一年中つかえる?!オールシーズンタイヤとはどんなタイヤなのか?

オールシーズンタイヤ

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ここ数年は特に注目を集める、オールシーズンタイヤ。

春~秋はもちろん、冬に多少の雪が降っても履ける便利なタイヤのことです。

タイヤメーカーでもオールシーズンタイヤの販売に力を入れており、ユーザーも増えていますが、ここで改めて、オールシーズンタイヤの特徴や使用する際の注意点などをおさらいしておきましょう。

吉田 恒道|よしだ つねみち

1980年代、大学卒業後ファッション・モード専門誌「WWD Japan」編集部勤務を皮切りに編集者としてのキャリアを積む。その後、90年〜2000年代、中堅出版社ダイヤモンド社の自動車専門誌・副編集長に就く。以降、男性ライフスタイル誌「Straight’」(扶桑社)など複数の男性誌編集長を歴任し独立、フリーランスのエディターに、現職。著書に「シングルモルトの愉しみ方」(学習研究社)がある。

吉田 恒道
Chapter
オールシーズンタイヤとはどんなタイヤなの?
スタッドレスタイヤと比較して解説!オールシーズンタイヤの雪道の性能は?
サマータイヤとの性能差をチェック!
オールシーズンタイヤをおすすめするユーザー層は?

オールシーズンタイヤとはどんなタイヤなの?

オールシーズンタイヤは文字通り「全てのシーズンに対応するタイヤ」を意味しており、春夏秋だけでなく、ちょっとした雪道でも走行できるタイヤです。そのため季節によるタイヤ交換が不要で、一年を通して履き続けることが可能なのです。

オールシーズンタイヤはこれまで、国土の広いアメリカ大陸や、気候の差が大きいヨーロッパで主に使用されていました。

しかし近年になって汎用性の高さが改めて評価され、日本でもオールシーズンタイヤを販売するタイヤメーカーが増えてきたのです。

オールシーズンタイヤの特徴として、雪をグリップさせるようトレッドパターンがスタッドレスタイヤに似ている点が挙げられます。

また、オールシーズンタイヤを示すもののひとつとして「スノーフレークマーク」があります。

これは過酷な寒冷地でも十分な走行性能を発揮する証として、ATSM(米国試験材料協会)により定められた規格です。

似たようなものとして、SUV用タイヤでみられる「M+S」表記がありますが、これはメーカー側が「泥(MUD)や雪(SNOW)でも走行できる」とうたっているものなのです。

一方スノーフレークマークがついたタイヤは、チェーン規制以外の冬用タイヤ規制をされた路面でも走行可能という点が異なり、いわば「万能タイヤの証」を表しています。

スタッドレスタイヤと比較して解説!オールシーズンタイヤの雪道の性能は?

あらゆるシーズンに対応するオールシーズンタイヤですが、雪国で一般的に使用されるスタッドレスタイヤとの性能差はどの程度なのでしょうか。

結論からいうと、オールシーズンタイヤの冬道の走破性は、スタッドレスタイヤには到底及びません。

スタッドレスタイヤが雪道でグリップさせる原理はメーカーにより多少異なりますが、どのスタッドレスもサマータイヤよりも柔らかいコンパウンドでできています。柔らかいコンパウンドは雪道に加え、特に氷上で真価を発揮するのが特徴です。
オールシーズンタイヤはパターンこそスタッドレスタイヤと似たようなものですが、四季を通じて使えるようコンパウンドは硬めのものが用いられています

そのため氷には食いつきにくく、深い積雪にも対応しにくいという欠点があるのです。

汎用性の高いオールシーズンタイヤと冬道に特化したスタッドレスタイヤでは、走破性に差があるのはやむを得ないといえるでしょう。

サマータイヤとの性能差をチェック!

四季を通じて使用できるのがオールシーズンタイヤの大きな特徴ですが、雪の降らない時期のドライ・ウェット性能についてサマータイヤと比較してみましょう。

雪のない舗装路における走破性も、サマータイヤに一歩譲る形になります。積雪時と同様のことがいえますが、オールシーズンタイヤは汎用性の高さが持ち味です。

幅広い路面に対応するため、意地悪な言い方をすれば「中途半端な性能をもつ」オールシーズンタイヤは、サマータイヤほどのグリップ力は期待できません。

また、サマータイヤは高い燃費性能をもつモデルが増えているため、燃費性能もサマータイヤに軍配が上がります。

オールシーズンタイヤの絶対的性能は、夏冬それぞれの季節専用につくられたタイヤにかなわないため、性能差を理解した上で使用することが求められるでしょう。

オールシーズンタイヤをおすすめするユーザー層は?

これまで述べてきたオールシーズンタイヤの特徴を踏まえ、使用をおすすめできる具体的なユーザー層を考えてみましょう。

オールシーズンタイヤは、季節ごとにタイヤを交換する必要がないため、タイヤにお金をかけたくない方にとって、オールシーズンタイヤは有力な候補に挙げられます。

また、タイヤ交換が不要という特徴から、タイヤの保管場所が確保しづらいユーザーにとってもオールシーズンタイヤは魅力的な選択肢となるでしょう。
また、年に数回しか雪が降らない地域のユーザーにも適していると言えます。

滅多に雪が降らない地域では、降るかどうかも分からない雪に備えてサマータイヤからスタッドレスに毎年交換するのは勿体ないと感じる方も多いでしょう。

オールシーズンタイヤであれば一年中履くことができる上、万が一雪が降ったとしてもそのまま使用することができます。
ただし、オールシーズンタイヤの雪道走破性はあくまでも軽微な雪道のためのもの。本格的な雪や氷の路面で日常的に使うのは非常に困難です。

浅い雪道なら走行できるため、年に1、2回スキー場に行く程度のユーザーにもおすすめという声もありますが、雪道のコンディションは千差万別で山の天気は変わりやすいものです。

行きは大丈夫だったけど帰りは大雪が降って帰れない…という場合もありうるので、雪道を走行する機会が確実にある場合は、「安全をお金で買う」という考えでスタッドレスタイヤを選ぶのが無難でしょう。
オールシーズンタイヤは四季を通じて使用できるよう、いろいろな路面に対応させるための工夫が随所に見られるタイヤです。

夏冬それぞれの路面では、絶対的な性能こそ使用シーンに特化したタイヤにはかないません。

しかし通年履けるというメリットは何物にも代えがたいものがあり、特性を理解した上で使用すれば満足のいくカーライフが期待できるでしょう。

日本に本格導入されるようになってからは、オールシーズンタイヤも複数メーカーから選ぶことができ、タイヤサイズも年々充実しています。

この記事を読んで気になった方は、次に買うタイヤの候補としてオールシーズンタイヤを選択肢に入れても良いかもしれません。

※2021年7月現在

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