バブル期の社会問題?!首都高の「ルーレット族」とは一体何だったのか?

首都高 辰巳ジャンクション

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80年代頃から2000年代にかけて「ルーレット族」による暴走行為が問題になっていました。2017年現在は取締りの強化、チームの解散などもあり、下火にはなっている状況といえます。このルーレット族について考えます。
Chapter
ルーレット族とは?
警察による取り締まりにより減少?
若者のクルマ離れも要因か?!
走り屋カルチャーを駆逐した「ICTツール」

ルーレット族とは?

一般的に有名なのは、首都高速都心環状線を周回する、というものです。関西地方では阪神高速1号環状線など、高速道路をステージとしています。

関東のグループは、金曜もしくは土曜の夜に、芝浦、辰巳、箱崎などのPAを起点に周回をスタートする、といった戦法です。それゆえに、深夜の首都高PAの駐車場が一杯になるなど、一般車の利用に影響が出るという問題が生まれました。

複数台で都心環状線を周回(あるいは一周)する間に、法定速度を超えてレースまがいの走行をする暴走行為は、「違法競争型暴走族」と呼ばれるのだとか。

※これは明確な違法行為であり、本記事もこれを推奨するものではありません。

警察による取り締まりにより減少?

ある都心環状線では、法定速度で走ると20分ほどかかるルートを彼らは1周を4分~6分で走行していたそうです(場所によって、200km/hを超えていることも)。

走っている車両は、シビックやインテグラ、RX-7、GT-Rなどが多く見られました。東京に限らず環状線はカーブが多く、道幅も狭いため、比較的小排気量のクルマで乗り込む者が多かったといえます。一方、直線が多い湾岸線には、スープラをはじめ大型のクルマが多く出没しました。

映画「首都高トライアル」、ゲーム「首都高バトルシリーズ」など、コンテンツビジネスにも影響を与えています。

このルーレット族は、ニュースでも社会問題として取り上げられていました。また前述のように一般車のPA利用にも問題が発生。警察は本気で取り締まりを行うようになり、対策として土曜日の深夜や年末年始の一部PAを利用制限したり、ビデオカメラを用いた監視や取り締まりなどを強化しました。

警視庁の発表では、こうした取り締まりによって、首都高のルーレット族は、全盛期(バブル期〜平成初頭といわれています)の10分の1以下に減少したようです。

若者のクルマ離れも要因か?!

また、若者のクルマ離れも要因といえそうです。

メーカーは、90年代ほど若者向けのスポーツモデルをリリースしなくなり、2009年より実施されたエコカー補助金(スクラップインセンティブ)で、多くのスポーツカーは廃車、さらに車齢13年を越えた車は増税されるなど、過去のスポーツカーは何かと生き抜き難い時代になっています。

こうした状況は、少子化と価値観…若者カルチャーの変化に要因があるといえるでしょう。

走り屋カルチャーを駆逐した「ICTツール」

また、平成の不況を経て、維持費のかかるクルマを持つことに魅力を持つ若者が減っていることも挙げられます。ライフスタイルの多様化とICTの発達で、スマートフォンなど情報ツールに対してのコストを若者が優先するようになったのかもしれません。

この情報ツールは、SNSをはじめ、多くの繋がりを作れることから、”クルマによる繋がりやアクティビティ”に以前ほどプライオリティが置かれなくなったともいえます。
若者のクルマ離れは寂しいところもありますが、ルーレット族のような走り方は明らかな違法行為です。

もしも自分の車の性能を試したいのであれば、全国のサーキットで開催されている走行会などへの参加をおすすめします。一般公道では安全な運転を心がけたいものですね。
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