ホンダ「アコード」をプロが先代と新旧比較 外装・内装などの違いを解説

アコード横

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2024年3月より発売になった11代目モデルと、2020年2月に発売されている先代の10代目モデルの内容をプロが徹底比較します。

文・鈴木 ケンイチ/写真・PBKK

鈴木 ケンイチ

モータージャーナリスト。新車紹介から人物取材、メカニカルなレポートまで幅広く対応。最近は新技術や環境関係に注目。年間3~4回の海外モーターショー取材を実施。レース経験あり。毎月1回のSA/PAの食べ歩き取材を10年ほど継続中。日本自動車ジャーナリスト協会(AJAJ)会員 自動車技術会会員 環境社会検定試験(ECO検定)

鈴木 ケンイチ
Chapter
新型「アコード」と先代を徹底比較
新型と先代と、それぞれに良いところ
新型「アコード」のエクステリア/ボディサイズを先代と比較
新型「アコード」のインテリアを先代と比較
新型「アコード」の運転席/助手席/後部座席を先代と比較
新型「アコード」の安全装備・先進装備を先代と比較
新型「アコード」の走行性能・燃費を先代と比較
新型「アコード」の価格を先代と比較

新型「アコード」と先代を徹底比較

「アコード」は、初代モデルが1976年に誕生しました。「人と社会と車 の調和」を目指したことから、「調和」や「一致」を意味する「アコード」という名前が付けられました。その初代は、開発の最初から北米や欧州での高速走行を想定して開発されていたのが特徴です。

そんな「アコード」は、日本だけでなく、特に北米において大ヒットモデルとなります。1980~2000年代にかけて常に販売ランキングの上位に顔を出す、まさにベストセラーカーとなっているのです。
「アコード」の先代モデルとなるのが2020年2月に発売されている10代目モデルです。特徴は、新世代のプラットフォームを採用し、2モーター式のホンダ独自のハイブリッド・システム「e:HEV」、そして先進の安全運転支援システム「ホンダセンシング」が採用さていたことです。

そして、2024年3月に発売された新型の11代目モデルは、どこが変更になっているのでしょうか? 一番に大きいのは内外装のデザインが一新していること。次に、パワートレインとなるハイブリッド・システム「e:HEV」が改良されていること。そして、「ホンダセンシング」も、より進化した「ホンダセンシング360」となっています。ただし、プラットフォームは踏襲されています。また、FF駆動のみ、1グレード販売という点も同じです。

新型と先代と、それぞれに良いところ

先代モデルと新型モデルを比較すると、やはり多くの部分で、最新技術を採用している新型モデルの方が勝ります。機能の多さ、走りの熟成といった点では、新型が勝ります。逆に先代が良いというのは、価格となるでしょう。新型モデルは、新技術を採用していることや、物価高の時代背景もあり、価格がアップしてしまっています。

新型「アコード」のエクステリア/ボディサイズを先代と比較

「アコード」の先代モデルと新型モデルの大きな違いとなるのがエクステリア・デザインです。

先代モデルのデザインのコンセプトは、走りの良さをカタチにすることでした。先代モデルの開発中の走行性能は素晴らしいもので、その感動をデザインに反映しようとしたというのです。そこで用意されたのが「CLEAN」「SPORTY」「MATURE(成熟)」という3つのキーワードです。力強いフェンダーや抑揚豊かなボディ、逆台形の力強いフロントグリルが特徴となります。
一方、新型モデルのデザインは「クリエイティブ・ブラック・タイ」というもの。フォーマルな礼装であるブラック・タイでありがらも、創造性や遊び心を兼ね備えたものを目指します。また、「主役はあくまでもオーナーである」というスタンスで、華美な装飾やラインは廃されています。流麗で伸びやかなプロポーションに、スマートなフロントビューという組み合わせが特徴となります。
寸法は、先代モデルで全長4900×全幅1860×全高1450㎜。ホイールベースが2830㎜。新型モデルは全長4975×全幅1860×全高1450㎜にホイールベース2830㎜。全長が75㎜伸びているのが違いとなります。

新型「アコード」のインテリアを先代と比較

先代モデルのインテリアのデザインは、安心感・爽快感のバランスがテーマになっていました。インパネは、水平基調として、アッパー・ミドル・ロアーの3層構造です。3層のパネルを薄くすることで、前席足元の空間を大きくしています。

インパネやピラー、ベルトラインなどで描く室内全体の骨格をシンプルかつ、クリーンに構成することで力強さを演出。バルトラインが高いため、安心感も生まれます。

フロントピラーの下側を乗員側に近づけることで、水平視野角を拡大。広く爽快な前方視界を生み出しています。
新型モデルのインテリアのデザインは、ドライバーに運転のしやすい印象=“意のまま”を感じさせ、充実した移動時間の体験=“洗練されたデザイン”の2つの実現が狙いとなっています。

インパネは伸びやかで広々感を生み出す水平基調。インパネの水平基調の流れは、ドアにまで続いており、乗員に包まれ感と安心感を提供します。ソフトパットやメタル部分までの異なる素材が、すべて黒に統一されることで、フォーマルな印象と精緻感が生み出されています。

新型「アコード」の運転席/助手席/後部座席を先代と比較

先代モデルのシートは、運転席が8ウェイパワーシート、助手席で4ウェイパワーシートが採用されています。前席シートには、高硬度高減衰ウレタン・高密度高反発ウレタン、低密度ウレタンを使いわけています。後席にも、高硬度高減衰ウレタンと低密度ウレタンを組み合わせます。運転席と助手席のシートヒーターに加え、後席も座面と背もたれ部のシートヒーターを備えています。

新型モデルのシートは、運転席・助手席ともに8ウェイパワーシートとなります。前席シートは、骨盤から腰椎までを樹脂製マットで支える面支持構造となるボディースタビライジングシートが採用されています。先代と同じく、前席、後席すべてにシートヒーターを備えています。

先代モデルでは、ブラックだけでなくホワイトの内装色も選ぶことができました。新型モデルは部内装色がブラックだけとなっています。

新型「アコード」の安全装備・先進装備を先代と比較

先代モデルには安全の先進運転支援システムとして「ホンダセンシング」が採用されていました。機能として「衝突軽減ブレーキ<CMBS>」「誤発進抑制機能」「歩行者事故低減ステアリング」「先行車発進お知らせ機能」「標識認識機能」「路外逸脱抑制機能」「渋滞追従機能付ACC<アダプティブ・クルーズ・コントロール>」「LKAS<車線維持支援システム>」「後方誤発進抑制機能」「オートハイビーム」などが備わります。
一方、新型モデルでは、より進化した「ホンダセンシング360」が採用されています。国内向けのホンダ車として最初の採用となります。フロントカメラに加え、車体の正面と四隅の5個のミリ波レーダーを備えて、車体の360度全周のセンシングを実現します。

機能として先代モデルに加え「前方交差車両軽快」「車線変更時衝突抑制機能」「車線変更支援機能」が加わっています。また、「衝突軽減ブレーキ」の進化をはじめ、「渋滞追従機能付ACC<アダプティブ・クルーズ・コントロール>」へのカーブ車速調整機能とスムーズな加減速の追加、「LKAS<車線維持支援システム>」の自然でなめらかな操舵支援といったように従来機能のいくつかが機能アップしています。

新型「アコード」の走行性能・燃費を先代と比較

先代モデルも新型モデルも、2リッター・エンジンに2つのモーターを使う「e:HEV」というハイブリッド・システムを使っています。どちらも、走行領域のほとんどをモーター駆動し、高速走行などはクラッチを使って、エンジンの力を直接にタイヤに伝える、シリーズ・パラレル式ハイブリッドとなります。

ただし、方式は同じなれど、新型モデルでは、2つのモーターを使うハイブリッド部分が刷新されています。先代モデルでは、2つのモーターが同軸に配置されていたものが、新型では、より小径化されたモーターが平行軸になっています。これにより、レイアウト自由度がより高くなり、それぞれに適したモーターを使えるようになりました。これにより発電用モーターの出力が高まり、駆動用モーターはトルクフルになっています。

先代モデルの走行用モーターは、最高出力135kW(184PS)、最大トルク315Nm。燃費性能は22.8km/l(WLTCモード)というものでした。それに対して、新型モデルでは、最高出力135kW(184PS)、最大トルク335Nm。燃費性能23.8km/l(WLTCモード)となっています。

新型「アコード」の価格を先代と比較

最後に価格の比較です。先代モデルの価格は、465万円でした。一方、新型モデルの価格は544万9400円となります。

商品詳細