頭文字Dでハチゴーはなぜバカにされたのか…?ハチロクとの違いとは?

ハチゴーはなぜ馬鹿にされたのか

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しげの秀一氏の手によって連載されていた人気漫画『頭文字D』。

公道最速を目指す若者と刺激的なスポーツモデルが多数登場する同作品では、登場人物の一人である武内樹の愛車・ハチゴー(AE85)が馬鹿にされるシーンが描かれています。

ではなぜハチゴー(AE85)は馬鹿にされてしまったのか?ハチロク(AE86)との違いは何なのか?今回はその理由に迫っていきましょう。

吉田 恒道|よしだ つねみち

1980年代、大学卒業後ファッション・モード専門誌「WWD Japan」編集部勤務を皮切りに編集者としてのキャリアを積む。その後、90年〜2000年代、中堅出版社ダイヤモンド社の自動車専門誌・副編集長に就く。以降、男性ライフスタイル誌「Straight’」(扶桑社)など複数の男性誌編集長を歴任し独立、フリーランスのエディターに、現職。著書に「シングルモルトの愉しみ方」(学習研究社)がある。

吉田 恒道
Chapter
ハチゴーはハチロクの廉価版だった
ハチゴーとハチロクの大きな違いは搭載するエンジンにあり
エクステリアとインテリア、装備の細かな違いをチェック!

ハチゴーはハチロクの廉価版だった

※上記写真はAE86

ハチロクはクルマ好きのバイブルとも呼べる不朽の名作『頭文字D』に主人公・藤原拓海の愛機として登場し、RX-7(FD3S)やスカイラインGT-R(R32)といった高性能スポーツカーを相手にバトルを繰り広げました。

現実でもレーシングドライバーである土屋圭一氏の愛車としても知られるAE86型スプリンタートレノ、いわゆる”ハチロク”は、中古車価格もプレミアが付いている人気のモデルです。

一方、頭文字D劇中で藤原拓海の同級生である武内樹が購入したのは、1983年式 前期型のAE85でした。

こちらは、ハチロクがAE86という型番からそう呼ばれたのと同様に、ハチゴーもAE85という型番からそう呼ばれています。

頭文字D Vol.28「友情パワー レビン激走!!」にて、走り屋3人組にハチゴーが馬鹿にされるシーンが描かれていますが、これはハチゴーがハチロクの廉価版として認知されていたため

さらに、漫画内で描かれた武内樹のハチゴーはその時、何のパーツ換装もされておらず、チューニングも施されていない至ってノーマルな車両でした。

その結果、馬鹿にされてしまったのです。

ハチゴーとハチロクの大きな違いは搭載するエンジンにあり

ハチゴーとハチロクは、前述した通り車両型式番号の一部が共通する、いわば同じクルマのグレード違い。いくらハチゴーがハチロクの廉価版だったとはいえ、基本的なデザインや構造自体はかなりの部分が共通しています。

とはいえ、両者には各装備や性能に大きな差があり、その最たるものが搭載されていたエンジンです。

スポーツモデルであるハチロクに搭載されていたエンジンは、当時最新鋭であり現在でも名機と名高い4A-G型エンジンこれは2T-G型の後継エンジンとして開発されたエンジンであり、1.6Lの水冷直列4気筒DOHCエンジンでした。
基本的な構造の見直しにより約30キロの軽量化に成功したうえ、ポート噴射式EFI-Dといった新機構を採用することで、最高出力は130psにも達しました。

一方ハチゴーに搭載されていたエンジンは、3A-U型エンジン。こちらは、1.5L のシングルキャブ方式SOHCエンジンで、130psを発揮したハチロクの4A-G型と比較すると、3A-U型エンジンは最高出力85psと、とても比較にならないほど非力なエンジン性能なのです。

エクステリアとインテリア、装備の細かな違いをチェック!

エンジン以外にも、ハチゴーとハチロクには細かい部分で異なる点があります。

まず注目したいのが、ブレーキの仕様ハチロクはフロントにベンチレーテッドブレーキを採用していますが、ハチゴーではソリッドブレーキを採用しています。

リアを見てみると、ハチロクのグレードGT-V及び最上級グレードのGT APEXはディスクブレーキ、ハチゴーではドラムブレーキを採用していました。

さらに足回りにおいても、ハチゴーは基本的にリアスタビライザー未装着。前述したハチゴーが馬鹿にされたシーンにて、武内樹が「サスだってスカスカ」と言っていたのはこのためです。

デザインに関しては、リアのグレードを示すステッカーや、後期型に関してはフロントバンパーのコーナリングランプの色が異なるなど細かい部分に留まります。

エクステリアよりもハチゴーとハチロクで大きく異なるのが、インテリア(内装)の部分です。スポーツタイプのシートを搭載していたハチロクに対し、ハチゴーは実用的な標準シートを採用。

展開されていたグレードによっては、より華やかなイメージを追加した淡いピンクのシートなども搭載されていました。

頭文字D作中でハチゴーを馬鹿にした三人組は最初はハチロクだと思って接近、ハチゴーだと分かって馬鹿にするという流れですが、初めからハチゴーと分かっていたワケではないのは、エクステリア上で見分けることの難しさが背景にあるのです。
劇中では馬鹿にされてしまったハチゴーですが、現在はかなり希少なモデルとして中古車市場でもかなり高騰しています

今となってはハチロクと変わらないほどの値が付いているハチゴーはフルノーマルで状態が良いものともなれば、更に高額な価格になるのは想像に難くありません。

ハチロクの兄弟分であるハチゴーはハチロクとエンジンや装備などに違いはあれど、当時のクルマを語るうえで外せない存在であることは間違いないでしょう。

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