日産セレナはどれだけ進化したのか?パワートレインと運転支援機能の進化に注目!【プロ徹底解説】

日産セレナ

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日産の人気ミニバンであるセレナが、2022年11月にフルモデルチェンジを果たしました。新型モデルは、どれだけ進化したのでしょうか。そこで先代モデルと新型モデルを比較して、どれだけ変わったのかを解説します。

文・鈴木 ケンイチ/写真・PBKK

鈴木 ケンイチ

モータージャーナリスト。新車紹介から人物取材、メカニカルなレポートまで幅広く対応。最近は新技術や環境関係に注目。年間3~4回の海外モーターショー取材を実施。レース経験あり。毎月1回のSA/PAの食べ歩き取材を10年ほど継続中。日本自動車ジャーナリスト協会(AJAJ)会員 自動車技術会会員 環境社会検定試験(ECO検定)

鈴木 ケンイチ
Chapter
脈々と受け継がれる「BIG」「EASY」「FUN」の特徴
先代から新型になってサイズはどうなったのか
パワートレインと走行性能は
先進運転支援システムの内容は

脈々と受け継がれる「BIG」「EASY」「FUN」の特徴

新型セレナは、「BIG」「EASY」「FUN」という歴代セレナが培ってきた特徴を継承し、その上に最先端の技術を採用したところが特徴となります。最先端の技術というのは、先進の運転支援システムである「プロパイロット2.0」であり、第2世代に進化したハイブリッド「e-POWER」となります。また、車酔いを軽減するために採用された数多くの技術も、最先端技術のひとつと言えるでしょう。
では、先代モデルの特徴はどうであったかといえば、実は新型セレナとあまりかわっていません。やはり「BIG」「EASY」「FUN」を継承しながら、その時代の最先端技術を採用しているのが特徴となっていました。先代モデルの技術的なトピックは、ハイブリッドである「e-POWER」の採用と、先進運転支援システム「プロパイロット」の採用です。

つまり、新型セレナは先代と同じコンセプトを守りつつ、それを正常進化したモデルと言っていいでしょう。

先代から新型になってサイズはどうなったのか

新型セレナの特徴のひとつ「BIG」は、広々とした室内空間を示します。そのサイズは、先代と新型ではどれだけ違っているのでしょうか。
まずは、車全体の寸法を比較すると、先代モデルは全長4685×全幅1695×全高1865mmで、新型は全長4690×1695×全高1870mmとなります。比較すれば違いは、全長で5mm、全幅は同じ、全高が5mmだけ。ほとんどボディサイズは変化していないと言っていいような小さな差となります。
室内寸法はどうかといえば、先代は室内長3170×室内幅1545×室内高さ1400mmで、新型は室内長3145×室内幅1545×室内高1400mm。こちらも寸法は、室内長が25mmだけ短くなっていますが、その差は、外寸法と同じくあまり変わっていないと言えるでしょう。

パワートレインと走行性能は

パワートレインの進化は、新型セレナの特徴のひとつ。特にハイブリッドとなる「e-POWER」は第2世代の新しいものが搭載されています。ちなみに日産の「e-POWER」はシリーズ式と呼ばれる方式で、エンジンで発電し、その電力でモーター駆動します。駆動はモーターのみというのが特徴です。
その先代の「e-POWER」は、1.2リッター・エンジンで発電し、最高出力100kW(136PS)・最大トルク320Nmのモーターで駆動するという内容でした。燃費性能は最高18.0km/l(WLTCモード)です。それが、新型になると、発電用のエンジンは1.4リッターに排気量をアップ。

発電量が大きくなったことで、モーターのパワーは最高出力120kW(163PS)・最大トルク315Nmに。トルクは若干減りましたが、最高出力は20kW(33PS)もアップしています。そして燃費性能も最高20.6㎞/l(WLTCモード)にまで向上しました。パワーアップしながら、燃費性能までを向上させるほど進化しています。
一方、エンジン車グレードに搭載されるエンジンは先代も新型も同じMR20DDという型式のもの。最高出力110kW(150PS)・最大トルク200Nmというスペックも同じです。

ただし、先代にはあったマイルドハイブリッド方式が新型では不採用になっています。そのため、燃費性能では、グレードごとの最高値は先代の13.2km/l(WLTCモード)から新型13.4㎞/l(WLTCモード)に、わずかに高まりましたが、逆にグレードによっては新型の方が若干悪化しているものも。4WDモデルでは、先代の11.8km/l(WLTCモード)から新型11.6km/l(WLTCモード)になってしまいました。

先進運転支援システムの内容は

先進の運転支援機能に関していえば、新型セレナは最新の「プロパイロット2.0」が採用されているのが大きなトピックとなっています。これは、高速道路上でアクセル/ブレーキ/ステアリングを「プロパイロット2.0」がサポートするという機能で、条件さえ整えば、運転手はハンドルから手を離すことも可能です。それだけ高性能な運転支援システムとなります。
一方、先代モデルでは、ひとつ下の「プロパイロット」を採用したのがトピックです。こちらも高速道路でアクセル/ブレーキ/ステアリングをサポートしますが、手離しまでを許容するものではありませんでした。

ただし、新型セレナでも「プロパイロット2.0」を搭載するのは、最上級グレード「LUXION(ルキシオン)」のみ。他のグレードでは、先代と同じ「プロパイロット」だけとなります。そういう意味では、大多数のグレードでは、先代との運転支援システムの内容は、それほど変わってないとも言えます。
昨年11月に登場したばかりの新型セレナの内容を先代モデルと比較してみました。新型でトピックとなった先進運転支援システム「プロパイロット2.0」は確かに、内容的に進化していますが、実のところ大多数のグレードでは、先代と同じ「プロパイロット」が搭載されています。もうひとつの新型モデルの特徴であったハイブリッド「e-POWER」の進化は、はっきりと大きなものでした。狙うのであればハイブリッドモデルということでしょう。
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