新型デリカD:5の先代との比較でわかるメカニズムの進化

2019年2月にビッグマイナーチェンジを受けた三菱デリカD:5。ビッグマイナーチェンジというだけあって、エクステリア(外装)が一新されたのはもちろんですが、メカニズム面も多くの部分に変更点が見られます。今回はそんなメカニズム面の変更点で注目すべき点をピックアップしてご紹介。マイナーチェンジ前と比較して進化したポイントをチェックしていきます。

文・西川 昇吾/写真・宮越 孝政

Chapter
エンジン&ミッション
運転支援システム
ボディ
ビッグマイナーチェンジで一気に近代化改修

エンジン&ミッション

三菱 デリカD:5 アーバンギア

まず大きな変更点としてあげられるのがエンジンです。マイナーチェンジ前は2.2Lディーゼルターボエンジンと、2.4Lガソリンエンジンが用意されていましたが、新型は全グレードで2.2Lのディーゼルエンジン1本のみとなりました。このディーゼルエンジンは型式こそ旧型に搭載されていた4N14ですが、あらゆる部分が新規設計となっています。

新設計の部分はクランクシャフト・ピストン・ピストンピン・コンロッドなど、エンジンの中心部分が主体となっていて、これらを新設計することでフリクションの低減を実現しています。

また、ディーゼル車特有の排ガスNOxに対応する浄化装置として、尿素SCRシステムを三菱車として初めて採用。より環境に配慮したクリーンディーゼルとなっています。

ミッションも大きく進化しました。旧型は6速ATでしたが新型は8速ATへと多段化。ローギアが8%低く、トップギアが18%高いギア比となっていて、よりワイドレンジになっています。デリカとして重要な、悪路での走破性はもちろん、巡行時の燃費と静粛性も向上しています。

運転支援システム

三菱 デリカD:5 アーバンギア

旧型のウィークポイントとも言えたのが、運転支援技術の装備が現代の車としては少なかったこと。これに対応して新型では、三菱の運転支援システム「e-Assist」が標準装備となりました。

「e-Assist」は衝突被害軽減ブレーキ・車線逸脱警報システム・レーダークルーズコントロール・オートハイビームなどがベースグレードでも装備されます。どれも現代の車としてはもはや必須となりつつある装備で、販売現場からも求められていた装備だったことでしょう。

ボディ

三菱 デリカD:5 アーバンギア

旧型でも採用されていたリブボーンフレームをベースに、フロント周りの骨格を大きく進化させました。新たな衝突基準に対応すると共に、フロントサスペンション周りの剛性も向上。ステアリングのフィーリングや走行安定性は旧型に比べると圧倒的に向上しています。

また、バックドア開口部の一部に構造用接着剤を用いることにより、リア周りの剛性も高められています。これらの変更により全体的にシャキッとした印象を受ける走行フィールとなりました。

ビッグマイナーチェンジで一気に近代化改修

三菱 デリカD:5 アーバンギア

現行型デリカD:5は2007年から販売を開始しており、モデルライフが長いです。それだけデリカD:5を選ぶコアなユーザーがいるということですが、現代のクルマとして進化を続けなければいけないのもまた事実。今回のマイナーチェンジはその全域において、現代に適合するべくして為された「近代化改修」という印象を受けます。

しかしそれは「悪路を走れるミニバン」として唯一無二の存在であるデリカD :5が、令和の時代も生き抜いていくために必要なこと。近代化改修をしつつも、基本コンセプトを変えず、エンジンフリクションの低減やボディの剛性を強化するなど、クルマとしてのクオリティの基本的な部分に磨きをかけている部分に三菱のこだわりを感じられます。

西川 昇吾|にしかわ しょうご

1997年生まれ。富士スピードウェイ近隣で生まれ育ち、大学で自動車に関する学習をする傍ら、自動車ライターとしての活動を始める。過去にはコミュニティFMのモータースポーツコーナーにてレギュラー出演経験あり。「書くこと、喋ることで自動車やモータースポーツの面白さを伝える」ことを目標とし、様々なジャンルのライティングや企画に挑戦中。

西川 昇吾|にしかわ しょうご