えば、軽自動車の場合は20万前後、普通車の場合で30〜50万円程度の減額が想定されます。

ただし、査定額は骨格部分の損傷の程度・車の車種・年式・走行距離によっても変わるため確実と言える相場はありません

事故車の査定方法

ポイント事故車の査定方法は2種類
  1. web査定
  2. 出張査定
1.web査定

事故車の場合でも、一般的な中古車と同様にWEB査定を受けられます。「事故車」という条件で査定を行えば、より正確に近い査定額を確認できます。

どこの業者なら事故車でも高く買い取ってくれそうなのか複数のシュミレーターを用いて比較してみましょう。

また、公開されている買取実績を見てみるのも1つの手段です。買取実績と査定額を見て自分の車が大体いくらになるのかを判断してみましょう。

ただし、Web査定では詳しい車の状態をチェックできるわけではありません。

あくまでも大体の相場価格しかわからないので注意しておきましょう。

2.出張査定

出張査定とは、買取業者の査定員に来てもらうサービスです。

査定の日時や場所を指定できるのが特徴です。

より正確な査定額について知りたいのならWEB査定よりも出張査定の方がおすすめです。

なかには無料で査定を行ってくれる業者も多く、その場で買取額を確認する事ができます。

さらに、買取額に納得すればその場で引き取ってもらえる事もあるので正確かつスピーディーに査定したい方におすすめです。

ただし、事故車は中古車に比べて査定が厳しくなるため複数の業者の査定を受けることが大切です。

事故車を高く売るためには買取業者を1社だけに限定するのではなく、少なくとも2〜3社に無料査定を依頼するといいでしょう。

事故車を見分ける方法

中古車を購入する際、事故車かどうかを判別する方法を見ていきます。

修復歴の有無には表示義務があり、自動車取引協議会や日本自動車査定協会によって統一基準が定められています。
ポイント
  1. 修復歴の有無には表示義務がある
  2. 「修復歴あり」の表示=事故車
  3. 車検証内の総合評価がRあるいはRA=事故車

「修理歴」の有無で判断

事故車を中古車として販売する場合、修理歴の有無を提示することは販売店側の義務です。

事故車を避けたいなら、プライスボードなどで「修復歴なし」と表示されている中古車を選びましょう。

また、中古車検索サイトにおいても「修復歴なし」で商品を絞り込むことができる場合があるので併せて確認してみましょう。

車検証を確認する

証明書の総合評価がRまたはRAの場合、その車両は修復歴があることを表します。

車両検査証は認定検査員が車両の状態を点数で示したもので、以下の内容が確認できます。
  • 修復歴の有無
  • わずかな傷の有無
車検証は車のオークションなどでもよく用いられているので是非チェックしてみてください。

事故車と知らずに買ってしまった場合の対処法

中古車を購入した後、それが事故車と発覚した場合は売買契約を取消できます。

ただし、契約の取消には以下の条件があるので注意しましょう。
  • 車の骨格部分の修復歴や損傷が購入魔からあった場合
  • 中古車の修復歴や損傷を事業者から伝えられまかった場合
  • 購入した車が事故車であると気づいてから1年以内かつ契約を締結してから5年以内
いずれの場合も証明することが必要です。

購入後に車の状況を写真に撮っておくことや事業者からの説明をしっかり聞いて備えておきましょう。

事故車の定義まとめ

事故車の定義について理解していただけましたか。

各項目の要点はポイントでまとめているので車を査定に出そうと考えている方、中古車の購入を検討している方は是非参考にしてみて下さい。

商品詳細