ホンダ「オデッセイ」の先代比較!5ドアの先代とスライドドアの現行モデルの違いは?【プロ徹底解説】
更新日:2024.09.09
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ホンダの最上位ミニバンである「オデッセイ」。現行モデルは2013年に登場し、一端の生産終了を経て、2023年12月に再販売となっています。その現行モデルは、先代とは、どのような違いがあるのでしょうか。その違いを解説します。
文・鈴木 ケンイチ/写真・PBKK
文・鈴木 ケンイチ/写真・PBKK
2008年誕生の先代モデルの特徴
先代「オデッセイ」の最大の特徴は、1994年に誕生した初代の特徴を色濃く継承しているところでしょう。初代「オデッセイ」の特徴は、「3列シート」「背が低い」「5ドア」というもの。多人数乗車のミニバンでありながら、背が低く、セダンのような走りの良さを売りとしました。そうした特徴を、より先鋭化させていったのが2代目から4代目モデルです。
その4代目モデルのコンセプトは「感性クオリティ」であり、「人と車の一体感」「全席の爽快感」「独自の存在感」を高次元で融合させていました。全高は1545㎜(FFモデル)しかなく、立体駐車場で困ることもありません。5ドアということで、車両重量も1600㎏台と軽量。まるでセダンのような運動性能を実現しました。これが「人と車の一体感」を生み出します。また、3列シートはVの字を描くように配置されており、3列目からでも前が見やすくなっています。これが「全席の爽快感」を生み出します。そして、当時としては珍しかった薄型ヘッドライトによるルックスは「独自の存在感」と呼べるものとなっていました。
2013年の現行5代目の特徴
2013年11月に誕生したのが現行型の5代目モデルです。フルモデルチェンジにあたり、プラットフォームを一新。なんと、スライドドアを採用。従来モデルをしのぐ広い室内空間を実現しつつ、歴代モデルの売りであった爽快で安定した走りを継承するというコンセプトで開発されていたのです。
左右のスライドドアの採用により、全高は1695㎜にまで高まりました。先代よりも約150㎜も高まっています。とはいえ、競合他社のLサイズミニバンは1900㎜台ですから、それでも「オデッセイ」は十分に「背の低いミニバン」というポジションは維持されています。
2020年のマイナーチェンジで、ほぼ現在のようなルックスとなり、2021年末に一旦の生産終了に。約2年後となる2023年12月に再販売となっています。
2020年のマイナーチェンジで、ほぼ現在のようなルックスとなり、2021年末に一旦の生産終了に。約2年後となる2023年12月に再販売となっています。
2.4リッターのエンジンを搭載した先代モデル
先代の「オデッセイ」に搭載されていたのは、K24 型と呼ばれる2.4リッターの水冷直列4気筒DOHC i-VTECエンジンでした。通常グレードとスポーティグレード「アブソリュート」では、チューニングが変えられていました。通常グレードは、最高出力127kW(173ps)で最大トルクは222Nmで、レギュラーガソリン仕様。一方、「アブソリュート」は、FFモデルで最高出力151kW(206ps)/最大トルク232Nm、4WDモデルが150kW(204ps)/最大トルク230Nmまでパワーアップされています。こちらの燃料はプレミアム仕様となります。
トランスミッションは、通常グレードがFFでCVT、4WDが5速AT。「アブソリュート」は、FFも4WDも5ATが組み合わされています。
燃費性能は、JC08モードで通常グレードの最高値がFFの12.4㎞/l、「アブソリュート」がFFで11.0km/lとなります。
トランスミッションは、通常グレードがFFでCVT、4WDが5速AT。「アブソリュート」は、FFも4WDも5ATが組み合わされています。
燃費性能は、JC08モードで通常グレードの最高値がFFの12.4㎞/l、「アブソリュート」がFFで11.0km/lとなります。
ハイブリッドのみとなっている現行モデル
2013年にデビューした現行型5代目モデルの当時のパワートレインは、先代と同じ2.4リッターのエンジンのみというものでした。駆動方式ではFFと4WDの両方を用意していました。そのラインナップに、2016年に2リッターのハイブリッドが追加されました。ハイブリッドはFFのみです。
その後は、2.4リッターのエンジン車と2リッターのハイブリッドが併売されていましたが、2023年12月の再販売以降は、2リッターのハイブリッドのみとなり、駆動方式はFFのみとなっています。
その後は、2.4リッターのエンジン車と2リッターのハイブリッドが併売されていましたが、2023年12月の再販売以降は、2リッターのハイブリッドのみとなり、駆動方式はFFのみとなっています。
現在発売されている2リッターのハイブリッドは、走行状況に応じて、モーター駆動とエンジン駆動を使い分けています。
そのスペックは、モーターが最高出力135kW(184ps)/最大トルク315Nm、エンジンが最高出力107kW(145ps)/最大トルク175Nmというもの。燃費性能は、最新のWLTCモードで最高19.9km/lとなります。JC08モードよりも厳しいWLTCモードでも、先代よりも燃費性能は大きく向上しています。
そのスペックは、モーターが最高出力135kW(184ps)/最大トルク315Nm、エンジンが最高出力107kW(145ps)/最大トルク175Nmというもの。燃費性能は、最新のWLTCモードで最高19.9km/lとなります。JC08モードよりも厳しいWLTCモードでも、先代よりも燃費性能は大きく向上しています。
オットマン付きのゴージャスな2列目シートの存在
先代モデルと現行モデルの最大の違いは2列目シートでしょう。先代モデルの2列目シートは、3人掛けで、その構造はセダンの後部座席と変わりません。一方、現行型は左右で2席が独立しており、それぞれにオットマンと背もたれの中折れ機能が付いています。ゴージャスさがまったく違っているのです。
先代がセダン派生の5ドアの3列シート車なのに対して、現行はスライドドアの通常の箱形ミニバンであるというのが最大の違いとなっています。
先代がセダン派生の5ドアの3列シート車なのに対して、現行はスライドドアの通常の箱形ミニバンであるというのが最大の違いとなっています。
先進運転支援システムの進化
現行モデルの先進運転支援システム「ホンダセンシング」は、何度かのマイナーチェンジと改良により、非常に充実したものとなっています。AEB(衝突被害軽減自動ブレーキ)を筆頭に、ステアリングのアシストから、低速時のアクセル踏み間違いに対する急発進抑制機能まで揃います。もちろん、高速道路で、先行車を追従するACC機能も用意されています。
一方、2008年に登場したのが先代モデルです。当時は、まだ先進運転支援システムが一般に普及していませんでした。実際に衝突被害軽減自動ブレーキで完全に停止するまでブレーキがかかるのは2009年から。それ以前は、ブレーキは作動するものの、完全停止までいかないものしか許可されていなかったのです。そのため2008年のデビュー当時の先代モデルは「CMBS(衝突軽減ブレーキ)」を用意していましたが、完全に停止するものではありませんでした。
過去10年で最も大きく進化した自動車技術が、先進運転支援システムです。そういう意味で、2008年誕生の先代と現行モデルとでは、先進運転支援システムの部分が大きく変わっていると言えます。
過去10年で最も大きく進化した自動車技術が、先進運転支援システムです。そういう意味で、2008年誕生の先代と現行モデルとでは、先進運転支援システムの部分が大きく変わっていると言えます。
2008年に誕生した先代モデルは、5ドアモデルであり、どちらかと言えばセダンから派生したミニバンという存在でした。それに対して、2013年誕生の現行モデルは、スライドドアを持った、いわゆる一般的なミニバンです。この部分の違いが最も大きな違いでしょう。また、パワートレインもエンジン車からハイブリッドに変わっています。そして、先進運転支援システムの充実度は、さらに大きな差となっています。