車のエンジンのオーバーホールで出力アップするのか?その効果と注意点

スバル ボクサーエンジン

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車に詳しい方であれば、エンジンのオーバーホールに関しての効果をご存知かとは思います。しかし、実際、何を行うかを知らない方もいらっしゃるのではないでしょうか。今回は、エンジンのオーバーホールの効果と作業、そして、どこからどこまでがオーバーホールなのかという点について紹介したいと思います。
Chapter
エンジンのオーバーホール
エンジンのオーバーホールを行う時期は?
オーバーホールで出力アップする?
エンジンのオーバーホールのデメリットは?
オーバーホールの費用は?

エンジンのオーバーホール

エンジンのオーバーホールとは、通常の点検作業ではできない劣化部品の交換、各部調整、洗浄を行う作業を指します。

具体的には、エンジンを車から降ろして分解し、各部洗浄、各部ガスケットの交換、内部のピストンやクランクなどの、特に重要な各部可動部を計測。

計測後、対象部品が摩耗限度に達している場合や、ピストンとエンジンのシリンダーの公差(隙間)や、クランクシャフトとクランクメタルの公差が大きい場合は、しかるべきパーツの交換を行い、再び組み立てを行います。

旧車では、エンジンブロックやシリンダーヘッドに亀裂や歪みなどがないかを超音波やレントゲンを用いて調べるケースもあります。

エンジンのオーバーホールを行う時期は?

エンジンのオーバーホールは、余程のことがない限り行いません。エンジンの寿命は、約30万〜50万キロといわれていますが、国産車も輸入車も、20万キロを超えたあたりがひとつの目安になってくるかと思います。

具体的には、以下のような症状があれば、オーバーホールを行うことを考えた方が良いでしょう。

・エンジン本体から明らかにオイルがにじみ出ている。
エンジンオイルの減りが早くなった。
・エンジンアイドリング時、マフラーから白煙が出る。
・エンジンから「カタカタ」等の異音が出ている。
・急加速時などに加速が鈍く白煙が出る。

このような症状があれば、エンジンの内部の部品が劣化や摩耗、損傷している可能性があります。特に異音が発生している場合は、エンジン内部でなんらかの部品が破損していることも多く、エンジンブロー等の甚大な破損に繋がる可能性も。早い段階で、エンジンオーバーホール等の修理を考えたほうが良いでしょう。

R33 GT-R エンジンオーバーホール

オーバーホールで出力アップする?

オーバーホールを行うことで、行う前に比べればエンジン性能は良くなります。しかし、エンジンの各部の摩耗した部品や、劣化した部品を交換して組み上げている関係上、新車の頃のパワー感に近づくことは可能ですが、新車当時より上がることはまずありません

また、エンジンには”当たり"というものが存在し、各部品が使用することで馴染んでおり、逆に部品交換してしまうと調子が悪くなるということもあるので注意が必要です。

エンジンを降ろして分解をして作業するため、通常では行えない圧縮比の高いピストンへの交換や、オーバーサイズのピストンに交換して排気量を上げたり、吸気バルブのビッグバルブ化、ポート研磨や、各部品の重量バランス合わせなどのチューニングを行うことが可能です。

その分費用が割高になってしまうのは、言うまでもありませんが…。

エンジンのオーバーホールのデメリットは?

オーバーホールのデメリットは、エンジンを車から降ろして部品単位で細かく分解するという作業のため、高度な技術や知識はもちろん、それなりの設備が必要になります。熟練の整備士でなければ、作業が行えないうえに、費用も高額になります。

最近では、エンジンをオーバーホールするよりも、リビルトエンジンに載せ換えるほうが一般的のようです。

手間と時間が掛かり、工賃も高額なオーバーホール作業をするよりも、エンジンそのものを載せ換えてしまったほうが早いく安上がりなのです。また、組み付けミスなどによる故障や、エンジンのバランスが崩れてしまうなどのリスクも抑えることができるのです。

そもそもメーカー自体がピストンやメタルなどの単体供給を行っておらず、ショートブロック(シリンダーヘッドを除いたピストンなど組み付けされたエンジン本体)での供給のみの場合があります。そのため、根本的にオーバーホールが行えないということも起こります。

オーバーホールの費用は?

先にも挙げた通り、エンジンのオーバーホールの費用は、自動車の整備の中でも比較的高額の部類です。

大体、時間工賃と部品代を含めると、国産車で最少整備(ガスケット類の交換のみ)で20~30万円。ピストンやクランクなどを交換しなければならない場合には、50万円前後の費用が掛かってくるそうです。

輸入車では、時間工賃、部品代が高く、車によってはエンジンを下ろすのにアクスルやサブフレーム、ミッションなどの部品を降ろさらなければいけないなど、非常に手間が掛かるため、国産車の倍の費用が掛かってくるものと思った方が良さそうです。

筆者も40年以上前の旧型アメ車に乗っているので、概算でエンジンオーバーホールの費用を出してみたところ、現状以上のパフォーマンスも求めて計算していくと、結局のところハイパフォーマンス設定のリビルトエンジンを買ったほうが安上がりということがわかりました。

どうしてもお気に入りの車や絶版の旧車など、修理というよりは現状よりパフォーマンスアップ出来るという余裕のある方ならオーバーホールを行なうことはオススメかと思います。

最後の動画はシボレーのスモールブロックエンジンのオーバーホールの様子。筆者の車のエンジンも是非行いたいものです。
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