レクサス「RX」を新旧比較!基本コンセプトを踏襲しつつ楽しい走りを目指す! 【プロ徹底解説】

トヨタ レクサスRX

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ラグジュアリーSUVの開拓者となるのがレクサスのミッドサイズSUVの「RX」です。現在のレクサスのビジネスを支える大きな柱となるコアモデルです。その最新モデルは2022年11月に登場しました。先代モデルとは、どのように異なるのでしょうか? その進化の内容を解説します。

文・鈴木ケンイチ/写真・PBKK

鈴木 ケンイチ

モータージャーナリスト。新車紹介から人物取材、メカニカルなレポートまで幅広く対応。最近は新技術や環境関係に注目。年間3~4回の海外モーターショー取材を実施。レース経験あり。毎月1回のSA/PAの食べ歩き取材を10年ほど継続中。日本自動車ジャーナリスト協会(AJAJ)会員 自動車技術会会員 環境社会検定試験(ECO検定)

鈴木 ケンイチ
Chapter
RX新旧比較表
RXの先代から新型へのコンセプトの変化
RXは基本となるプラットフォームが刷新された
RXはデザインが進化
RXの パワートレインとモデルラインナップの変化
RXの先進運転支援の進化

RX新旧比較表

現行RX先代RX
新車価格664~901万円495~877万円
中古車価格73〜1,050万円 73〜1,050万円
ボディタイプSUV/クロカンSUV/クロカン
全長4,890mm4,890~5,000mm
全幅1,920mm1,895mm
全高1,700~1,705mm1,710~1,725mm
燃費WLTCモード11.2~20.2km/L10.4~15.6km/L
燃費JC08モード11.2~20.2km/L11.2~18.8km/L
ドア数5ドア5ドア
乗車定員5名5~7名
排気量2,393~2,487cc1,998~3,456cc
トランスミッションマニュアルモード付ATマニュアルモード付CVT
ハンドル
最小回転半径5,500~5,900mm5,900mm
ホイールベース2,850mm2,790mm

RXの先代から新型へのコンセプトの変化

レクサスのコアモデルとなるのがミッドサイズSUVの「RX」です。最新型となる第5世代モデルは、2022年11月に日本で発売となりました。そのコンセプトは「走って楽しい車、運転していると自然に笑顔になる車」というものでした。その象徴ともいうように、新型「RX」には、パワフルなパワートレインとスポーティな装備を与えられた「RX500h F SPORT Performance」が追加されています。ただし、レクサスのチーフエンジニアは一方で「歴代RXが大切にしてきた上質な乗り心地と静粛性を大事にしました」とも言います。つまり、基本コンセプトを踏襲しつつ、より走りを楽しい方向に磨きあげたというのが、新型モデルでしょう。
一方、先代モデルとなる第4世代の登場は2015年10月でした。そこで開発を担当したチーフエンジニアは「RXでありながらRXを超える」をテーマにしたと説明します。また、「レクサスはProgressive Luxuryを標榜するブランド」、そして「RXはレクサスを体現するコアモデルとしてブランドを牽引してきた」と言います。確かな技術力と新しい車を生み出そうという開拓精神を持った車が「RX」となります。そうした「RX」の歴史を継承しつつ、より「RX」らしさを磨き上げたのが先代モデルでした。

RXは基本となるプラットフォームが刷新された

車の骨格となるのがプラットフォームです。そのプラットフォームが最新型ではGA-K改良プラットフォームに一新しました。これによりホイールベースが60mm長くなり、トレッドが前で15mm、後で45mmも拡大しています。また、サスペンションもフロントは先代と同じマクファーソン式ストラットを採用しましたが、リヤには新開発したマルチリンク式サスペンションが採用されています。
アッパーアームの配置と形状を工夫することで、車内側への張り出しを小さくすることができ、広い室内空間を生み出します。そして、新しくなった足回りは、発進・加速時の車両姿勢変化と振動を抑え、快適な乗り心地を生み出します。
プラットフォームの一新により車両寸法も変化しました。全長4890mmは変化ありませんが、全幅が+25mmの1920mmに全高は-10mmの1700mmとなりました。

RXはデザインが進化

先代モデルのデザイン・コンセプトは「力強さと大人の色気」というもの。切り返し位置を高くしたスピンドルグリル、キャビンの前後を絞ったひし形のようなメインボディと大きく張り出したフェンダーが、伸びやかさと力強い塊感を生み出していました。後席窓の後ろ側のクォーターウインドウをブラックアウト化することで、ピラーが浮いたように見える手法を採用しているのも特徴となります。
一方、最新モデルのデザインは「ALLURING×VERVE」。魅惑的な姿(ALLURING)と力強さ(VERVE)を掛け合わせたものです。スピンドルグリルは、ボディと一体化したスピンドルボディに進化。新プラットフォームの採用により、よりワイドで低いスタイルを獲得。走りの良さを感じさせる、低重心で踏ん張り感のあるデザインとなっています。

RXの パワートレインとモデルラインナップの変化

パワートレインは新型になって、すべてが一新されました。
先代に使われていたパワートレインは2種類。2リッターの直列4気筒ターボ・エンジンと、3.5リッターV型6気筒のエンジンを使うハイブリッドです。2リッターのエンジン車には「RX200t(後にRX300と名称変更)」、3.5リッターのハイブリッドは「RX450h」の名称が与えられていました。ちなみに、先代モデルは2017年に3列シート仕様の「RX450h L」を追加しています。
それに対して新型モデルでは、4種類のパワートレインが用意されています。2.4リッター4気筒ターボ・エンジンを使うハイブリッド、2.5リッターの4気筒NA(自然吸気)エンジンのプラグインハイブリッド、そして2.5リッター4気筒NA(自然吸気)エンジンのハイブリッド、そして2.4リッター直列4気筒ターボ・エンジンというもの。それぞれモデル名は「RX500h」、「RX450h+」、「RX350h」、「RX350」と名付けられています。また、新型モデルでは、3列シート仕様は、現在、用意されていません。

RXの先進運転支援の進化

レクサスのコアモデルとして「RX」には、その時代時代の最先端の技術が採用されています。先代モデルでも先進安全運転支援システムとして「レクサス・セーフティ・システム+」が採用されています。これは、歩行者などへの衝突日会鯨現自動ブレーキ「プリクラッシュセーフティ」をはじめ、車線を維持する「レーンキーピングアシスト」、先行車との車間距離を維持しながら追従走行する「レーダークルーズコントロール(全車速追従機能付き)」がセットになったもの。これ以外にも、駐車時に左右後方から接近する他車両を検知する「リヤクロストラフィックオートブレーキ」などが採用されています。当時としてだけでなく、現在のレベルでも十分に思えるほどの充実した内容です。
それに対して新型モデルでは、さらなる高度な機能が追加されています。それが、事故のリスクを事前に予測して、より高い安全を図るため他機能と連動する「プロアクティブドライビングアシスト」や、高度運転支援技術「レクサス・チームメイト」の採用です。「レクサス・チームメイト」は、渋滞走行時に条件が整ったときにハンズオフを可能とする「アドバンスト・ドライブ(渋滞時支援)」と、より広範囲での駐車操作をサポートする「アドバンスト・パーク(リモート機能付き)」という機能となります。「アドバンスト・パーク(リモート機能付き)」は、リモート機能付きとあるように、車外から車をリモート操作して駐車させることが可能となります。
レクサスのコアモデルとなる「RX」。先代モデルと新型モデルを比較してみると、メカニズム面は一新していますが、その根底には歴代「RX」が育んできたイメージがしっかりと継承されています。その安定感も「RX」の魅力と言えるのかもしれません。
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