Vol.3 24歳独身OLのひと夏の思い出、彼との距離を5センチ引き寄せた車

無題

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季節は秋。仕事終わりの肌寒い夜、ライダースを羽織り、ブーツをコツコツと鳴らしながら、ふと空を見上げると、小さな星がキラキラ輝いていた。

「そういえば夏に星空キャンプに行ったなぁ。」9月初旬、仲良しな男女8人で日本一星空が綺麗な場所と呼ばれる長野県の”阿智村”へ行ったことを思い出した。

そう、あのキャンプによって私の生活が少しだけ変わったのだ。
Chapter
ボンネットから見る綺麗な星空

ボンネットから見る綺麗な星空

天気予報は晴れ、車を2台用意し、じゃんけんで乗り分けをした。私が乗った車はアウディQ5、アウトドアを好み、SUV車を愛する友人の愛車である。

途中の山道はカーブが多かったものの、安定した静かな走りを見せる友人の愛車に関心しながら車内はカラオケモード。あっという間に阿智村に到着した。

BBQをわいわいと楽しみ、満天の星の下で飲むビールは格別に美味しかった。

暖かいテントの中へ移動し、再びお酒とおしゃべりを楽しんでいたら、いつの間にか寝静まり、みんなの寝息と虫の鳴き声しか聞こえなくなった。

私も寝ようかな、と寝袋で寝返りを打つと、「まだ起きてる?」と声が聞こえた。行きに運転してくれた友人に「外で星空見ないか」と誘われた。

外は肌寒く、身震いしていると、彼は愛車のアウディQ5の広いボンネットによじのぼり、寝そべり始めた。
「すごい、さっきよりも綺麗だよ。」私もよじ登ろうとしたが、車高が高くてなかなか登れない。彼は起き上がり、私の手を掴んで引き寄せた。

「ありがとう。」エンジンによってほのかに暖かさが残るボンネットに二人で横になった。肩がかすかに触れ合う距離で彼と二人で見た星空は、一段と輝き、よく記憶に残っている。

今は彼との連絡が増え、二人で会う機会も多くなった。これからどうなるのかな?私は少し、胸の高鳴りを感じている…。
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