ホンダ S2000の収納を解説!気になるトランク容量は?

ホンダ S2000

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今回は、ホンダ S2000(ABA-AP2型)の収納を中心にして、利便性と快適性について説明していきます。

S2000は、2シーターのオープンスポーツカー。この手のクルマは走りに重きを置いており、それはS2000も例外ではありません。

走りを重視すると同時に、収納に関しては切り捨てている車種もあります。これは2シーターのオープンカーというボディの特性上、ある程度は仕方のないことです。

そこで、S2000の収納はどれほど備わっているのか、S2000は利便性・快適性が高いのかどうかをチェックしていきましょう。

吉田 恒道|よしだ つねみち

1980年代、大学卒業後ファッション・モード専門誌「WWD Japan」編集部勤務を皮切りに編集者としてのキャリアを積む。その後、90年〜2000年代、中堅出版社ダイヤモンド社の自動車専門誌・副編集長に就く。以降、男性ライフスタイル誌「Straight’」(扶桑社)など複数の男性誌編集長を歴任し独立、フリーランスのエディターに、現職。著書に「シングルモルトの愉しみ方」(学習研究社)がある。

吉田 恒道
Chapter
S2000の概要・性能
S2000の荷室(トランク)容量
S2000の収納関係の装備
S2000の内装関係の装備

S2000の概要・性能

収納について説明する前に、まずはホンダ S2000の概要や性能についてご紹介していきます。

S2000は、1999年に発売されたフルオープン・2シータースポーツカーです。ホンダとしてはS800以来、29年ぶりのFRレイアウトスポーツカーでした。まるでワンオフ機のような性能と特徴を誇る量産車として、世間ではもう二度とは作れないクルマという声もあります。

量産スポーツカーというのは、たいていファミリーカーなどの生産台数が多いクルマからパーツを流用してくるもの。スポーツカーはメーカーの中でも特殊な車種であり、ワゴンなどと違って精生産台数も少なくなってきます。そのため、スポーツカーを量産する場合には、他の車種では使えないようなパーツはあまり採用したくないというのが多くのメーカーの本音でしょう。

ワゴン等と違い、オープンスポーツカー向けに開発されたパーツは他には使えず、コスト増大に繋がるためです。

ところが、S2000は多くのパーツを他から流用することなく、新たに設計しています。

まず、ボディフレームです。前後2本ずつのサイドメンバーを平断面フロアトンネルを介して、クロスさせるように水平に連結しています。これに大断面サイドシルを組み合わせ、オープンボディでありながらもクローズドボディと同等以上のボディ剛性を実現しました。

特殊な構造をしているため、もちろん他のクルマにおいそれと流用はできません。

続いてサスペンションですが、これもフットワークを軽くしなやかなものにするために工夫されています。ばね下重量を低減。フェンダーラインを低くし、視界もクリアに。ここまで軽量・コンパクトさを重視しているのですが、同時に高い剛性を保つために設計されています。

さらに、エンジンも小型軽量化しつつ強度を確保するために専用パーツが使われているのです。

エンジンは専用の2L直列4気筒DOHC VTEC「F20C」を縦置き搭載。

S2000のエンジンはレスポンスの鋭さを重視してつくられた、専用設計のVTECです。DBWという、アクセルペダルの踏み込み量をセンサーが検知して理想的なスロットル制御を行うシステムも搭載されています。

これにより、高速域でダイレクトな加速感が味わえるほか、低速域ではスムーズなコントロールで快適なドライブが楽しめるようになっているのです。アクセルを踏めば即座にレスポンスが返ってくる頼もしさと、リニアなアクセルワークが魅力的。

最高出力は178kW(242PS)/7,800rpm、最大トルクは221N・m(kg・m)/6,500~7,500rpmです。スポーツカーらしく高回転域で力を発揮しますが、これはもはやレーシングエンジン並の性能と言っても良いでしょう。これだけ高回転を前提としたエンジンが量産車に搭載されることも、なかなかないのではないでしょうか。

トランスミッションは当時希少だった6速MTですし、とことん走り重視なのが伝わってきます。

それならば、やはり収納はオミットされているのでしょうか? 次項から、気になる収納や利便性・快適性について紹介していきます。

S2000の荷室(トランク)容量

ホンダ S2000のラゲッジルーム(荷室)は、2シーターオープンカーらしい容量。詳しい数値は公式に記載がありませんが、大人2名の1泊程度の旅行を想定しているとのこと。実際に見てみても、1泊2日の旅行かばんが普通に入る程度となっています。出勤・買い物程度の荷物なら、何も問題はないでしょう。

もちろん、大きいものを買いに行くなどの用途には明らかに向いていません。

そもそも2シーターという1〜2人で運用することを前提としたクルマなので、2人分の旅行カバンが入れば十分でしょう。

S2000の収納関係の装備

ホンダ S2000には、収納に関する装備がいくつかあります。

ドアには、サイドドアポケットを完備。容量はそこまで多くはないものの、小物類をスッキリと収納しておけます。見た目も中身が目立たないようになっているため、収納してもデザイン性が損なわれることはありません。

助手席の足元には、小物などをおさめられる収納ネットがあります。ネットタイプですし、足元にあるので入れるものは限られてくるでしょうが、無いよりはあったほうが断然良いでしょう。

そのうえ、運転席・助手席の両方にシートバックポケットがあります。リアシート(後席)がないので背面に手を伸ばさないと物を取ることができませんが、使用頻度が高くないもののあれば便利なものを収納しておくと良いでしょう。

さらに、センターコンソールボックスがあります。これにはカップホルダーが2つ付いており、2人乗車時にも便利に使うことが可能です。脱着式の灰皿がセットできるようにもなっているので、喫煙者も安心して煙草とドライブを楽しむことができます。

そして、運転席と助手席との間にはリアコンソールボックスも完備。キーロック機構が付いているため、トップをオープンにして席を空けていても中身が盗まれる心配はありません。走行中に開くこともないので、安全です。

上部にはアッパーボックスがあり、下部には鍵付きロアボックスがあります。アッパーボックスの容量はそこそこあり、ここが車内においてメインの収納になるでしょう。ロアボックスは容量自体はそれほどではないものの、貴重品類を一時的に入れておくには非常に便利です。

S2000の内装関係の装備

今度は、ホンダ S2000のインテリア(内装)にある利便性・快適性を向上させる装備を見ていきましょう。

まず特徴的なのは、ウインドディフレクターです。リアセンターコンソールボックスの後ろ側にあり、これが高速での風の巻き込みを低減してくれます。そのうえ、数々の風洞実験とテスト走行を重ねてデザインされたボディシェイプもS2000の特徴です。

これら二つの特徴により、フルオープンで高速走行をしていても、不快な風を感じることがありません。心地よく感じられる程度でしょう。オープンカーは開放感と爽快感が魅力ですが、不快な風の巻き込みがあると億劫になってしまいかねません。その弱点を解消することで、オープンカーとしての魅力を存分に感じやすくなっています。

そのうえ、空調システムも高性能。高い冷暖房能力を持っており、冬でも夏でも快適です。特に冬はオープンにしていると寒いという理由で億劫になることがありますが、S2000にはミドルエアアウトレットという機能があります。

これは膝や腰を集中的に暖めてくれるというものです。そのうえ、寒い季節にトップを開けていても最適な空調効果が得られる「オープンモード」まで備えています。オープンにして走ることの快適性をとことんまで重視しており、快適性はとても高いです。

そして、S2000の電動ソフトトップは頭上二ヶ所のロックを手動で解除したら、後はスイッチを押すだけの簡単操作となっています。所用時間は約6秒と、当時の基準で考えれば画期的とも言えるほど速いです。

リアウインドウは幌と一体となっていて、タイマー付き熱戦入りガラスが採用されています。これにより、後方の視界もクリアです。

ガラスは全面高熱線吸収/UVカット機能付きなので、閉めているときは紫外線・熱から身を守ることもできます。

また、オーディオにも快適性を高める工夫がされているのがポイントです。

4スピーカーに加え、運転席・助手席ヘッドレスト後方にサテライトスピーカーが搭載されています。首の後にスピーカーがあることにより、オープンで走っていて周囲の環境音・雑踏・風の音などで音が聞こえないということが発生しにくくなっているのです。
ホンダ S2000は、走りの性能を徹底的に重視した純粋なスポーツカーです。それでいて、利便性・快適性を損なわないように工夫されています。

ラゲッジルームの容量は必要にして十分。1〜2人用のクルマだということを考えれば、不便を感じることはなかなかないでしょう。室内にも各所にしっかりと収納機能が用意されています。

さらに、快適性を高めるために室内への風の巻き込みを低減するボディシェイプとディフェンダーを用意し、季節に関係なくトップを開け放つことができるよう空調もこだわる徹底ぶり。

オープン時に周囲の環境に邪魔されず楽しめるオーディオも完備されています。

ホンダ S2000は、走りだけでなく、利便性・快適性能も高いクルマだと言えるのではないでしょうか。
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