ワクワクする運転の愉しさを実現するために...スバル・インプレッサのパワートレインを紹介!【プロ徹底解説】

スバルインプレッサ

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スバルの主力モデルのひとつとなるのがインプレッサです。その最新モデルが2023年春より発売されています。最新モデルに搭載されているパワートレインは、どのようなモノなのか。また、走りを支えるプラットフォームの内容などを解説します。

 文・鈴木 ケンイチ/写真・PBKK

鈴木 ケンイチ

モータージャーナリスト。新車紹介から人物取材、メカニカルなレポートまで幅広く対応。最近は新技術や環境関係に注目。年間3~4回の海外モーターショー取材を実施。レース経験あり。毎月1回のSA/PAの食べ歩き取材を10年ほど継続中。日本自動車ジャーナリスト協会(AJAJ)会員 自動車技術会会員 環境社会検定試験(ECO検定)

鈴木 ケンイチ
Chapter
2つのパワートレインと2つの駆動方式
2リッターのハイブリッド
進化したガソリン・エンジン
プラットフォームと制御の進化
エアロダイナミクスの進化

2つのパワートレインと2つの駆動方式

新型インプレッサに搭載されているパワートレインは2種類あります。メインとなるのは3グレードのうち、2グレードに搭載されるハイブリッド「e-BOXER」です。これは、2リッターの水平対向直噴エンジンにモーターと駆動用の二次電池を組み合わせたもの。そして、もうひとつがガソリン・エンジンの2リッターの水平対向直噴エンジンです。
今回の新型インプレッサには、ハイブリッド車とガソリン・エンジン車のどちらにも、前輪駆動車(FWD)と四輪駆動車(すばるは4WDではなく、AWDと表記しています)が用意されているのも特徴です。

つまり、2つのパワートレインそれぞれに2つの駆動方式があることになり、合計で4種類がラインナップされています。

2リッターのハイブリッド

スバルのハイブリッドは「e-BOXER」と呼びます。特徴はスバル独自のCVT「リニアトロニック」の内部にモーターを配置していること。四輪駆動とする場合は、ドライブシャフトを用いて後輪を駆動します。つまり、縦置きの水平対向エンジンがあり、その後ろにCVTのリニアトロニック、そこからドライブシャフトが後輪に伸びているというレイアウト。このハイブリッドのレイアウトは通常のエンジン車と同じになっているのが特徴です。
インプレッサの「e-BOXER」に使われるエンジンは、2リッターの水平対向4気筒直噴DOHCであり、型式は「FB20」。最高出力は107kW(145馬力)、最大トルクは188Nm。モーター出力は10kW(13.6馬力)、最大トルク65Nm。二次電池はリチウムイオン電池で、4.8Ahの容量となります。燃費性能は前輪駆動車で16.6km/l(WLTCモード)、四輪駆動車で16.0km/l(WLTCモード)です。

先代モデルから、直噴エンジンはオイルパンアッパーの剛性を高めることで振動と騒音を低減。また、エンジンマウントに高剛性液体封入式を採用、さらにCVTのリニアトロニックにも改良を施して、振動と騒音を小さくしています。

進化したガソリン・エンジン

ガソリン・エンジンもハイブリッドと同じ、2リッターの水平対向4気筒直噴DOHC「FB20」型エンジンが搭載されています。ただし、スペックは異なり、こちらは最高出力113kW(154馬力)、最大トルク193Nmで、ハイブリッドよりもパワフルな設定です。

先代モデルに搭載されていたときよりも細かな改良が加えられており、燃費向上と振動・騒音の低減が図られています。
CVTのリニアトロニックは、専用トルクコンバーターを新開発。また、前輪駆動車用のリニアトロニックも新開発されています。

エンジン車の燃費性能は前輪駆動車で14.0km/l(WLTCモード)、四輪駆動車で13.6km/l(WLTCモード)となります。

プラットフォームと制御の進化

車の土台となるプラットフォームは、「SGP(スバルグローバルプラットフォーム)」を採用。ボディの骨格を先に作ってから外板パネルを溶接するフルインナーフレームの採用や、構造接着剤の使用拡大、サスペンション取付部の剛性向上などを実施。ボディ剛性を高めることで、操縦安定性を高めるだけでなく、質感の高いフラットな乗り心地も実現しています。
また、四輪駆動の制御に新方式を採用。車体の横滑り角を制御に使用することで、滑りやすい雪道などでも、タイヤのグリップが感じやすく、自然な運転感覚が得られるようになっています。また、ガソリン・エンジン車のAWD制御も改良を加え、操舵初期応答性を向上。滑りやすい路面でのコントロール性がアップしています。

エアロダイナミクスの進化

新型インプレッサでは、スバルの他車種であるWRX S4やBRZで培われた空力制御技術が多数採用されました。

それが、グリル内のラジエター上側へのエアガイド追加、マッドガードへのエアスリットの追加、ドアミラーの形状最適化、ルーフスポイラー側面とボディパネルとの分割部にリップを採用、カバーサポートクロスメンバーの新規採用、床下アンダーカバーの面積と平面部を拡大です。これにより空気抵抗が削減され、燃費向上に貢献します。また、エンジンアンダーカバーへのビード形状・空力テクスチャーの採用により操縦安定性が向上しています。

 
新型インプレッサの価値のひとつが「いつまでも、どこまでも運転したくなるようなFUNな走り」です。その走りを支えるのが、パワートレインであり、プラットフォームや四輪制御、エアロダイナミクスです。そのどれもが先代モデルに対して細かな改良が加えられています。

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