ランボルギーニLM002やポルシェ959など…オフロードを駆けたスーパーカー

ランボルギーニ LM002

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かつては超高級車ロールス・ロイスのスポーツバージョンを作っていたベントレーが、高級クロスオーバーSUV、ベンティガを発売したのは最近の話。こうした高級車やスーパーカーメーカーが、SUVをリリースするのは、より広い顧客を掴むためですが、かつてはブランドイメージ向上のために作られたスーパーカーがありました。
Chapter
スーパーカーとラリーカーの垣根がなかった時代
グループA時代からラリーにスーパーカーの出番は無くなった
パイクスピークを走ったスーパーカー
オフロード車を作ったスーパーカーメーカーと言えば

スーパーカーとラリーカーの垣根がなかった時代

スーパーカーといえば、概ね200km/hオーバーのスピードでサーキットや欧州の高速道路をカッ飛んでいる姿が思い浮かびます。

そういったスーパーカーが、オフロードでガンガン走っているところなど、想像がつきませんよね?

しかし1970年代初めまでは、サーキットレースとラリーの境目がなく、ポルシェやミニ、アルピーヌ・ルノー、アルファロメオなどは、同型のマシンで、それぞれのフィールドで活躍していました。

そうした流れを大きく変えることになったマシンが、ランチア ストラトスです。ベルトーネがデザインした近未来的なスタイリングに、フェラーリのディーノ246GTと同じエンジンをミドに搭載したストラトスは、それまでのラリーカーの常識を覆すことになりました。

その後、WRCラリーは、1982年よりグループB時代に突入。ラリーに特化したスーパーカーが生まれます。

まず、アウディがフルタイム4WDのスポーツクワトロを、ランチアは037ラリーをそれぞれ投入します。MRの037ラリーは、初年度こそ善戦したものの、次第に進化したクワトロの後塵を拝することになりました。

1985年になるとランチアは、4WDにスーパーチャージャーターボチャージャーを装着し、450ps以上を発生する1.8Lエンジンを搭載したモンスターマシン、デルタS4をデビューさせました。

この他にも、プジョー 205T16、フォード RS200、フォード メトロ6R4など、フルタイム4WDに、400psオーバーのエンジンを積んだモンスターが、各メーカーから次々と投入されました。

そんな時代にポルシェが生み出したグループBマシンが、ポルシェ959です。ところが、グループB規定のラリーは、スピードが速くなりすぎたことによる事故が多発。959の登場を待たずにグループA規定へとレギュレーションが変更されてしまったのです。

グループA時代からラリーにスーパーカーの出番は無くなった

グループA規定で覇権が争われることになったWRCでは、アウディが量販車ベースのラリーマシンにフルタイム4WDのクアトロを持ち込み、続けてランチア デルタHFインテグラーレやトヨタ、三菱、スバル、フォードといった4WDターボマシンの時代になります。

ベース車は連続する12ヶ月間に2,500台(1992年以前は5,000台)を生産しなければならず、改造範囲も大幅に制限されていたグループA車両は、市販車の姿を色濃く残すもので、スーパーカーというイメージとは、離れたものになっていきました。

一方で、かろうじてグループB車両が参戦できたパリ・ダカールラリーにおいて、プジョー 205 T16やポルシェ 959が好成績を収めます。

その後、WRCに改造範囲を広げたWRカー規定が導入されてからも、ベース車の生産台数規定は残ったので、プロトタイプカーを除けば、ターマック(舗装)だけでなくグラベル(オフロード)もあるラリーの現場にスーパーカーが出てくることはあまり無かったのです。

パイクスピークを走ったスーパーカー

しかし、何事にも例外はあるもので、アメリカでロッキー山脈の山を駆け上がる「パイクスピーク・インターナショナル・ヒルクライム」には、大型空力パーツに身を包んだ大馬力のモンスターマシンが数多く登場します。

このコースは、パイクスピークの山に設けられた観光道路を閉鎖して行われるもので、舗装区間もあれば未舗装のオフロード区間もあります。(現在は、すべて舗装区間です)。フラットな路面ながら、コーナーが多いことから、強烈なダウンフォースを発生する空力パーツを装着したマシンが活躍します。

日本では田嶋信博氏が率いるモンスタースポーツがスズキ車を大改造したツインエンジン・カルタスやエスクードなどモンスターマシンで参戦している事でも知られていますが、GTカーやスーパーカーなども数多く登場しています。

日産 スカイラインGT-Rやニスモ 400Rも登場したほか、ホンダもNSXを出走させています。

オフロード車を作ったスーパーカーメーカーと言えば

しかし、スーパーカーメーカーでも格別オフロードと縁が深いメーカーがあります。それがランボルギーニです。

そもそもがトラクターメーカーであるランボルギーニが、オフ車を作るというと妙に説得力のある話ですが、それでも作ったのは一般には「チーター」という名で知られるLM002だけでした。

正確には米軍向けの試作高機動車LM001が「チーター」でしたが、それが不採用になったものでクライスラー製のV8エンジンをランボルギーニ製V12エンジンに換装されて販売されました。

カウンタックのエンジンを過酷な環境でも耐えられるようにリファインを施したとはいえ、ほぼそのまま搭載したものですから、最高出力450ps、最大トルク51.0kgmという素晴らしい動力性能を持ち、3t以上のヘビー級SUVでありながら最高速度は200km/hオーバーと発表されました。

それでいて砂漠や熱帯雨林の悪路も走りきる走破性能を持つ本格的クロカン4WD。また、本革をふんだんに使った内装やエアコンなど快適装備に厚いカーペットと、中身は超高級スーパーカーそのものです。

その後もポルシェがカイエンを作るなどSUVのスーパーカーはありますが、クロスオーバーSUVですから最低地上高と大径タイヤ頼みのオフロード性能で本格的な走破性を持つわけではありません。

そのため、本格オフロードスーパーカーといえば、1986年から1993年まで生産されていた、このランボルギーニ LM002が1番かもしれません。

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