最近のクルマは大人しい?メーカーの作った魔改造乗用車たち!

日産 ジュークR 2.0

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近年メーカーコンプリートのカスタマイズが施されたモデルが増えていますが、過去にはメーカー純正車で「えっ!?そんなカスタムを施しちゃうの?」という驚きのモデルたちがありました。今回はそんな「魔改造」とも言えるカスタムをした市販ノーマル車をご紹介。

文・西川 昇吾

西川 昇吾|にしかわ しょうご

1997年生まれ。富士スピードウェイ近隣で生まれ育ち、大学で自動車に関する学習をする傍ら、自動車ライターとしての活動を始める。過去にはコミュニティFMのモータースポーツコーナーにてレギュラー出演経験あり。「書くこと、喋ることで自動車やモータースポーツの面白さを伝える」を目標とし、様々なジャンルのライティングや企画に挑戦中。

西川 昇吾
Chapter
フォルクスワーゲン ビートルRSi
日産 ジュークR
クリオ・ルノースポールV6
メルセデスベンツ 190E Evo2
プジョー 205ターボ16
ランチア デルタS4
MG メトロ6R4
軽量ボディーにハイパワーエンジンという狂気

フォルクスワーゲン ビートルRSi

最初に紹介するのは今回のラインナップからは少し「甘口」とも言えるビートルRSi。2001年に世界限定250台で販売されたモデルで、通常2L 4気筒(RSi販売時のラインナップ)を搭載しているニュービートルに、3.2L V6エンジンを換装し、4輪駆動化。

エクステリアは全幅110mm拡大となるワイドボディーに18インチの扁平タイヤを履き見た目も中身もヤル気満々の仕様となっています。内装もスパルタンな造りとなっていて、フルバケットシートを備えるほか、窓の開閉も手動で行う仕様となっているのが個性的なポイント。

日産 ジュークR

2010年にサプライズで発表されたジュークR。ジュークのボディーにGT-Rのエンジンやパワートレイン、ブレーキや内装の操作系などを移植したモデル。簡単に言ってしまえば「ジュークの皮を被ったGT-R」。

ノーマルより下げられた車高にワイドボディー、タイヤハウスにギリギリ収まっているGT-Rのホイールなどのエクステリアからは無理やり感が感じられ、「ジュークに切った張ったしてGT-Rを収めました」という印象。ちゃんと市販車としても数台が販売されたらしく、約6000万円だったとか。

クリオ・ルノースポールV6

ルノーの小型ハッチバック車クリオに3L V6エンジンを収めたのがこのモデル。ただ単にV6を搭載したのではなく、後部座席を取っ払ってそこにエンジンを搭載し、ミッドシップレイアウト化するという気合いの入れ様。当然、足回りも強化され、ボディーもワイドボディー化しています。

もし日本車で表現するなら「ヴィッツの後部座席を取っ払って、そこにRC350のエンジンを積みました」といったかんじでしょうか。

メルセデスベンツ 190E Evo2

グループAのホモロゲーションを獲得するために販売された限定モデルである190Eエボリューション。1989年にエボリューションⅠが販売され、翌1990年にエボリューションⅡが販売されました。

チューンアップされた2.5L直列4気筒エンジンは235馬力を発生し、それに合わせた専用サスペンションが用意されました。ここまで聞くと「そんなに凄くないじゃん」と今回のラインナップと比べると大人しい印象を受けます。しかし、このモデルの大きな特徴は何といってもそのエクステリア。

実戦のレースの舞台で使用したいがために付けられたそのエアロパーツは「ホントにメルセデスベンツから販売された市販車か?」という衝撃を受けます。

貼りだされたオーバーフェンダーにでっかいリアウィング…バブル期を象徴する一台として「小ベンツ」なんて言われることもある190Eがベースとは思えないエクステリアに仕上がっています。

プジョー 205ターボ16

WRCの「狂気の時代」とも表現されるグループB時代。そのグループBで一つのトレンドを作り上げたとも言えるのがこの205ターボ16です。当然ホモロゲーション取得のため市販モデルも販売されました。コンパクトハッチバックの205の後部座席を取っ払って1,775cc 4気筒のターボエンジンを搭載。

205ターボ16は単なるミッドシップレイアウトでなく、ミッドシップにエンジンを搭載した4WDです。もちろんこのコンパクトボディーのミッドシップにターボエンジンを搭載するというのが、当時WRCで勝つために生まれたパッケージであり、グループBの時代を変えた一台でもあります。

ランチア デルタS4

グループB時代を「終わらせた」一台でもあるデルタS4。このS4も「コンパクトハッチバックの後部座席を取っ払ってミッドシップにエンジンを搭載し、4WD駆動」という改造は、205ターボ16と一緒です。

しかし、このS4はターボとスーパーチャージャを組み合わせた「ツインチャージャー」であるという点。ターボラグから解き放たれ下からも付いてくるエンジンを搭載したS4で、ランチア陣営は当時WRC最強のパッケージを手にしました。

市販モデルを見てもそのエクステリアは異様で、特にリアウインドウの先から除くエアダクトがリアエンジンであることの存在を示しています。

MG メトロ6R4

こちらもグループBのホモロゲーションマシン。小型ハッチバックのローバーメトロをベースに、リアにエンジンを搭載して4WD…までは他のグループBマシンと同じですが、このモデルの特徴はレスポンス重視でターボを嫌い、自然吸気エンジンを搭載しているという点。

当然ターボ係数のレギュレーションから解放される訳ですから、より大排気量のエンジンを搭載できます。そして用意されたのが3L V6エンジン。この他のライバルよりも大きなエンジンを、ライバルたちよりも小さな車体に無理やり押し込んで完成したのがこのモデルとも言われています。

ライバルたちよりもひと回り小さな車体は狂気のグループBマシンの中にあっても、少しキュートな印象を受ける1台です。

軽量ボディーにハイパワーエンジンという狂気

今回、紹介したモデルの多くが、軽量ボディーをもつコンパクトモデルにハイパワーエンジンという組み合わせです。アンバランスともいえるこの組み合わせ。しかし、その狂気に惹かれる人がいることも事実。

近年ではこのようなモデルは少なくなっていますが、海外には自らカスタマイズで造ってしまう人もいるほどの魅力が、このクルマたちにはあります。
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