アウディ 2代目R8の前期/後期の違い|マイナーチェンジで更なる進化

アウディ R8 クーペ 2017

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アウディ R8といえば、アウディのフラッグシップスポーツモデルであり、スーパースポーツモデルとしても世に知られる存在です。そんなR8、2016年にフルモデルチェンジを受け、V8エンジン仕様が廃止され、すべてV10に刷新されています。

エンジン仕様が刷新されたことで何か変わったのか。詳しく見ていきましょう。
Chapter
アウディ R8が新時代のスーパースポーツとして登場
アウディ 2代目R8はV10エンジン仕様に
アウディ 2代目R8はマイナーチェンジで最強スペックとなった
アウディ 2代目R8はレースカーと同じラインで生産
兄弟車ランボルギーニ ウラカンとの比較
2代目R8は各種装備も進化した
アウディ R8の価格

アウディ R8が新時代のスーパースポーツとして登場

アウディ R8が発売されたのは2006年のこと。近未来的なエクステリアのボディのミッドシップに4.2L V8エンジンを搭載。このエンジンの最高出力は420PSで、それをアウディ自慢のクアトロシステムで路面に伝えるという、新時代のスーパースポーツとして鮮烈な印象与えました。当時の日本での販売価格は1670万円でした。

その後2009年には、上位グレードとなる5.2FSI クワトロを発表。こちらは、最高出力525PS/8,000rpmを発生する高回転型5.2L V10 エンジンを搭載したモデルです。さらに2010年に5.2FSIクワトロをベースとしたオープンモデル、スパイダー5.2FSI クワトロも用意されました。

初代は2016年まで約2万700台を生産。同年3月にフルモデルチェンジを受け、第2世代へと進化を遂げています。

アウディ 2代目R8はV10エンジン仕様に

2代目となったアウディ R8には前モデル同様、5.2L V10エンジンを搭載しています。ただし、このモデルチェンジでV8エンジンが廃止となりました。

フェラーリやポルシェでさえダウンサイジングターボ化の波に抗うことができない中、R8の自然吸気エンジンは一部のマニアにとって大きな魅力として映るでしょう。高回転型V10エンジンのエキゾーストノートは、ドライビングプレジャーの塊といえる存在です。

V10エンジンの最高出力は540PSに向上しており、ハイスペック仕様のR8 V10 プラスにいたっては、最高出力610PSというスペックを誇ります。また2017年6月にはオープンモデルのスパイダーR8もラインアップされました。

アウディ 2代目R8はマイナーチェンジで最強スペックとなった

2代目 アウディ R8は2019年8月のマイナーチェンジで、アウディ市販モデル史上最高の最高出力620PSに進化し、最大トルクも580Nmに増強されています。

名称も変更され、「アウディ R8クーペ  V10パフォーマンス5.2FSIクワトロ(Audi R8 Coupé V10 performance 5.2 FSI quattro S tronic)」、「アウディ R8スパイダー  V10パフォーマンス5.2FSIクワトロ(Audi R8 Spyder V10 performance 5.2 FSI quattro S tronic)」となりました。

■アウディ R8 V10 クーペ/スパイダー
ボディーサイズ:全長4,430mm×全幅1,940mm×全高1,240mm
エンジン:5.2L V10 DOHC 40バルブ 自然吸気
最高出力:456kW(620PS)/8,000 rpm
最大トルク:580Nm(59.1kgm)/6,600 rpm
車体重量:1670kg 
駆動方式:クアトロ(4WD)
トランスミッション:7速SトロニックAT

初代R8のエントリーグレードともいえる4.2L V8に比べ、5.2L V10は出力で200PSアップされていることから、動力性能のすべてのポイントが向上しているといえましょう。多気筒化のメリットといえる高回転化による出力向上が目に見えるカタチで現れているといえます。

また低負荷時にエンジンの片バンクを休止させて燃費効率を改善するCOD(シリンダーオンデマンド)、燃焼室と吸気マニフォールドの両方にインジェクターを設け、最適な燃料供給を実現するデュアル・インジェクションシステム、55km/hを越える速度でドライバーがアクセルOFFにしたときに、エンジンとミッションを切り離すコースティング(惰性走行)モードなどにより燃費性能も改善しています。

アウディ 2代目R8はレースカーと同じラインで生産

アウディ 2代目R8クーペ/スパイダーは、ドイツのネッカーズルム市にあるアウディスポーツ(Audi Sport GmbH)の大本山、ベーリンガーホフ工場にて、レーシングカーのR8 LMS GT2/GT3/GT4と同じラインで生産されていて、GT3とは約50%部品を共有しています。

アウディスポーツによると、アウディ R8ほどモータースポーツの世界に近い市販モデルはほかにはないとのことです。

また、同じラインで生産することによる製造ラインのコスト低減も、メーカーサイドとしては大きなメリットになると言えるでしょう。R8の性格からしてV10エンジンのみとしたのは吉と言えそうです。

兄弟車ランボルギーニ ウラカンとの比較

2代目 アウディ R8のエンジンは、ランボルギーニ ウラカンと共有しています。以前はアウディ R8とランボルギーニ ウラカンは、最高速度の設定が少し違っている以外ほとんど同じスペックだったため、よく比較されていましたが、2018年~2019年に行われた両車種のマイナーチェンジにより、スペックの設定が変わってしまい、単純比較はできなくなりました。

参考までに、兄弟車のアウディR8とランボルギーニ ウラカンのスペックは以下の通りです。

アウディ R8 V10 クーペ
・最高出力 620PS
・最大トルク 580Nm
・最高速…331km/h
・0-100km/h加速…3.1秒

アウディ R8 V10 スパイダー
・最高出力 610PS
・最大トルク 580Nm
・最高速…329km/h
・0-100km/h加速…3.2秒

ランボルギーニ・ウラカンEVO
・最高出力 640PS
・最大トルク 600Nm
・最高速…325km/h
・0-100km/h加速…2.9秒
 
ランボルギーニ ウラカンEVO RWD
・最高出力 610PS
・最大トルク 560Nm
・最高速…325km/h
・0-100km/h加速…3.3秒

最高速、加速スペックを確認してみると、優劣はつけがたいのですが、わずかながら差が生じていて、空力の関係か最高速はR8のほうが上まわっています。

ランボルギーニとアウディのブランドの違いから顧客層が少々違うといわれていますが、その運動性能はまさに現代のスーパースポーツであることを証明していますね。

2代目R8は各種装備も進化した

アウディといえば、その先進装備も常に話題となる存在です。多分に漏れず、2代目R8にも先進技術・装備が奢られています。インパネに配されたバーチャルコックピットもそのひとつであり、各種メーターからナビゲーションまでカスタマイズして表示が可能で、主要な操作はステアリングから手を離すことなく行えます。

またアウディがいち早く採用したLEDヘッドライトも装備。60km/h以上で作動して従来の約2倍の距離を明るく照らす、レーザーハイビームは夜間のドライブの大きな助けとなるでしょう。 

前モデルでも非常に評価の高かったR8ですから、こうした各種装備はより進化を遂げていて、ドライバーに優しいスーパースポーツとも言えます。

アウディ R8の価格

そうなると気になるのがプライスタグ。さてその新車価格は・・・

・R8クーペ  V10パフォーマンス5.2FSIクワトロ 3001万円から
・R8スパイダー  V10パフォーマンス5.2FSIクワトロ 3146万円から

やはりスペックにともなった価格設定というところでしょうか。なかなか庶民には手が届きにくいかもしれませんね。しかし諦めるのは、少し早いかもしれません。2代目が出たので、前モデルの中古価格が下がってきているのです。

大手中古車情報サイトによると、初代R8だと2008年式V8モデルで578万円~とかなり手が出しやすい価格になっています。V10の2代目R8だと2016年式で1480万円~と、やはりなかなかの価格ではあります。しかし、新車購入する場合のアウディ R8クーペ/スパイダーと比べるとほぼ半額から。この価格は魅力的ですね。(2020年7月時点)
レーシングカー、アウディ R8 LMSは世界のレースシーンで大活躍をしていますが、日本でも2019年9月に行われた「もてぎスーパー耐久5時間レース」で初の総合優勝し、その存在感を示しました。マイナーチェンジされ、さらにパワーアップしたアウディ 2代目R8 クーペ/クワトロは、その血筋を引き、アウディ史上最強のスポーツカーに君臨しています。

一方で、スーパースポーツでありながら、堅実な作り込みで気難しさが少ないのも魅力です。価格は代が変わり、また仕様変更の度に高くなり、遠い存在になりつつあります。しかし一方で中古市場に目を移すと、どこかもう少しで手が届くかもしれないところまできています。そんな絶妙な距離感にあるモデルが、アウディ R8といえるのではないでしょうか。
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