最近見かけなくなった衝撃吸収バンパーはどこへ?
更新日:2024.09.09
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2010年ごろを境に、目立たなくなった自動車の外装部品があります。それがバンパーです。現在製造されている自動車にもバンパーは採用されていますが、以前と比較すると存在感が薄く、さり気なさがアップしています。これでバンパーの役目を、はたせているのでしょうか?
衝撃吸収バンパーはどこへ?①|日本車のバンパーの変遷について
マイカーとして普及しはじめた1960年頃の車のバンパーは金属製で、その役割はおもに車両同士の衝突から車体を保護するためのものでした。
しかし、1980年台後半になると、バンパーは樹脂製へと移行します。構造的には金属を芯としてその周囲にポリウレタンなどを配置。金属よりも柔らかく復元性に優れているため、車両同士の衝突時には、あえて凹むことで衝撃を吸収し、乗員への危害を低減する「衝撃吸収バンパー」として大々的にアピールされました。
ところが、未塗装であれば復元性を活かせたものの、塗料の技術が進化していなかった当時では、少々の衝突でも塗装割れが起こり、修理費がかさみました。
しかし、1980年台後半になると、バンパーは樹脂製へと移行します。構造的には金属を芯としてその周囲にポリウレタンなどを配置。金属よりも柔らかく復元性に優れているため、車両同士の衝突時には、あえて凹むことで衝撃を吸収し、乗員への危害を低減する「衝撃吸収バンパー」として大々的にアピールされました。
ところが、未塗装であれば復元性を活かせたものの、塗料の技術が進化していなかった当時では、少々の衝突でも塗装割れが起こり、修理費がかさみました。
衝撃吸収バンパーはどこへ?②|現代のバンパーの役割
2000年台に入ってから、バンパーに新しい役割が課されます。それが歩行者保護です。
万がいち歩行者と衝突した場合、人への被害を最低限に抑えるために、フロントバンパーは小さく、デザイン的にはフロントマスクに取り込まれるかたちになりました。
これにより、バンパーが人の足の関節を曲げてしまう確率を減らしています。
万がいち歩行者と衝突した場合、人への被害を最低限に抑えるために、フロントバンパーは小さく、デザイン的にはフロントマスクに取り込まれるかたちになりました。
これにより、バンパーが人の足の関節を曲げてしまう確率を減らしています。
衝撃吸収バンパーはどこへ?③|現代車の衝撃吸収技術
現在製造されている車両にも衝撃吸収バンパーは採用されているのですが、80年代後半とは大きく構造が異なり、バンパーの取付部位が衝撃によりたやすく破壊されることで、衝突エネルギーをボディ前半部に拡散する工夫がされています。
歩行者との衝突でも、バンパーのみで吸収するのではなく、フェンダーやボンネットなどボディ前半部に広く拡散され、人体の損傷を最低限に抑えます。
そのとき車種によっては、ボンネットが自動的にポップアップしてつぶれることで、歩行者がボンネット内部のエンジンに強く打ち付けられるのを防いだり、フロントガラス下に歩行者用のエアバッグを設置し、歩行者の頭部がボンネットやフロントガラスに衝突することを抑止しています。
衝撃吸収バンパーが小型化したのは、相応の働きを自動車のボディ前半で総合的に担うようになったためと、バンパーが歩行者に与える危害を重く見た結果。
衝撃吸収バンパーと名称が聞かれなくなったのは、採用することが一般的になったからと車体構造としてクラッシャブルゾーンの概念で開発されることが常識となったからでしょう。
歩行者との衝突でも、バンパーのみで吸収するのではなく、フェンダーやボンネットなどボディ前半部に広く拡散され、人体の損傷を最低限に抑えます。
そのとき車種によっては、ボンネットが自動的にポップアップしてつぶれることで、歩行者がボンネット内部のエンジンに強く打ち付けられるのを防いだり、フロントガラス下に歩行者用のエアバッグを設置し、歩行者の頭部がボンネットやフロントガラスに衝突することを抑止しています。
衝撃吸収バンパーが小型化したのは、相応の働きを自動車のボディ前半で総合的に担うようになったためと、バンパーが歩行者に与える危害を重く見た結果。
衝撃吸収バンパーと名称が聞かれなくなったのは、採用することが一般的になったからと車体構造としてクラッシャブルゾーンの概念で開発されることが常識となったからでしょう。