ディーゼルエンジンとガソリンエンジンのオイルの違いは?

Eクラス ディーゼルエンジン

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日本国内でもクリーンディーゼルエンジンが普及してきました。低速から太いトルクを発揮し、悠々と力強い巡航を実現するパワーフィールに、高められた環境性能、そして燃料費などのメリットからまたたく間に市民権を得た感じがあります。そこで気になってくるのがメンテナンス。とくにエンジンオイルについては、ディーゼルエンジンオイルが存在します。ガソリンエンジン用とどう違うのか、どんな役割や目的があるのか、このあたりに注目してみます。
Chapter
ディーゼルエンジンとガソリンエンジンの違い
ディーゼルエンジン用オイルの特徴
ディーゼルエンジンオイルの交換時期

ディーゼルエンジンとガソリンエンジンの違い

ディーゼルエンジンの燃焼構造として、ガソリンエンジンと異なるのは、自然着火であることが挙げられます。スパークプラグを持たず、高めの圧縮比を設定することで、圧縮された空気(=高温状態に燃料を噴射し、高密度高温の空気)のなかで自然着火させます。

この時の燃焼をコントロールして諸問題に対応したのが、マツダのSKYACTIV-Dだったりするのですが、ディーゼルエンジンはどうしてもススが発生やすいという問題があります。

また、ディーゼルエンジンの燃料である軽油には硫黄分が多く含まれ、それが燃焼時に硫黄酸化物に変化し、強い酸が燃焼室に残留します。こうした燃焼時に発生する残留物が、ディーゼル特有のものであるということを、まず頭に置いてください。

ディーゼルエンジン用オイルの特徴

エンジンオイルの役割としては「潤滑」「密封」「冷却」「洗浄」「防錆」の5本の柱があると言われています。なかでもディーゼルエンジンオイルにおいては「密封」「洗浄」「防錆」の機能が高められているのだとか。

密封に関しては、やはり燃焼室に極めて高い圧縮がかかり、その圧縮を保ち続ける必要があります。オイルの「せん断性」などと言ったりしますが、オイルの粘性により力が加わっても途切れない力のことです。たとえば、ハチミツや水飴は容器に移そうとしてもなかなか途切れてくれませんが、水はすぐに途切れてくれます。この違いだと思って下さい。そして途切れず油膜を保てば、当然潤滑性も高く、また部品同士のすき間を埋めて圧縮の逃げを抑え密封してくれるというわけです。

洗浄、これについてはやはり燃焼時に残留する不純物を洗浄するという目的。ディーゼルエンジンは、どうしても燃えカス、ススが出やすい特性のエンジンです。燃えカスやススをそのままにしておくと燃焼効率が下がるばかりか、各部にこびりついて正しい作動の妨げにもなりかねません。ディーゼルエンジンオイルは、こうしたことを防ぐためにも洗浄力を高められていると言われています。

防錆については、これは燃焼後の残留物である硫黄酸化物対策です。この硫黄酸化物が極めて高い酸性の物質であることから、これによりエンジン内部が腐食してしまいます。エンジンを長持ちさせるために、ディーゼルエンジンオイルには酸を中和するアルカリ性の物質が多く含まれています。

ディーゼルエンジンオイルの交換時期

ディーゼルエンジンそのものの燃焼特性、またディーゼルエンジンオイルの持つ役割や特徴などを照らし合わせて、やはりディーゼルエンジンオイルはガソリンエンジンオイルよりも汚れ、傷みが早いと言われており、各社ともマメな点検と早めの交換を推奨しているようです。

メーカーでは、1年/1万キロというサイクルを指定していることが多いようですが、日本の低速域多用、ストップアンドゴー、ましてやアイドリングストップ機能を備えている現代の車両であれば、なおのことエンジンオイルのコンディションには、目を光らせておいたほうが良さそうです。

もちろん、ロングドライブが多い、あまり渋滞などに遭遇しないなど、使用条件によって異なるのは、ディーゼルエンジンに限ったことではありませんが、おしなべて日本はエンジンオイルに厳しいコンディション下で走らせる傾向が強くなります。ご自身の生活環境やクルマをどのように使用してきたかということを思い出しながら、たまにはエンジンルームのオイル確認用のスティックを抜いてチェックするといいですね。

いかにメンテナンスフリー化が進んだとは言っても、このエンジンオイルだけはそうはいかないというのが実情。しかもガソリンなのかディーゼルなのか、はたまたロータリーなのか…エンジン形式、燃焼構造によっても異なりますし、車両の使用環境によっても大きく左右されるのがエンジンオイルです。なかでも、エンジンの弱点を補う特性を持つのがディーゼルエンジンオイルと言えそうです。

クルマを労わり、魅力あるディーゼルエンジンを長持ちさせるためにも、マメなエンジンオイル交換を心がけたいものです。

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