ポルシェの本当の名前を知っていますか？

私たちが”ポルシェ”と普段呼んでいる社名は、実は略称。正式名称は「Dr. Ing. h.c. F. ポルシェ AG」です。ずっと長い社名を持っているのです。

その意味は、Dr. Ingがドイツ語で”工学博士”。h.cは、honoris causaの略で、名誉という意味。つまりDr. Ing. h.c. は、名誉工学博士という意味です。

そしてAGは、ご存知のようにAktien Gesellschaftの略称で、株式会社です。

これをやや強引に日本語に直すと、その正式名称は「フェルディナント・ポルシェ名誉工学博士株式会社」ということになります。

車が好きな方なら、フェルディナント・ポルシェ博士の名を一度は聞いたことがあるのではないでしょうか？そう、ポルシェを設立したのは、このフェルディナント・ポルシェ博士なのです。

1933年に独裁者アドルフ・ヒトラーに依頼され、後に世界的な大衆車となるフォルクスワーゲン・ビートル(タイプ1)を設計した人物としても知られています。

2017年現在、ポルシェはフォルクスワーゲンのグループ会社ですが、この頃からすでに関係があったのですね。RRの駆動方式を持つタイプ1は、ポルシェのスポーツカー作りの礎ともなっています。

このように、社名には、創設者を称えた意味が込められているのですね。

「車は快適で便利でないといけない、不便な車では意味がない」というイメージは決して間違いではありません。しかもRRレイアウトは、もともと国民車に適したパッケージとして発想されたもので、イタリアのフィアット500/600、スバル360もRRだったということは、単なる偶然ではないのです。

またRRレイアウトは、当時のレーシングカーでは不足しがちだったリアのトラションを得ることに有利で、フランスのアルピーヌや日野 コンテッサなどにも採用されていました。つまり、ポルシェのRRレイアウトは、理詰めで生み出されたものだったのです。

ポルシェの社名には、そんなドイツを代表する2つのモデルを生み出した人物の名前が入っていたのですね。