最近、メルセデス・ベンツを「ベンツ」と呼ばない理由は?
更新日:2024.09.09
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日本においては「ベンツ」と呼ばれ、高級車の定番となっているメルセデス・ベンツですが、近年では「メルセデス」という呼び方が広まっています。一体なぜなのでしょうか?
文・PBKK
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そもそも「ベンツ」「メルセデス」「ダイムラー」とは
「ベンツ」とは、1885年に世界で初めてガソリン自動車を発明したカール・ベンツという人物の名前で、後にベンツ社を設立し、自動車の生産を本格化させました。「ダイムラー」とは、カール・ベンツのライバルであったゴットリーブ・ダイムラーという人物が設立した会社です。
当初、ベンツ社とダイムラー社は別々の会社でしたが、1926年に合併してダイムラー・ベンツが発足します。
当時はまだ一般的ではなかった自動車を多くの人に普及させると同時に親しみやすいイメージを持ってもらうため、同社のスポンサーであったエミール・イェリネックは女性の名前をブランド名として使用することを提案します。
そして、1902年にエミールの娘であるメルセデス・イェリネックの名前に由来して「メルセデス」が、ダイムラー製品の名称として商標登録されました。
当時はまだ一般的ではなかった自動車を多くの人に普及させると同時に親しみやすいイメージを持ってもらうため、同社のスポンサーであったエミール・イェリネックは女性の名前をブランド名として使用することを提案します。
そして、1902年にエミールの娘であるメルセデス・イェリネックの名前に由来して「メルセデス」が、ダイムラー製品の名称として商標登録されました。
ダイムラー社のメルセデス・ベンツ、と一言で表される中には、それぞれの歴史や言葉への願いが込められているのです。
「親しみやすさ」を持ってもらうため
2018年に日本で発売されたメルセデスベンツ・Aクラスには、自然対話式音声認識機能システムである「MBUX」が装備されましたが、MBUXの起動の際は「Hi、メルセデス」と呼び掛ける仕様となっており、「ハイ、ベンツ」といった呼び掛けでは起動しません。
また、メルセデス・ベンツ日本は次のように話します。
また、メルセデス・ベンツ日本は次のように話します。
「呼称はあくまでも正式なブランド名は『メルセデス・ベンツ』になりますが、海外では『メルセデス』と呼ぶのがほとんどで、日本でも関係者はもちろん、オーナーの方は「メルセデス」と呼んでいらっしゃる方が多いです。
そういうわけで、MBUXも『メルセデス』というワードで起動するようになっております。
そういうわけで、MBUXも『メルセデス』というワードで起動するようになっております。
これは近年ではなく昔からで、最近『メルセデス』と呼ぶ人が増えた、と感じていただける場合、MBUXの登場などをきっかけに少しずつ『メルセデス』という名前が浸透していると実感でき、とても嬉しく思います。
人々に親しんでもらうためにも、自動車は女性の名前でなければならないということで、当時の上得意であったイェリネック氏の愛娘の名前が付けられました。
人々に親しんでもらうためにも、自動車は女性の名前でなければならないということで、当時の上得意であったイェリネック氏の愛娘の名前が付けられました。
現在、メルセデス・ベンツにはコンパクトカーからSUVまで、お客様の多様なライフスタイルにお応えする160近くのモデルがあります。
ぜひブランドに親しみをもって『メルセデス』と呼んでいただければと思っておりますし、私共もお客様からそう呼んでいただけるように、今後も製品とサービスの提供を通じてメルセデス・ベンツの魅力をお伝えしてまいりたいと思います。」
ぜひブランドに親しみをもって『メルセデス』と呼んでいただければと思っておりますし、私共もお客様からそう呼んでいただけるように、今後も製品とサービスの提供を通じてメルセデス・ベンツの魅力をお伝えしてまいりたいと思います。」
メルセデスという名前には、エミール・イェリネックが自動車に親しみやすさを持ってほしいという願いが込められていました。現在、日本でもこの親しみやすさを持ってほしいという部分で共通しています。
現行のメルセデス・ベンツAクラスの標準モデルはメーカー希望小売価格で328万円からとなっており、一昔前と比べると手の届く存在になっているのは事実です。今後は、敷居の高い「ベンツ」から、身近な「メルセデス」として親しまれていくでしょう。