教習所で習う手信号とは?右折・左折の正しい合図方法と使う場面をわかりやすく解説
更新日:2025.06.30
※この記事には広告が含まれます
手信号とは、ドライバーが腕や手の動きを使って車の進行方向や停止の意思を示す合図です。
ウインカーやブレーキランプがない時代には必須の方法でしたが、現代でも運転免許の学科で学ぶ重要知識です。緊急時だけでなく、クラシックカーのイベント走行などで見かけることもあります。
手信号=ウインカー・ブレーキランプの“人力版”というイメージをおさえておきましょう。
「手信号って何?」「いつ使うの?」「右折と左折の見分け方は?」という疑問を解消していきます。
ウインカーやブレーキランプがない時代には必須の方法でしたが、現代でも運転免許の学科で学ぶ重要知識です。緊急時だけでなく、クラシックカーのイベント走行などで見かけることもあります。
手信号=ウインカー・ブレーキランプの“人力版”というイメージをおさえておきましょう。
「手信号って何?」「いつ使うの?」「右折と左折の見分け方は?」という疑問を解消していきます。
この記事をざっくり言うと
- 手信号は戦前のウインカーのないクルマの運行時に必要で、現代でも理解しておくと安全運転に役立つ
- 自動車運転における手信号は3種類あり、右左折・車線変更、停止・徐行、後退の際に使用する
- 手信号はバイクや自転車でも使用できる
- Chapter
- 手信号とは何か?歴史と目的
- 手信号を使うのはどんな場面?
- 旧式クラシックカーを運転するとき
- ウインカー故障など緊急時の代替手段
- バイク・自転車での安全意思表示
- 手信号の種類と正しい出し方
- 右折(右への進路変更)の手信号
- 左折(左への進路変更)の手信号
- 徐行・停止の手信号
- 後退(バック)の手信号
- 覚えやすい!手信号早見表
- 手信号を出すタイミングにも注意
- 教習所での指導と運転免許試験のポイント
- 原付バイクや自転車での手信号
- 二輪車(原付バイク・オートバイ)の手信号(道路交通法施行令第21条より)
- 自転車の手信号(道路交通法施行令第21条 備考より)
- 警察官による手信号も覚えておこう
- 両腕を水平に上げている場合
- 片腕(または両腕)を垂直に上げている場合
- ポイント
- まとめ
手信号とは何か?歴史と目的
手信号とは、ドライバーが手や腕を使って行う合図のことです。
現在では自動車やオートバイには方向指示器(ウインカー)やブレーキランプが標準装備されていますが、これらが存在しなかった昔の車両では、運転者が直接腕を出して意思表示をしていました。つまり、手信号はウインカーやブレーキランプの役割をドライバー自身が腕で代替する方法なのです。
現代では自分から手信号を使う機会はほとんどありませんが、運転免許試験の学科でも出題される重要知識として教習所で習います。また、街中でクラシックカーなどウインカーのない車に遭遇したり、何らかの理由で相手の方向指示器が使えない状況では、相手が手信号で何を伝えようとしているか理解できることが安全運転上とても大切です。
現在では自動車やオートバイには方向指示器(ウインカー)やブレーキランプが標準装備されていますが、これらが存在しなかった昔の車両では、運転者が直接腕を出して意思表示をしていました。つまり、手信号はウインカーやブレーキランプの役割をドライバー自身が腕で代替する方法なのです。
現代では自分から手信号を使う機会はほとんどありませんが、運転免許試験の学科でも出題される重要知識として教習所で習います。また、街中でクラシックカーなどウインカーのない車に遭遇したり、何らかの理由で相手の方向指示器が使えない状況では、相手が手信号で何を伝えようとしているか理解できることが安全運転上とても大切です。
手信号を使うのはどんな場面?
旧式クラシックカーを運転するとき
クラシックカーなど、方向指示器が装備されていない車を運転するときには手信号が唯一の合図手段になります。
現在でも方向指示器のない車両が現役で走っており、クラシックカーや旧車のイベントに赴けば遭遇することができます。運転者は手信号で右左折や停止を知らせるため、周囲のドライバーが意味を理解していると事故防止につながります。
現在でも方向指示器のない車両が現役で走っており、クラシックカーや旧車のイベントに赴けば遭遇することができます。運転者は手信号で右左折や停止を知らせるため、周囲のドライバーが意味を理解していると事故防止につながります。
ウインカー故障など緊急時の代替手段
走行中にウインカー球切れやブレーキランプ故障が起きた場合、整備不良のまま走り続けるのは危険です。安全な場所に退避するまでの間に、手信号で代わりに合図を出すことが法律で定められています。
もしウインカーが出せない状態で曲がったり進路変更をすると、合図不履行違反(あいずふりこういはん)となる恐れがあります。そのため、車を安全な場所に停めて修理できるまでは、手信号で周囲に意思表示をする必要があります。
もしウインカーが出せない状態で曲がったり進路変更をすると、合図不履行違反(あいずふりこういはん)となる恐れがあります。そのため、車を安全な場所に停めて修理できるまでは、手信号で周囲に意思表示をする必要があります。
バイク・自転車での安全意思表示
小型バイクや自転車には方向指示器が装備されていない場合があります。
その際、ライダーやサイクリストは手信号を使うことで後続車へ進路変更を明確に伝えることができます。ただし片手運転になるリスクを考慮し、周囲の安全確認を徹底しましょう。
その際、ライダーやサイクリストは手信号を使うことで後続車へ進路変更を明確に伝えることができます。ただし片手運転になるリスクを考慮し、周囲の安全確認を徹底しましょう。
手信号の種類と正しい出し方
教習所では、自動車の運転で使う手信号は大きく3種類あると習います。
それぞれ右左折(進路変更)、徐行・停止、後退の合図です。ここでは特に混同しやすい右折と左折の手信号の方法を中心に、全ての手信号の出し方を具体的に説明します。
それぞれ右左折(進路変更)、徐行・停止、後退の合図です。ここでは特に混同しやすい右折と左折の手信号の方法を中心に、全ての手信号の出し方を具体的に説明します。
右折(右への進路変更)の手信号
右折するときは、運転席(日本車は右ハンドルなので右側)から右腕を真横(水平)にまっすぐ伸ばします。
写真のように、肩から腕を一直線に水平に出す姿勢です。この水平に伸ばした手の方向に自車が曲がることを周囲に示す合図になります。後続車や周囲の車両に対して、「これから自分は右に曲がります(または右車線に移ります)」という意思を明確に伝える効果があります。
写真のように、肩から腕を一直線に水平に出す姿勢です。この水平に伸ばした手の方向に自車が曲がることを周囲に示す合図になります。後続車や周囲の車両に対して、「これから自分は右に曲がります(または右車線に移ります)」という意思を明確に伝える効果があります。
ポイント:腕を水平に伸ばす=「腕を出した方向に曲がります」。右腕を水平に出している場合、自車はその腕の指す右方向へ進むという意味になります。
左折(左への進路変更)の手信号
左折するときの手信号は、右折とは逆の動きで伝えます。肘(ひじ)を直角に曲げて、指先が真上を向くように腕を上方に伸ばします。
つまり、運転席から出した右腕を上に向けて垂直に立てる姿勢です(上腕は水平、肘から先を上に向けたL字型)。この合図は、先ほどの右折とは反対方向に曲がることを示します。
右側から腕を出してはいますが肘を曲げて上に上げているため、「これから左に曲がります(または左車線に進路変更します)」という意味になるのです。
つまり、運転席から出した右腕を上に向けて垂直に立てる姿勢です(上腕は水平、肘から先を上に向けたL字型)。この合図は、先ほどの右折とは反対方向に曲がることを示します。
右側から腕を出してはいますが肘を曲げて上に上げているため、「これから左に曲がります(または左車線に進路変更します)」という意味になるのです。
ポイント:肘を上に曲げる=「腕を出している方向と反対側に曲がります」。右腕を上に曲げている場合、自車は腕を出している側とは逆の左方向へ進むという意味になります。
徐行・停止の手信号
減速して徐行するときや、完全に停止する意思を示す手信号もあります。方法は腕を斜め下方向に伸ばすことです。
日本の右ハンドル車であれば右腕を車窓から下向き45度くらいの角度に出し、手の平を後ろ(後続車側)に向けます。この下向きの手信号は、後ろの車に対して「これから減速します」あるいは「止まります」という合図になります。
ブレーキランプが故障している場合や、徐行・停止する意思を特に明確に伝えたい場合に使用します。
日本の右ハンドル車であれば右腕を車窓から下向き45度くらいの角度に出し、手の平を後ろ(後続車側)に向けます。この下向きの手信号は、後ろの車に対して「これから減速します」あるいは「止まります」という合図になります。
ブレーキランプが故障している場合や、徐行・停止する意思を特に明確に伝えたい場合に使用します。
後退(バック)の手信号
車を後退(バック)させる際にも、もし伝える必要がある場合は手信号が定められています。
基本の姿勢は徐行・停止の場合と同じく腕を斜め下に伸ばし、手の平を後方に向けた状態です。その上で、その腕を前後に振るように動かします(手のひらを見せながら前後にパタパタ振るイメージ)。
この動作によって、周囲に「これから後退します」という意思表示を行います。例えば、狭い路地などで後続車に先に行ってもらうために自車がバックする際など、周囲に対して注意喚起したい場合に使われます。
ただし実際の運転では、後退時はハザードランプ(非常点滅表示灯)を点けることも多いため、手信号で後退を示す場面は非常に限定的でしょう。
基本の姿勢は徐行・停止の場合と同じく腕を斜め下に伸ばし、手の平を後方に向けた状態です。その上で、その腕を前後に振るように動かします(手のひらを見せながら前後にパタパタ振るイメージ)。
この動作によって、周囲に「これから後退します」という意思表示を行います。例えば、狭い路地などで後続車に先に行ってもらうために自車がバックする際など、周囲に対して注意喚起したい場合に使われます。
ただし実際の運転では、後退時はハザードランプ(非常点滅表示灯)を点けることも多いため、手信号で後退を示す場面は非常に限定的でしょう。
覚えやすい!手信号早見表
合図の種類 | 腕の向き・動き | 意味する進行方向・動作 | 覚え方のコツ |
右折 | 右腕を水平に真横 | 右へ曲がる/右へ車線変更 | 出した方向へ進む |
左折 | 右腕を上に曲げて垂直 | 左へ曲がる/左へ車線変更 | 曲げて上なら反対へ |
徐行・停止 | 右腕を斜め下45° 手の平後方 | 減速・停止 | 下向き=スピードダウン |
後退 | 右腕を斜め下、前後に振る | バックする | 振る動き=後退を強 |
手信号を出すタイミングにも注意
手信号で右左折の合図を出すタイミングは、方向指示器(ウインカー)を使用する場合のルールに準じます。交差点を右左折する場合はその行為をしようとする地点から30メートル手前の地点に達したときから合図を開始し、その行為が終わるまで継続します。
また、同一方向に進行しながら進路を変える場合(車線変更など)は、その行為をしようとする時の3秒前に合図を開始し、その行為が終わるまで継続します。急に腕を出して合図をしても後続車が対応できないため、早めの合図が基本です。
徐行や停止の合図についても、行為をしようとするときに開始し、周囲の車両が十分認識できる余裕をもって早めに出すことが安全上推奨されます。
また、同一方向に進行しながら進路を変える場合(車線変更など)は、その行為をしようとする時の3秒前に合図を開始し、その行為が終わるまで継続します。急に腕を出して合図をしても後続車が対応できないため、早めの合図が基本です。
徐行や停止の合図についても、行為をしようとするときに開始し、周囲の車両が十分認識できる余裕をもって早めに出すことが安全上推奨されます。
教習所での指導と運転免許試験のポイント
教習所では上記の手信号の方法やタイミングを学科教習で学びます。
実技教習で実際に手信号を行う機会は現代ではほとんどありませんが、運転免許の学科試験では、車両の手信号の意味や、警察官・交通巡視員の手信号(灯火による信号を含む)の意味が問われることがあります。
教本などの図解も参考に、正しく理解しておくことが重要です。
実技教習で実際に手信号を行う機会は現代ではほとんどありませんが、運転免許の学科試験では、車両の手信号の意味や、警察官・交通巡視員の手信号(灯火による信号を含む)の意味が問われることがあります。
教本などの図解も参考に、正しく理解しておくことが重要です。
原付バイクや自転車での手信号
手信号は自動車だけでなく、原動機付自転車(50cc以下の原付バイク)や二輪のオートバイ、自転車でも、方向指示器がない場合や故障した場合に活用が法律で定められています。
二輪車(原付バイク・オートバイ)の手信号(道路交通法施行令第21条より)
- 左折または左への進路変更
- または、左腕を車の左側の外に出して水平にまっすぐ伸ばす。
- 右折または右への進路変更
- 徐行または停止
- 後退 (二輪車では通常行わないが、もし行う場合の規定は自動車と同じ)
(注:スロットル操作の関係上、実際の運転では左手での合図が推奨される場面もありますが、法令で明確に規定されている左手での合図は左折時のみです。右折時に左手で行う合図は法令に明確な定めがなく、混乱を避けるためにも法令遵守が基本です。)
自転車の手信号(道路交通法施行令第21条 備考より)
自転車の運転者は、上記の二輪車と同様の左腕による合図、または右腕で当該合図に係る進路の方向(右折なら右方向へ水平に、左折なら左方向へ水平に)に腕を伸ばすことで合図ができます。
警察官による手信号も覚えておこう
警察官や交通巡視員が交差点などで手信号や灯火による信号で交通整理を行っている場合、その指示は信号機の表示よりも優先されます(道路交通法第4条第1項)。
両腕を水平に上げている場合
- 警察官の身体の正面または背面に平行する交通(警察官を左右から見る方向)は「青信号」に相当し、直進、左折、右折が可能です。
- 警察官の身体の正面または背面に相対する交通(警察官の正面または背中を見る方向)は「赤信号」に相当し、停止しなければなりません。これに違反すると「警察官現場指示違反」等(道路交通法第119条第1項第1号の2など)の罰則対象となります。
笛の併用:警察官が笛を長く吹く場合は、注意喚起や停止を促す意味合いが強くなります
片腕(または両腕)を垂直に上げている場合
- これは信号機の「黄信号」に相当します(灯火の場合は黄色の灯火)。
- 警察官の身体の正面または背面に平行していた交通(青信号だった方向)は、黄信号と同様の注意が必要となり、安全に停止できない場合を除き停止しなければなりません。
- 警察官の身体の正面または背面に相対していた交通(赤信号だった方向)は、引き続き赤信号に相当します。この合図は、交通の流れを切り替える準備段階を示します。警察官は多くの場合、笛を短く連続して吹くなどして注意を促し、次の指示に移行します。
- 夜間は赤色灯の付いた誘導棒を垂直に上げることで、遠方からの視認性を高めます。
ポイント
両腕水平:警察官の横は青、正面・背後は赤。
腕垂直上げ:青だった方向は黄、赤だった方向は赤のまま。
警察官の指示は信号機より優先。
腕垂直上げ:青だった方向は黄、赤だった方向は赤のまま。
警察官の指示は信号機より優先。
警察官の手信号は状況に応じて機敏に変化するため、ドライバーは信号機だけでなく、常に警察官の動きにも注意を払い、その指示に従うことが安全かつ円滑な交通の基本です。
まとめ
手信号は、現代のドライバーにとって使用機会こそ少ないものの、運転免許で学ぶ重要な交通ルールの一つです。
特に、右ハンドル車での右折(右腕を水平に)と左折(右腕を肘を曲げ上に)の合図の違いは、基本的な知識として再確認しておきましょう。
また、実際に手信号を使用する際には、周囲の安全を十分に確認し、早めに、そして無理のない範囲で行うことが何よりも大切です。
教習所で学んだ知識は時間とともに薄れがちですが、安全運転に不可欠な内容ですので、時折思い出して確認することが推奨されます。
万が一、方向指示器が故障した場合などでも慌てず適切に対処できるよう、手信号の正しい方法を理解しておくことは、全てのドライバーにとって有益です。
特に、右ハンドル車での右折(右腕を水平に)と左折(右腕を肘を曲げ上に)の合図の違いは、基本的な知識として再確認しておきましょう。
また、実際に手信号を使用する際には、周囲の安全を十分に確認し、早めに、そして無理のない範囲で行うことが何よりも大切です。
教習所で学んだ知識は時間とともに薄れがちですが、安全運転に不可欠な内容ですので、時折思い出して確認することが推奨されます。
万が一、方向指示器が故障した場合などでも慌てず適切に対処できるよう、手信号の正しい方法を理解しておくことは、全てのドライバーにとって有益です。