ナンバープレートに赤い斜線の意味は?仮ナンバーの用途と取得条件【2025年最新】

仮ナンバー

※この記事には広告が含まれます

道路を走っていると、まれにナンバープレートに赤い斜線が入った車を見かけることがあります。そのプレートは通常のナンバープレートとはひと味違い、よく見るとひらがなや分類番号が無かったり、地域名の表記も普段と異なっています。明らかに私たちが日頃目にする一般的なナンバープレートとは異なるこの「赤斜線ナンバー」、いったい何の目的でどんな車に使われているのでしょうか?

本記事では、赤い斜線入りのナンバープレート(通称「仮ナンバー」)について2025年最新情報を踏まえて解説します。豆知識も交えながら、仮ナンバーの意味や使い方、取得条件などをゆっくり丁寧に見ていきましょう。

CARPRIME編集部

クルマ情報マガジン CARPRIME[カープライム]を運営。
「カーライフを楽しむ全ての人に」を理念に掲げ、編集に取り組んでいます。

CARPRIME編集部
Chapter
この記事のポイント
赤い斜線の入ったナンバープレートはどんなクルマが付けているのか?
仮ナンバーを利用するための条件と注意点
仮ナンバーには種類がある!? 一般用とディーラーナンバーの違い
旧車イベントで見かけるワケ
まとめ

この記事のポイント

  • 赤い斜線入りナンバーは正式名称「自動車臨時運行許可番号標」で、臨時に公道走行を許可された車に交付される仮のナンバープレート
  • 車検切れ車や未登録車などを一時的に移動する場合に限り使用が認められ、通常のナンバーが無い車でも公道を走行できるようにする制度
  • 仮ナンバーは市区町村役場で申請し、一時的に貸し出される(取得には必要書類と手数料が必要)
  • 仮ナンバーには一般向け(赤斜線)と業者向け(赤枠・ディーラーナンバー)の2種類が存在する

赤い斜線の入ったナンバープレートはどんなクルマが付けているのか?

まず、この赤い斜線入りのナンバープレートの正体は「仮ナンバー」と呼ばれるものです。正式名称を自動車臨時運行許可番号標といい、役所で交付される許可証とナンバープレート(仮ナンバー)がセットになっています。また、おもに車検が切れていたり、登録を抹消してナンバーが付いていない車両を一時的に公道で運行する際に使われます。

具体的な利用シーンとしては、例えば次のようなケースです。
  • 車検切れの車両が継続検査(車検)を受けるために、工場や運輸支局まで自走していく場合
  • 未登録の新車・中古車が新規登録や新規検査を受けるために、運輸支局まで運搬する場合
  • 車検切れや登録抹消された車両を販売・譲渡する際、整備工場で修理・整備した上で新しい所有者に引き渡すために回送する場合
  • ナンバープレートを紛失・盗難された車両が、新しい番号標を再交付してもらうために運輸支局へ行く場合

上記のような状況では、たとえ車検切れで通常は走れない車両でも仮ナンバーを取得すれば公道を走行して目的地まで移動することが可能です(ただし走行可能な経路や期間には制限があります)。

仮ナンバーを使うことでレッカー車を手配せずに自分で運転して車検場や工場に車を持ち込めるというメリットもあります。

仮ナンバーを利用するための条件と注意点

仮ナンバーを使用するには所定の条件を満たして正式な申請手続きを行う必要があります。申請は車両を使用する地域の市区町村役場(市役所や区役所)で受け付けており、交付にはいくつかの書類提出が求められます。

具体的には車両を確認できる書類(車検証や登録抹消証明書など)や自賠責保険証明書(運行期間が有効なもの)、印鑑、運転免許証などの身分証、そして手数料(約750円)が必要です。

申請時には、臨時運行させる車両の目的地経路も届け出なければなりません。許可された経路および期間以外で仮ナンバーを使用することはできず、もし届け出た経路から外れて走行すると道路交通法違反となります。実際に仮ナンバー車がイベント参加中に摘発された例もあるように、許可条件から逸脱すれば処罰される可能性があります。

仮ナンバーはあくまで緊急かつ一時的な措置であり、整備・検査などやむを得ない事情の場合のみに利用できる制度です。そのため、車検切れの車を日常的に使いたいとか未登録車をイベント展示のため会場へ運びたいといった目的では許可されません

また、有効期間は最大でも5日間程度と定められています。使用後は交付元の役所にナンバープレートと許可証を有効期限から5日以内に返却しなければなりません。万が一、仮ナンバーのプレートや許可証を紛失した場合は警察署への遺失届提出後に役所へ届け出を行い、数千円程度の弁償金が課されます。

仮ナンバーには種類がある!? 一般用とディーラーナンバーの違い

上述の仮ナンバー(白地に赤斜線入り)は個人が一時的に借り受けるものですが、実はもう一種類「回送運行許可番号標」と呼ばれるディーラーナンバー(赤枠仕様)も存在します。

こちらは自動車販売店や整備工場などの自動車関連業者が取得・管理し、在庫車の回送や納車・引取など頻繁な車両移動に利用する仮ナンバーです。通常の仮ナンバー(白地に赤斜線)は1台の車両で1回の運行にのみ有効なのに対し、ディーラーナンバーは1回の許可で複数の車両・運行に使用可能となっている点が大きな特徴です。

このディーラーナンバー制度は、毎回役所に臨時運行許可を申請する手間を省く目的で設けられたもので、頻繁に車を動かす業者への「救済措置」とも言えます。ただしディーラーナンバーを取得するには厳しい基準があり、例えば関東運輸局管内では「直近3ヶ月の自動車販売台数が36台以上」といった条件を満たす必要があります。このように一定の要件をクリアした事業者に対してのみ、継続利用できる仮ナンバーが貸与される仕組みです。

なお、私たち一般ドライバーでもうっかり車検が切れてしまうケースが起こり得ます。車検証の電子化により車検の期限を見落としやすくなっているため、つい更新を忘れてしまうリスクも高まっています。その際はこの仮ナンバー制度を活用すれば自走で車検場や工場へ持ち込んで手続きを行うことができます。

旧車イベントで見かけるワケ

スカイライン ケンメリ 旧車

スカイライン ケンメリ 旧車

旧車や長期保管車は、車検が切れている・一時抹消しているといった事情から、そのままでは公道を走れません。そこで整備・検査・登録など正当な目的の「移動」に限って臨時運行の許可を得て、会場近くの整備工場運輸支局との行き帰りの区間で仮ナンバーを使うことがあります。

結果として、イベント当日や前後の時間帯に会場周辺道路で赤い斜線プレートを見かけやすいのです。

仮ナンバーは、許可証に記載された期間・目的・経路に合致する移動でのみ有効です。たとえば「保管場所→整備工場→車検場→保管場所」といった直線的な行程が基本で、会場内を回遊する・展示列に並ぶ・パレード周回するといった“イベント参加そのもの”は対象外。許可の趣旨を外れると違反になるおそれがあります。

まとめ

赤い斜線入りナンバーの正体は、自動車臨時運行許可番号標(仮ナンバー)。

車検切れや未登録など「いまは通常ナンバーで走れない」車を、検査・登録・整備といった正当な目的に限って短期間だけ公道へ出せる“例外の鍵”です。申請は市区町村で行い、自賠責の有効化・経路と期間の申告・使用後の返却が絶対条件。許可外の回り道やイベント利用は違反になり得ます。似て非なる赤枠のディーラーナンバー(回送運行許可)は、厳しい要件を満たした事業者向けの継続的制度で、個人の臨時運行とは別物です。

つまり、赤い斜線を見かけたら「登録・検査へ向かう途中なんだな」という合図。もし自分が使う立場になったら、目的の正当性・書類・保険・返却の4点をきっちりそろえる——それが2025年の正しい使い方です。知っていれば不安も誤解も減り、道路でのマナーと安全が一段と高まります。
【お得情報あり】CARPRIMEのLINEに登録する

商品詳細