車の窓を開けると音がするのはなぜ?これってなに?
更新日:2024.09.09
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時速30〜40キロ以上で走行中、後部座席の窓を少し開けると、「ボォボォボォボォ」という音が耳を圧迫するように聞こえてきます。非常に不快な音ですが、対処方法はあるのでしょうか?
車の窓を開けて音が出る車と出ない車がある?
じつは筆者もそうなのですが、このボボボ音はかなり苦痛です。体質的に低周波の音を拾いやすい耳のようです。仕事柄、いろいろな車に乗りますが、同じように開けてもあまり音が気にならない車もあれば、とても気になる車もあります。
ちなみに、筆者の車は2座のオープン。ソフトトップですが、片側の窓を少し開いても、ボボボ音はまったく感じられません。ところが、実家の10年落ちのクラウンでは、かなり激しく音が出ます。これまでの経験上、ボボボ音が出るのは、”4ドア”、”気密性の高い車”のような気がしています。
ちなみに、筆者の車は2座のオープン。ソフトトップですが、片側の窓を少し開いても、ボボボ音はまったく感じられません。ところが、実家の10年落ちのクラウンでは、かなり激しく音が出ます。これまでの経験上、ボボボ音が出るのは、”4ドア”、”気密性の高い車”のような気がしています。
音をなくすには?
おそらく多くの人がご存知だと思いますが、窓をさらに広く開けるか?もしくは、反対側の窓を開けると良いようです。
ちなみに、ソフトトップのオープンカーのように隙間だらけの車ではまず発生しませんし、ミニバンでは車種によってありますが、室内空間が広いワンボックス車ではあまり経験した記憶がありません。
また、車のデザインや形状によっても、発生しやすい、あまりしないがあるようです。
ではこの音は何なのでしょうか?音というか、圧力のような?専門家に聞いてみました。
ちなみに、ソフトトップのオープンカーのように隙間だらけの車ではまず発生しませんし、ミニバンでは車種によってありますが、室内空間が広いワンボックス車ではあまり経験した記憶がありません。
また、車のデザインや形状によっても、発生しやすい、あまりしないがあるようです。
ではこの音は何なのでしょうか?音というか、圧力のような?専門家に聞いてみました。
音の発生原因を専門家に聞いてみた
この音は何でしょうか?音というか、圧力のような?ボボボ音の発生原因を物理学博士H氏に聞いてみました。
「少し開いた車の窓が笛で言えばリード(息を吹き込む部分)だと思えば良く、車室内が共鳴箱のようになっていると考えると良いです。ちょうど、共鳴箱の固有振動数にリードの振動数が合ったとき、共振して定在波が共鳴箱のなかに発生します。定在波は開いた窓を自由端とし、シールドされているフロントガラスや開いていない窓などを固定端として立ちます。ところが、もう片方の窓を開けるとそこは自由端になってしまうので、固有振動の波長が変わってしまい、共鳴できなくなります。」
ちょっと専門用語が多いので、わかりやすく書き直しますと、
少し開けた窓から外気(外の風)が入り、その風が窓の細い部分で振動した際、そこで発生する振動数と車内の固有振動数が合うと”共振”という状態になり「定在波」が発生する。この定在波こそが、ボボボ音の正体。耳を圧迫するような不快な振動(音)は、他に開いた窓があればそこから抜けていくが、他が閉まっていると車内でずっと共振が続く状態になる…。
この説明でおわかりでしょうか?共振、共鳴、固有振動数などの言葉は、高校の物理の授業に出てきましたね。
「少し開いた車の窓が笛で言えばリード(息を吹き込む部分)だと思えば良く、車室内が共鳴箱のようになっていると考えると良いです。ちょうど、共鳴箱の固有振動数にリードの振動数が合ったとき、共振して定在波が共鳴箱のなかに発生します。定在波は開いた窓を自由端とし、シールドされているフロントガラスや開いていない窓などを固定端として立ちます。ところが、もう片方の窓を開けるとそこは自由端になってしまうので、固有振動の波長が変わってしまい、共鳴できなくなります。」
ちょっと専門用語が多いので、わかりやすく書き直しますと、
少し開けた窓から外気(外の風)が入り、その風が窓の細い部分で振動した際、そこで発生する振動数と車内の固有振動数が合うと”共振”という状態になり「定在波」が発生する。この定在波こそが、ボボボ音の正体。耳を圧迫するような不快な振動(音)は、他に開いた窓があればそこから抜けていくが、他が閉まっていると車内でずっと共振が続く状態になる…。
この説明でおわかりでしょうか?共振、共鳴、固有振動数などの言葉は、高校の物理の授業に出てきましたね。
車の窓を開けたときに共振が発生する車、しない車の違いとは?
ボボボ音を発生させない(共鳴させない、車内に定在波が立たない)には、音が反射しないようにすればよいそうです。
窓ガラスに音の吸収材を貼ると良いかもしれませんね。
またボボボ音の発生には、車のボディ剛性や形状が関わってくるとのことなので、剛性が弱い車、また幌車のように音響的には屋根がないのとほぼ同じというような車では、共鳴に必要な反射端がないのと同じなので、ボボボ音は発生しないとのことでした。
ボボボ音が発生したら、反対側の窓も少し開ければ良いということだけ覚えておくと良さそうですね。
窓ガラスに音の吸収材を貼ると良いかもしれませんね。
またボボボ音の発生には、車のボディ剛性や形状が関わってくるとのことなので、剛性が弱い車、また幌車のように音響的には屋根がないのとほぼ同じというような車では、共鳴に必要な反射端がないのと同じなので、ボボボ音は発生しないとのことでした。
ボボボ音が発生したら、反対側の窓も少し開ければ良いということだけ覚えておくと良さそうですね。
加藤久美子|Kato Kumiko
自動車生活ジャーナリスト。大学時代はトヨタディーラーで納車・引き取りのバイトに明け暮れ、卒業後は日刊自動車新聞社出版局に入社。フリーランスになって20年超。愛車は1998年式アルファスパイダーで走行距離まもなく25万キロ!近年は撮影&通訳担当のクルマ好き息子と共に、海外自動車ショウの取材が増えている。
著書「固有名詞子育て」(朝日新聞出版)、原作「愛車買います!」(実業之日本社)