Cセグメントの世界戦略車 〜マツダ アクセラ SKYACTIV〜

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スカイアクティブテクノロジーと『魂動』デザインのタッグが、ついに本丸に攻め込んできた。新型アクセラはいままで同様、競争の激しいCセグメントのど真ん中に投入される。その販売台数はマツダの3割以上を占めるという。そこまで重要なモデルに革新を持ち込んだのだ。

text/photo:森口将之 [aheadアーカイブス vol.132 2013年11月号]
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Cセグメントの世界戦略車 〜マツダ アクセラ SKYACTIV〜

Cセグメントの世界戦略車 〜マツダ アクセラ SKYACTIV〜

写真で最初に見たときは、アテンザに似ていると思った。でも今回、テストコースで実車に対面すると、伸びやかなアテンザ、凝縮のアクセラという違いがあることに気づいた。

ホイールベースは旧型より60㎜長い2700㎜としつつ、スポーツ(ハッチバック)で4460㎜、セダンで4580㎜の全長は不変。全幅は40㎜広げながら、1795㎜と1.8m未満に留めた。その中で『魂動』を表現すべく、フェンダーの峰をタイヤ中心より内側に入れたり、サイドウインドー下のラインをウェーブさせたりして、躍動感を強調しているのだ。

インテリアがCX-5やアテンザより進化した点も評価したい。メーターは単眼になり、ナビのモニターはフローティングになって、センターコンソールのダイヤルで操作できる。一気に最新トレンドを取り込んだのだ。

ガソリン、ディーゼル、ハイブリッドの3種類のパワートレインを設定したことも新型のトピック。ガソリン2ℓとディーゼルターボ2.2ℓに続いて、1.5ℓガソリンもスカイアクティブ仕様になり、ハイブリッドはトヨタのシステムに自社製2ℓを組み合わせている。

2ℓガソリンを除く3車種を試した結果を言えば、1.5ℓが好印象だった。ディーゼルの大トルクを生かした力強いダッシュは頼もしいし、自社製エンジンにこだわったハイブリッドは滑らかな走行感にその効果が出ている。でも加速自体は1.5ℓで十分だし、小さなエンジンを生かした軽快な身のこなしがヤミツキになってしまいそうなのだ。

とにかく足がしっとり動く。シートのデキの良さのおかげもあって、乗り心地は車格を忘れてしまうほどだし、コーナーでは4輪がヒタヒタッと接地していることが手に取るように分かる。しかもステアリングを切るとノーズが向きを変え、車体がロールし、旋回を始めるというプロセスが、きれいな線を描くように起こっていく。とても気持ちいい。

もうひとつ感心したのは、コンパクトなサイズなのに理想的なドライビングポジションがとれること。Aピラーが手前にあって視界を遮らない点も良い。後席は低めに座るが身長170㎝の僕が座ってヒザの前の空間が15㎝ぐらいと、このクラスの平均以上の広さはある。

Cセグメントのベンチマークと言われるあのクルマに負けない走りの質感を、それ以上にエモーショナルなデザインとともに堪能できる。しかもそれを、170万円ちょっとという僕たちにも手が届く価格で実現している。日本のメーカーもやればできるのだ。
新型『アクセラ』
車両本体価格:¥1,711,500
(15C・2WD/AT、MTとも同価格)
排気量:1,496cc
最高出力:82kW(111ps)/6,000rpm
最大トルク:144Nm(14,7kgf・m)/3,500rpm
お問い合わせ:マツダコールセンター 
TEL.0120(386)919

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text:森口将之/Masayuki Moriguchi
1962年東京生まれ。モータージャーナリスト&モビリティジャーナリスト。移動や都市という視点から自動車や公共交通を取材し、雑誌・インターネット・テレビ・ラジオ・講演などで発表。日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員、グッドデザイン賞審査委員を務める。著作に「パリ流 環境社会への挑戦」「これから始まる自動運転 社会はどうなる!?」など。
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