「煽られてる!」と思う前に。”煽られ運転”をしてはいませんか?

”煽られ運転”をしてはいませんか?

近年はあおり運転への関心が高まり、2020年6月には「妨害運転罪」も制定されました。

ドラレコの装着率は高まり、「煽られた!」とSNS等にドラレコの映像をアップする方も増えています。

ですが、こういった映像の中には、後続車に迷惑をかけている「煽られ運転」も存在しているのです。

一体どういった運転が該当するのか、詳しくチェックしていきましょう。

Chapter
煽られる側にも原因がある!?
追いつかれた車両に対しても義務が定められている!
「煽られ運転」につながりやすい2パターンをチェック!
サンキューハザードで感謝や謝罪の意思表示をしよう

煽られる側にも原因がある!?

あおり運転を語る前に、「煽られる側」にも問題があるかもしれないということを頭に入れておく必要があるでしょう。

最初から先行車を煽る目的でぐいぐいと距離を詰めてくるようなドライバーは除くとしても、自分でも気が付かない内に煽られる原因を作ってしまっているかもしれないということを認識しておかなればなりません。

例えば、自分よりも速度を出して走行しているクルマの前に急な車線変更で進路を塞いだり、高速道路の追い越し車線を100km/h以下でのいつまでも走っていれば、交通を円滑にするという観点から見れば、それは明らかに迷惑となる行為。

煽り運転の是非を問う前に、周囲のクルマから睨まれても仕方ない運転の仕方なのです。

自動車を運転する上で最も大切なことは安全を守ることですが、それと同じくらい大切なのが、自分も周りのドライバーもストレスを感じないような運転を心がけること。

それが徹底されていれば、結果的に事故や煽り運転の発生も減らすことができるのです。

追いつかれた車両に対しても義務が定められている!

クルマを運転していて速度が早い後続車に追いつかれた場合、慌てず騒がず車線を変更して道を譲るのが得策です。

もちろん、車間距離をことさら詰める=煽り運転は違法行為に当たりますが、実は道を譲らない運転というのも違法行為とされるケースが存在しています。

まず1つめのケースとして、自分が法定速度未満で走行している場合

2つ目のケースは、後続車が自分の運転するクルマを追い越そうとした時、加速する行為

上記2つのケースはどちらも、自分も後続車も制限速度を守った走行をしていることが前提ですが、1つ目はいわば遅すぎるノロノロ運転で、2つ目は追い越しを意図的に邪魔する行為を禁じたものです。

これらは道路交通法27条第2項によって定められているものであり、制限速度内であっても過剰な安全運転は交通の流れを乱し、悪意のある追い越しの妨害は危険な行為であることを覚えておかなくてはなりません。

「煽られ運転」につながりやすい2パターンをチェック!

追い越し車線をふさぎ続ける

追い越し車線をふさぎ続ける行為は、特に高速道路を走るドライバーにとっては非常に迷惑な行為です。制限速度を守って走っているのだから問題ないだろうと思っている方も多いかもしれませんが、追い越し車線をノロノロと走る行為は交通渋滞の元凶です。
急いでいるドライバーの時間を奪い、車線変更における計器操作という運転リスクを与えていることを理解しなければなりません。
しかも、これは実は立派な違法行為。通行帯違反と呼ばれる違反行為であり、高速道路上における取締件数では速度違反とシートベルト未装着に次いで3位。年間では、何と約8万5千人にも及ぶ件数が報告されています。ちなみに、違反点数は1点、罰金は6,000円のペナルティが課せられることになります。

無理な割り込み

無理な割り込みは、一般道を走る日常でもよく目にする行為ではないでしょうか。ウインカーを出さない急な車線変更も、状況としては似たようなものです。
クルマを運転していない場合でも、何らかの列に並んでいる時、知らない人間にいきなり前に割り込まれたら腹が立つのは心理として当たり前のこと。ましてや、それをクルマでやられたらたまったものではないうえ、重大な事故に繋がる可能性もあります。
もちろんクルマの流れが完璧になくなるまで待つというのも、後続車がいる場合には交通を円滑にしているとは言い難くもあります。
割り込みや周囲の予期せぬタイミングにならないよう、適切なタイミングで滑り込むのが運転の上手なドライバーだといえるでしょう。

サンキューハザードで感謝や謝罪の意思表示をしよう

日本独特の文化と言われているサンキューハザード。これは、自分が予期せず「煽られ運転」をしてしまったかも……という場面で活躍する可能性があります。

本来は、トラブルでクルマが動かなくなってしまったことを周囲に知らせたり、後のクルマに渋滞の発生を知らせ、追突などの事故発生を予防するためのもの。

ですが、どうしても車線変更をしなければならないタイミングが、少々無理な割り込みになってしまったりした場合。ハザードを炊いて感謝と謝罪の意を後ろのクルマに伝えることで、後ろのクルマのドライバーは矛を納めてくれるかもしれません。

もちろん、100%全員が許してくれるとは限りませんが、道に入る際にアイコンタクトなどを送ることで、その効果はアップするでしょう。

あおり運転において煽る行為が悪いのは当然ですが、場合によっては煽られる側にも原因がある場合があります。

煽ることも煽られることもない快適で楽しいドライブを満喫するためにも、自分の運転を見つめなおし、マナーと思いやりのある運転を心がけると良いでしょう。

※2021年6月現在

吉田 恒道|よしだ つねみち

1980年代、大学卒業後ファッション・モード専門誌「WWD Japan」編集部勤務を皮切りに編集者としてのキャリアを積む。その後、90年〜2000年代、中堅出版社ダイヤモンド社の自動車専門誌・副編集長に就く。以降、男性ライフスタイル誌「Straight’」(扶桑社)など複数の男性誌編集長を歴任し独立、フリーランスのエディターに、現職。著書に「シングルモルトの愉しみ方」(学習研究社)がある。

吉田 恒道