ダイハツ 10代目ハイゼットトラック(S500P/S510P型)の欠点は?

1960年に発売され、60周年を迎えたロングセラー車種のダイハツ 10代目ハイゼットトラック(S500P/S510P型)。現行モデルにおける軽トラックは、ダイハツ 10代目ハイゼットトラックとスズキ キャリィの2強といっても過言ではない状況です。

かつては自社で製造販売していたスバル サンバートラックはハイゼットトラックのOEM供給を受けており、同様に三菱 ミニキャブトラックは現在スズキ キャリィトラックのOEM供給を受けています。ホンダ アクティトラックは現在も販売されていますが、軽トラック市場でのシェア率は10代目ハイゼットトラックやキャリィトラックには及びません。

10代目ハイゼットトラックは、キャリィトラックよりも販売台数が多く、売り上げ台数1位をキープしています。しかし、もっとも人気の軽トラックである10代目ハイゼットトラックには少なからず欠点(デメリット)もあります。そこで、10代目ハイゼットトラックの欠点をライバル車であるスズキ キャリィと比較しながら解説します。

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積載能力に大きな差はないが、荷台床面地上高はダイハツ 10代目ハイゼットトラックの方が10mm高い
MT車の最高出力と最大トルクはキャリイに一歩及ばず
燃費の良さはキャリイに軍配!カタログ値でリッター4km前後の差
シートスライド量や助手席背面の装備の違いで使いやすさに差が生じる

積載能力に大きな差はないが、荷台床面地上高はダイハツ 10代目ハイゼットトラックの方が10mm高い

軽自動車という性質上、車体の寸法はダイハツ 10代目ハイゼットトラック・キャリイ・アクティトラックのいずれも、ほぼ同じ数値となっています。エンジンの配置やキャビン内の広さ、そして荷台の広さに至るまでほぼ同じ大きさとなっており、数値だけで優劣をつけることは非常に難しいのが現状です。

10代目ハイゼットトラックの荷台は、荷台フロア長2,030mm×荷台幅1,410mm×荷台高285mmです。キャリイやアクティトラックにおいては、荷台高に数ミリの違いが生じる程度で、面積ではほぼ同じ。つまり、積載能力に大きな差はありません。

荷物の積み下ろしをする際に重要となる荷台床面地上高は、キャリイと比較して10代目ハイゼットトラックが10mm高くなっています。荷台の地上高の高さは積み下ろし時に腰の負担になることも考えられます。

特に、積み下ろし回数が多く荷物に重量がある農作業においてはほんの少しではありますが、体への負担がかかりやすくなるでしょう。高齢の方や腰が悪い方、小柄な方はチェックしておきたいポイントです。

MT車の最高出力と最大トルクはキャリイに一歩及ばず

AT車の普及率も高まっている一方で、MT車も根強い人気を誇る軽トラック。ダイハツ 10代目ハイゼットトラックのMT車のエンジンは、最高出力34kW(46PS)/5,700rpm、最大トルクは60Nm(6.1kg・m)/4,000rpmです。キャリイのMT車のエンジンは、最高出力37kW(50PS)/ 5,700rpm、最大トルクは63Nm(6.4kg・m)/ 3,500rpmです。

キャリイの方が最大トルクを発揮する回転数が低いので、日常可動域でパワフルに加速してくれます。敷地内のみで動かす場合には大きな差は感じにくいかもしれませんが、10代目ハイゼットトラックでは幹線道路での合流や追い越しなどで若干の非力さを感じる場面がありそうです。

MT車は共通して5速ミッションなので、市街地を走ることが多い方や高速道路を走る場面がある方の場合は、キャリイの方がエンジン性能面で使い勝手がいいかもしれません。

燃費の良さはキャリイに軍配!カタログ値でリッター4km前後の差

一度の航続距離が短めになりやすい軽トラックですが、燃費は維持費に直結するので良いに越したことはないでしょう。スズキの軽自動車は燃費の良さが魅力となっていますが、キャリイもダイハツ 10代目ハイゼットトラックより優れた燃費性能を発揮しています。

10代目ハイゼットトラックのWLTCモード燃費は、MT車が15.3km/L、AT車が13.2km/Lです。市街地では2km/Lほど悪くなり、郊外や高速道路では1~2km/Lほど燃費が伸びます。一方のキャリイのWLTCモード燃費は、MT車で19.8km/L、AT車で17.2km/Lなので4~5km/Lほどの差が生じています。

燃料タンク容量は10代目ハイゼットトラックが35L、キャリイが34Lなので、MT車での航続距離は10代目ハイゼットトラックが520.2km、キャリイが673.2km。その差は153kmにもなってしまいます。

当然ながら市街地での走行やエアコンなどの使用によって燃費は変動しますが、ほぼ同じ条件の車でリッター4kmの差は大きいと言えるでしょう。10代目ハイゼットトラックの課題は燃費性能とみても過言ではありません。

シートスライド量や助手席背面の装備の違いで使いやすさに差が生じる

内装の装備面でも、ダイハツ 10代目ハイゼットトラックとキャリイに大きな差はありません。10代目ハイゼットトラックの方がやや室内幅が広いので、キャビン内の窮屈さは軽減されるかもしれません。

しかし、様々な体格の方が利用する軽トラックにおいて、限られたスペース内での居住性や快適性は重要なポイントです。その差をつける一つの要素が運転席シートのスライド量。

10代目ハイゼットトラックの運転席シートスライド量は140mmですが、キャリイのシートスライド量は180mm。4mmの差ではありますが、背の高い方や大柄な方にはこのわずかな差で室内の快適性が変わってきます。

足元に余裕の少なくシートが硬めの軽トラックでは、運転ポジションの調整範囲が広いことによってドライバーにとって長時間運転の疲労感や体の負荷の軽減に直結するからです。10代目ハイゼットトラックの調整範囲でも無理のない方は問題ありませんが、大柄な方は試乗などで比較しておいた方がよいでしょう。

また、仕事で軽トラックを使用する際にチェックしておきたいのが収納などの装備です。小物入れやポケットの配置や数に大差はないものの、助手席背面の装備が10代目ハイゼットトラックとキャリイでは大きく異なります。

10代目ハイゼットトラックの助手席背面はポケットになっており、地図やカタログ、ファイルなどを収納しておくのに便利です。キャリイは助手席背面がテーブルになっており、前側に折りたたむことが可能です。

伝票などを記入したり、食事をしたりするスペースとして活用できるので、車内で事務作業や休憩をとることがある配達のような業務の方にはキャリイの方が使い勝手が良いのではないでしょうか。

ダイハツ 10代目ハイゼットトラックもキャリイも、働く人にとってより安全で快適な軽トラックづくりが実現されています。豊富なカラーバリエーションが展開され、よりカジュアルに軽トラックを楽しむことができるのが10代目ハイゼットトラックの魅力です。

ライバル車と比較することで見えてくるメリットやデメリットを把握し、自分のスタイルに適しているか評価していきましょう。

※ 2021年2月現在

PBKK

東京都港区北青山に本社を置く自動車業界を専門としたクリエイティブエージェンシー。複数の自動車メディアへのコンテンツ配信をおこなうほか、
自動車メーカーなどへ向けた動画コンテンツ制作、ウェブサイト制作、デジタルマーケティング支援などを一貫して行う。

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