ライバル比較!トヨタ クラウン(クロスオーバー)VS日産アリア&マツダCX-60【プロ徹底解説】

クラウン/アリア/CX-60

※この記事には広告が含まれます

トヨタの新型クラウン(クロスオーバー)と同価格帯となるライバルとなるのが日産アリアとマツダCX-60です。3台のスペックを比較してみました。

文・鈴木 ケンイチ/写真・PBKK

鈴木 ケンイチ

モータージャーナリスト。新車紹介から人物取材、メカニカルなレポートまで幅広く対応。最近は新技術や環境関係に注目。年間3~4回の海外モーターショー取材を実施。レース経験あり。毎月1回のSA/PAの食べ歩き取材を10年ほど継続中。日本自動車ジャーナリスト協会(AJAJ)会員 自動車技術会会員 環境社会検定試験(ECO検定)

鈴木 ケンイチ
Chapter
新型クラウン(クロスオーバー)と同価格帯のライバルとは
3車のコンセプトの違い
3車それぞれとなるパワートレイン
3車のサイズはどれだけ違うのか?

新型クラウン(クロスオーバー)と同価格帯のライバルとは

新型クラウン(クロスオーバー)は、2.5リッターのハイブリッドが435~570万円、パワフルな2.4リッターのハイブリッドが605~640万円という価格帯となります。400~600万円という価格帯の日本車のSUVとなると、539万円の日産のアリアB6、505万4500円~547万2500円のマツダVC-60 XD-HYBRIDがあります。

3車のコンセプトの違い

新型クラウン(クロスオーバー)のスタイルは、クロスオーバーの名の通り、セダンとSUVの中間的なもの。最大21インチもの大径タイヤを装着した力強い踏ん張り感と、クーペのようなルーフラインを備え、流麗さとダイナミックさを両立しているのが特徴です。走りとしては、トヨタのフラグシップにふさわしい品格と快適な乗り心地がコンセプトとなっています。
日産アリアは、新時代の日産を象徴するクロスオーバーEVです。日産の新しいデザインランゲージと、日産の先進技術「ニッサン インテリジェント モビリティ」を融合させて生まれました。完全なるモーター駆動のEVで、現在は、その第一弾となるFFモデルのアリアB6が販売されています。4WDモデルも、近く発売が予定されています。
マツダCX-60は、マツダが「ラージ商品群」と呼ぶ最初のモデルとなります。その特徴は、FRプラットフォームを採用していること。これまでのFFプラットフォームは「スモール商品群」と呼び、CX-60は従来のマツダ車よりも格上の存在として登場しました。エンジンは、2.5リッターの4気筒ガソリン、3.3リッターの直列6気筒ディーゼル、3.3リッターの直列6気筒ディーゼル・マイルドハイブリッド、2.5リッター4気筒ガソリンのプラグインハイブリッドが用意されます。その中で3.3リッターの直列6気筒ディーゼル・マイルドハイブリッドがクラウン(クロスオーバー)の同価格帯になります。

3車それぞれとなるパワートレイン

クラウン(クロスオーバー)には2つのパワートレインが用意されています。システム最高出力172kW(234PS)の2.5リッターハイブリッドと、システム最高出力257kW(349PS)の2.4リッターターボデュアルブーストハイブリッドです。燃費性能は2.5リッターが22.4km/l(WLTCモード)、2.4リッターが15.7km/l(WLTCモード)。どちらもハイブリッドであり、かつ後輪をモーターで駆動する4WDというのが特徴です。
日産アリアB6は、前輪駆動(FF)のEVです。搭載するモーターは最高出力160kW(218PS)・最大トルク300Nm。66kWhのリチウムイオン電池を搭載しており、一充電走行距離は470km(WLTCモード)となります。
マツダCX-60 XD-HYBRIDのパワートレインは、3.3リッターの直列6気筒ディーゼル・エンジンに48Vマイルドハイブリッドシステムを追加したものとなります。そのスペックは、最高出力187kW(254PS)・最大トルク550Nm。燃費性能は21.1km/l(WLTCモード)となります。
3車のパワートレインは、クラウン(クロスオーバー)がガソリン・エンジンのハイブリッド、アリアがEV、そしてCX-60がディーゼル・エンジンの48Vマイルドハイブリッドと、三者三様です。スペックを見比べると、クラウン(クロスオーバー)のパワーと燃費の良さが抜け出ます。また、CX-60の大きなトルクと燃費性能も魅力的でしょう。アリアの場合、今後登場する4WDモデルが本命となるのではないでしょうか。

走り味で言えば、クラウン(クロスオーバー)は、トヨタのハイブリッドらしいスムーズさが特徴です。また、ゆったりとした動きで乗り心地が良いのも魅力。アリアは、EVならではの力強くスムーズな独特の加速感が味わえます。キビキビとした軽快な動きも特徴です。CX-60は直列6気筒エンジンならではの気持ちの良いエンジン・サウンドとビートが楽しめます。また、大型SUVでもマツダ車に共通の人馬一体感が味わえるのも魅力。運転が楽しくなる車でした。

3車のサイズはどれだけ違うのか?

最後に3台の大きさを比較してみましょう。クラウン(クロスオーバー)は、全長4930×全幅1840×全高1540mm。装着ホイールは19インチ、もしくは21インチ。アリアは、全長4595×全幅1850×全高1655mm。装着ホイールは19インチ。そしてCX-60は全長4740×全幅1890×全高1685mm。装着ホイールは18インチ、もしくは20インチ。

最も全長が長いのがクラウンで、全幅と全高はCX-60が最大となります。アリアは最も全長が短く、全幅と全高は他2モデルの中間となります。印象で言えば、背が高く幅のあるCX-60が最も大きく感じるはず。次に全長のあるクラウン(クロスオーバー)、そしてアリアが最も小さく感じることでしょう。



新型クラウン(クロスオーバー)とアリア、CX-60は価格帯こそ近いものの、パワートレインは見事なまでに異なる内容でした。走り味も三者三様。実車に触れて試乗してみれば、性格付けがはっきりと異なるため、3車の中から好みのあうものを選ぶのは、意外と簡単なのではないでしょうか。
【お得情報あり】CarMe & CARPRIMEのLINEに登録する

商品詳細