【若者のラブホテル離れ】車内でのわいせつ行為は罪に問われる？

結論から述べると、不特定又は多数の者が認識できる状態でカーセックスをすると公然わいせつ罪に問われることになります。

車内でのわいせつ行為を他者に見られ、警察に検挙されると、刑法１４７条に規定されている公然わいせつ罪により、検挙される可能性があります。

（公然わいせつ）
第百七十四条　公然とわいせつな行為をした者は、六月以下の懲役若しくは三十万円以下の罰金又は拘留若しくは科料に処する。

「公然と」とは、不特定又は多数の人が認識できる状態をいいます。実際に行為を見られている必要はなく、他人が見ることができる状態であれば公然性があると判断されます。
公然性があるかどうかは、わいせつ行為の程度やわいせつ行為を行った場所の状況などを勘案して判断されます。

車内は、一見するとプライベートな環境のように見えますが、車を止めた場所によっては、人目につくことも多く、公然性があると判断されてしまうようです。

上記で述べた公然わいせつの成立要件から、このようなシチュエーションでも同罪が成立するのかについて記していきたいと思います。

１.車の窓にスモークガラスやカーテンなどをつけ、車内が見えない状態での行為
→車外からの視認性、声がまったくシャットアウトされていなければ、罪に問われる可能性があります。

２.衣服を身につけていた（下着だけ脱いだなどの）状態での行為
→衣服を身につけていたとしても「わいせつな行為」にあたりますので、罪に問われる可能性が高いです。

３人通りが少ない道路脇や駐車場に停めた車内で行為
→人通りが少なくても、人が通ることで車内を見ることができる状況であれば、罪に問われる可能性が高いです。

上記でも述べたように、行為が公然わいせつにあたるかは、わいせつ行為の程度やわいせつ行為を行った場所の状況などを勘案して判断されます。

夜間に街灯もなく人通りが滅多にない場所で行為に及んだようなケースでは、「公然と」わいせつな行為をしたことにあたらないか、故意がなかったとして公然わいせつ罪にはあたらないという判断になる可能性になります。

公然わいせつ罪は性犯罪と比べて比較的軽微な性犯罪という位置づけであり、逮捕される可能性は低いです。仮に逮捕されるとしても現行犯で逮捕されることがほとんどで、後日逮捕されるケースはほぼないです。

また、仮に逮捕されなかったとしても、在宅起訴されると、公然わいせつの場合は略式罰金を支払うことが多いです。
罰金刑も刑罰の一種である以上、「前科」がついてしまいます。

第三者に行為を覗かれ、撮影されて警察に通報された場合、通報者を何かの犯罪に問うことができないか思う方がいますが、困難です。
そもそも警察が犯罪を通報してくれた人を検挙することは考え難いです。

また、仮に検挙するとすれば盗撮の罪で検挙することが考えられます。
しかし車内でのわいせつ行為の撮影はいずれの罪の要件も満たさないため、この点からも検挙は難しいと思われます。

車内でのわいせつ行為は、犯罪に問われ特別な場合を除き、公然わいせつ罪に問われます。

仮に、罪に問われなかったり、逮捕されなくても、良い行為ではないのでやめましょう。