初代からファイナルまで…今ランエボ買うならどの世代が良い?

ランサーエボリューション

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惜しまれつつ2016年で生産・販売が終了した三菱 ランサーエボリューション。1992年のエボIから最後のファイナルエディションまで、24年の長きにわたり三菱自動車のスポーツイメージを支えてきました。大雑把に言っても4世代10モデル、サブタイプを含めればさらに多数のバリエーションを持つランエボは、強力なターボエンジンに電子制御4WDを備えた、いわばGT-Rのライバルとも言える性能を持っていました。いま、ランエボを買うなら、あなたはどの世代を選びますか?
Chapter
軽量ハイパワーの第1世代(エボⅠ~III)
ランサーエボリューションⅠ
ランサーエボリューションⅡ
ランサーエボリューションⅢ
当時無敵を誇った第2世代(エボIV~VI・TM)
ランサーエボリューションIV
ランサーエボリューションⅤ
ランサーエボリューションⅥ
ランエボVI トミーマキネンエディション
オートマやワゴンもあった第3世代(エボVII~XI MR)
ランサーエボリューションⅦ
ランサーエボリューションⅧ
ランサーエボリューションⅨ
ランサーエボリューションⅦ GT-A
ランサーエボリューションⅧ MR
ランサーエボリューションⅨ MR
最新最強、でも重い第4世代(エボX)
ランサーエボリューションⅩ

軽量ハイパワーの第1世代(エボⅠ~III)

ランサーエボリューションⅠ

ランサーエボリューションⅡ

ランサーエボリューションⅢ

WRCで勝つため、小型セダンのランサーに1クラス上のギャランVR-4に載っていた2リッターターボエンジン(4G63)を押し込んだランサーエボリューションのデビューは1992年。その後、1995年までに、エボⅡ、エボⅢと2度の進化を行います。

この第1世代ランサーはもっとも小さく軽く、チューニング次第では最強のパワーウェイトレシオを狙うことも夢ではありません。とくに競技ベースモデルのRSならば、最後のエボXより300kgは軽いのです。そのため現在でもこの世代を愛用するドライバーは、モータースポーツからストリートまで幅広く存在します。

エボⅠは、トレッドが狭くボディの剛性不足などもあって、アンダーステア傾向の強いモデルですが、熟成の進んだエボIIとエボIIIの実力は現在でも十分通用します。

とはいえ、この世代のランエボはタマ数も少なく、乗っている人もなかなか手放さないので、状態のいい中古車を探すのはかなり難しいでしょう。

当時無敵を誇った第2世代(エボIV~VI・TM)

ランサーエボリューションIV

ランサーエボリューションⅤ

ランサーエボリューションⅥ

1996年、ランサーが前年にフルモデルチェンジしたことを受けて、ランエボも第2世代へと進化します。この世代のトピックは、GSRに採用されたAYC(アクティブヨーコントロール)です。またエンジンの最高出力も、280psに向上しています。

この第2世代は、2000年に発売された通称トミマキ(エボVI トミ・マキネンエディション)まで、3度のマイナーチェンジを行っています。

ただし5ナンバーサイズのままだったエボIVと、ワイドボディ化して3ナンバーサイズになったエボV以降では特性がかなり異なっています。エボVはトレッド拡大でコーナリング性能が飛躍的に拡大したため、それまで劣勢を強いられたGC8型インプレッサWRXに対して一転、圧倒的に”勝てる”マシンになりました。

ジムカーナ、ダートトライアル、ラリー、レースとすべてのフィールドで大活躍してクラス無敵、レースでも場合によっては上位クラス(排気量の大きいスカイラインGT-Rなど)も食えるようになった下克上マシンです。

またWRC(世界ラリー選手権)においては、ライバルが改造範囲の広いWRカー規定のマシンに移行するなか、ランエボは改造範囲の狭いグループA規定のまま参戦。しかし、エボVではマニュファクチャラーズ、ドライバーズともにチャンピオンとなるなど、その意味でも歴代最高実績を誇ります。

エボVとエボVI、それにエボVI・TME(トミーマキネンエディション)では空力や足回りの味付けが異なっていたランエボ。そのなかでVIの足回りはソフトすぎると、あまり評判が良くありませんでした。

ランエボVI トミーマキネンエディション

「ランエボ」史上、初めての特別仕様車として2000年1月に登場したのが『ランサーエボリューションVI トミーマキネンエディション』。1996年から4年連続で「WRC」ドライバーズチャンピオンとなった「トミー・マキネン」の偉大な功績を記念した一台です。

標準のランエボⅥをベースに、ターマックでの競技と相性が良い、エボVの硬い足回りを標準採用しました。また、ステアリングギアもクイックにしており、競技で運転しやすい仕様となっています。

エンジンに関しても、各種手を加えられており、最大トルクの発生回転数がエボV、エボVIよりも低くなり、さらに低回転のときから分厚いトルクを発生するようになりました。

黒色と赤色がベースのインテリアには、「TOMMI MAKINEN」と書かれた赤いレカロ社製シートを装備。ワークスカーと同じデザインの17インチホイールを装着するなど、まるでWRCのコースからそのまま現れたようなスペシャルモデルです。

オートマやワゴンもあった第3世代(エボVII~XI MR)

ランサーエボリューションⅦ

ランサーエボリューションⅧ

ランサーエボリューションⅨ

ベースのランサーがかつてのギャランサイズまで大きくなってしまったため、小刻みに改良を繰り返して戦闘力保持に努めたのが第3世代です。デビューは2001年で、ACD(アクティブ センター デフ)の新規採用がトピックです。

また、それまで無かったサイドブレーキを引いた時にセンターデフをフリーにして駆動を切る機構=ACD(アクティブコントロールデフ)を、エボVIIから採用。サイドターン(サイドブレーキを使ったスピンターン)が容易になりました。

エボVIIIでは、ブーレイ顔と呼ばれる当時の三菱車に採用されたフロントマスクがランエボにも採用されたことで冷却性能が低下するなど不評でしたが、エボVIII MR以降はルーフが軽量化されて、戦闘力を向上。エボⅨでは、冷却性能の改善も図られています。

エボIXでは、4G63型エンジンがMIVEC化されてタービンも変更され、熟成を極めた最終型のエボIX MRはボディサイズと車重、パワーのバランスが取れた『最強のランエボ』と言って良いでしょう。もう10年以上前のマシンとはいえ、戦闘力の面で”買い”なのが、このエボIX MRです。

また、エボVIIにはオートマ版のエボVII GT-Aが、エボVIIIとエボIXにはステーションワゴン版もありました。

ランサーエボリューションⅦ GT-A

走りに特化したスポーツカーといえばMT車というのが当たり前であった時代に、一大改革を起こしたのが『ランサーエボリューションⅦ GT-A」です。7代目ランエボをベースに、「ギャランVR-4」で実績のある、5速のINVECS- IIスポーツモードATを採用し、2002年に登場しました。

5速ATに合わせたエンジンは、中低速回転でのトルク重視のセッティングとしており、またリアスポイラーは、標準装備の小型、大型、スポイラーなしの3種類から選択、シートは標準装備の専用スポーツシート、本革仕様、レカロ社製シートの3種類から選択することができました。

ボディカラーは落ち着いた印象の6色を展開し、GT-Aは上質さをさりげなく漂わせたスポーティーカーであったのも特徴です。

ランサーエボリューションⅧ MR

ランエボⅧをベースに、パワートレインや足まわりを改良した「ランサーエボリューションVIII MR」は、2004年2月13日に登場しました。グレードの「MR」とは、「Mitsubishi Racing」を表しており、三菱自動車の最上級スポーツモデルという証しでした。

足回りにはビルシュタイン製ダンパーが装備され、路面追従性と回頭性がさらに向上。落ち着いたダークトーンでコーディネートされたインテリアは、レカロ製フロントシートに、スエード調生地を採用していました。

またオプションとしてルーフに「ボルテックスジェネレーター」が用意されており、空気抵抗の低減もなされていました。アルミ製ルーフパネル採用により-10kgもの軽量化も実現し、エンジン性能向上との効果で、ずば抜けた瞬足が特徴です。

ランサーエボリューションⅨ MR

三菱の最強モデルと言われたランエボⅨをベースに、セダン・ワゴンどちらもマイナーチェンジし、『ランサーエボリューションⅨ MR」となって、2006年8月に登場しました。

デザインの変更の他、MIVECエンジンのチューニングと、タービンの材質を変更し、従来に比べ発進加速時の動力性能を向上させています。また、アイバッハ製スプリングを新採用し、ビルシュタイン製ダンパーとの組み合わせにより、安定性を高めながらも乗り心地の改善をすることに成功しました。

標準装備のレカロ社製バケットシートにはレッドステッチが施され、パネルは従来のシルバーからピアノブラックに変更されたことにより、高級感を与える印象となりました。

最新最強、でも重い第4世代(エボX)

ランサーエボリューションⅩ

2016年まで生産・販売されていたので、まだ新しいとも言えるエボXのデビューは2007年です。ランサーの生産終了によってベースがギャラン フォルティスとなり、歴代でもっとも大きく重くなってしまいました。

そのスペックは、ボディサイズが全長4,495mm×全幅1,810mm×全高1,480mmで、車両重量は1,530kgです。

新世代のMIVECターボ(4B11)を搭載して大幅にトルクアップ、後期モデルは300ps、ファイナルエディションでは313psあったのでパワーに不足はありませんが、それでもこれだけ大きく重いと軽快に走るとは言えません。

ダートトライアルなどの競技では、エボXでも支障が無いよう配慮された規則が設定されるほど、戦闘力が落ちていたのです。それでも最後のランエボということで、年式が新しいほど高値で取り引きされています。

2リッター4WDターボのスポーツモデルの新車がスバル WRXしか無くなったいま、それ以外でファミリーセダンとしても使える年式の新しいクルマを望むならば唯一の選択肢です。
タマ数がそれなりにあるのは第2世代以降ですが、純正パーツのことまで考えてると、維持が容易なのは第3世代以降、戦闘力で選ぶなら第2世代のエボV以降と、第3世代のエボVIII MR以降がオススメです。

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