Chapter
ゴルフ場はオープンな密室
同伴者は敵ではない
お互いを気遣いあってこそプレーが進行できる
おわりに
ゴルフをしている方なら想像がつくと思いますが、事前に27ホールプレーを想定していても、体力やモチベーションが低下してしまったり、最初の18ホールが充実したものでなかったりすると、「やっぱり27ホールはやめておこう」という判断をする事は往々にしてあります。それを予定通り実行したということは、最初の18ホールのプレーが実りあるものだったという事を証明しています。

この外交で安倍首相は、『ゴルフという共通の趣味を通じてトランプ氏と親密な関係を築くことに成功した』という評判を手に入れました。

今回に限らずゴルフを媒介に国家の外交を行なうという手段は、昔から行われてきましたし、さらにこの関係に近い”接待ゴルフ”という慣習は、多くのビジネスマンゴルファーが経験してきたことでしょう。

なぜゴルフはこのような重要なコミュニケーションを必要とする場として多く用いられるのだと思いますか?

それはゴルフをする環境やルール、そしてマナーが大きく関係しています。そこで今回はゴルフがビジネスゴルフを成功させるために有効な理由を探っていきたいと思います。

“接待ゴルフなんてもう古い”と揶揄されてしまいがちですが、やはりその効果は侮ってはいけませんよ。

ゴルフ場はオープンな密室

まず、プレーする環境に目を向けてみましょう。ゴルフ場はスポーツの中でも広大な敷地を要します。しかもプレー当日、その敷地を使用するプレーヤーはほんのわずかです。

同伴者を除くと、前後のプレーヤーとの距離も遠く、通常の会話で声が届くことはほとんどありません。いわば、ゴルフ場とはオープンな密室状態なのです。これはなかなか他のスポーツや食事をするレストランなどでは手に入れることはできません。

このように「周りに自分たち以外、誰もいない」という環境は、その限られたメンバーとの関係が全てです。当たり前ですが、同伴者としか会話する相手はいないのです。

そんな中ではそのメンバーとの会話に集中しますし、不思議と親近感が湧いてくるものです。このゴルフでプレーする環境こそが、必要な相手との距離を縮めてくれる役割を果たしていることは間違いないでしょう。

同伴者は敵ではない

ゴルフのルールでは、同伴者は対戦相手ではありません。もちろんスコアを競い合うという点では競争する相手には成り得ますが、決して倒すべき相手ではないのです。

それがゴルフの「同伴者(同伴プレーヤー)」という言葉にも繋がっています。あくまでも一緒にプレーする仲間であり、プレーをする上では上下関係はなく、平等です。こうした点も、ゴルフが腹を割って会話をすることができる秘訣のひとつと言えるでしょう。

お互いを気遣いあってこそプレーが進行できる

今度はゴルフのマナーの面を考えてみましょう。ゴルフは審判がいないスポーツですので、お互いが気遣いあうことで、プレーが進行していきます。

自分のことだけに集中していると、同伴者が困っている時に対処できなくなってしまうのです。例えば、お互いの打ったボールの行方を見ていることや、茂みに入ったボールを探すことは、相手(同伴者)のプレーに関心を持って見ていなければできない行為です。

そしてさらにパッティングの際にはピンを率先して持ち、相手のストロークをフォローするなどという行為もプレー進行のためには必要になってくるでしょう。

こうした相手(同伴者)を思いやる行為は、お互いの距離を自然と縮めてくれます。

「頑張れ!」「ナイスショット!」などと声を掛けあううちに、打ち解けあう感覚が生まれてくることを感じた方は少なくないのではないでしょうか?

おわりに

ゴルフというスポーツが、ビジネスなどの場面で特別に有効であるという事ではありません。テニスなどの他のスポーツでも、一緒に楽しめるという点では同じ条件です。

しかし、ゴルフをするために必要な要素である環境やルール、マナーなどは、ビジネスの場面でもコミュニケーションを深めるのに有効な役割を果たし、18ホールを共有する頃にはある種の一体感を味わうことができるのが、ゴルフの最大のメリットなのではないでしょうか?

簡単にまとめるとゴルフは『連帯感や仲間意識が生まれやすい』のです。

ここで注意しておきたいのは「プレー中にはビジネスの話は極力しない。」という事です。プレー中に商談を持ちかけてもあまり良い結果は期待できません。

それよりもプレー中はゴルフに集中し、信頼関係を築くことの方が大切です。前述の日米ゴルフ会談がどのような内容であったかは知る由もありませんが、お互いがゴルフを純粋に楽しめたことがもっとも大きな収穫なのです。

あなたももし、もう少し距離を縮めたいという相手がいたら「ゴルフへ行きませんか?」と誘ってみてはいかがでしょうか?

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文・rinokam【ゴルフィ公式ライター】
某トーナメントコースでのキャディ歴10年で1万人以上のゴルファーを観察。ゴルフの面白さを、キャディとゴルファーの両目線でお伝えします。

(提供元:golfee
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