四駆についてる「トランスファースイッチ」って何を切り替えているの?

トランスファースイッチ

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スズキの新型ジムニーなど、一部の4WD車の中には、トランスファースイッチと呼ばれる装備がシフトレバー周辺に備えられていることがあります。

SUVなどに乗り慣れていなければほとんど見ることがない装備ですが、トランスファースイッチは一体何を切り替えるためのスイッチなのでしょうか。

吉田 恒道|よしだ つねみち

1980年代、大学卒業後ファッション・モード専門誌「WWD Japan」編集部勤務を皮切りに編集者としてのキャリアを積む。その後、90年〜2000年代、中堅出版社ダイヤモンド社の自動車専門誌・副編集長に就く。以降、男性ライフスタイル誌「Straight’」(扶桑社)など複数の男性誌編集長を歴任し独立、フリーランスのエディターに、現職。著書に「シングルモルトの愉しみ方」(学習研究社)がある。

吉田 恒道
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駆動方式を切り替えるスイッチ

駆動方式を切り替えるスイッチ

四駆、つまり4WDの車に装備されているトランスファースイッチとは、機械式の副変速機の駆動方式を切り替えるためのスイッチです。

そもそも、4WDといっても1種類ではなく、大きく分けてフルタイム4WDパートタイム4WDの2種類に分けることができます。

フルタイム4WDは、現在販売されている4WDモデルの多くに採用されている方式であり、常に四輪すべてにエンジンの動力を伝えながら走行しています。
一方、ジムニーなどの一部モデルに採用されているパートタイム4WDでは、常時4WDで走行するわけではなく、2WDへの切り替えも可能です。この切り替えを行うためのスイッチがトランスファースイッチなのです。

クロカンもこなすようなパートタイム4WDの場合、堅牢なラダーフレーム、悪路の走破に高い信頼性を持つリジットアクスル式サスといった装備によって、4WD走行をしていると、コーナリング時にフロント/リアタイヤ間で回転数に差が発生する、タイトコーナーブレーキング現象が起きる傾向にあります。

そのため、街乗りや車庫入れ、高速道路を走行するような日常的なシチュエーションでは2WDに切り替えることで、この現象を回避しているのです。
また、トランスファーを用いることでギア比を下げ、駆動力を上げることも可能です。

ジムニーには2WD走行の2Hと4WD高速ギアに加え、4Lという4WD低速ギアが設定されており、ぬかるみや急登坂・急勾配を踏破するための駆動力を必要とする場合に活躍します。

このようにトランスファースイッチは、悪路走破性に優れるとされるクロカンSUVと呼ばれる車にとっては重要な装備なのです。
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