熟成により「さらに快適で安全な走り」を目指したマツダの技術とは
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第12回目の開催となる「サステイナブルZoom-Zoomフォーラム2019 in横浜」が今年もマツダR&Dセンター横浜で6月22日と23日に開催されました。
このフォーラムは、美しい地球と心豊かな人・社会の実現を使命と捉え、クルマの持つ価値により、人の心と体を元気にすることを追求し続けるマツダの取り組みを紹介し、参加者との絆を深めることを目的に開催されているユーザーイベントです。
今回は、フォーラムで紹介されていた快適で安全な走りを実現するマツダの技術の「360°ビューモニター」、「アクティブドライビングディスプレイ」についてご紹介します。
文・HAMATARO
マツダの360°ビューモニターの熟成のポイントは?
フォーラムでは、まるでクルマの上から見たような映像でクルマの周囲を360°モニター画面に表示できる360°ビューモニターの展示がなされていました。今回は、これまでのものとどこが違うのか、マツダならではの特長を伺ってきました。
対応していただいた説明員によると、これまでの360°で再現されているモニター映像は、クルマの周囲の映像が歪んで見えるようなものが、ほとんどであったとのことです。
そこで、マツダならではの人間中心の設計思想に基づき、歪みが少なく遠近感や距離感をつかみやすい自然な映像を目指して熟成したのが、この360°ビューモニターということでした。
自然な映像に熟成されたメリットは?
特に、自然な画像にすることで、狭い場所での駐車、狭い道でのすれ違い、T字路への進入時などで確認したいエリアの状況が直感的に把握しやすくなり、より的確な運転操作ができるようになるとのことです。
実際に、マツダが採用している360°ビューモニターの映像を会場で確認しました。クルマの周囲の様子が、実際に目視で見た景色に近いので、走行中に対向車とすれ違う時やとっさに幅寄せをしなければならない際など、より直感的に状況を把握できるようになるのではないかと感じました。
360°ビューモニターの今後の熟成ポイントは?
大変便利な360°ビュー・モニターですが、まだまだ熟成ポイントはありそうです。たとえば、カメラの設置位置より上部の状況は映像に映っていないので、背の低い屋根がある駐車場では、天井が当たらないかどうかはモニターではわかりません。
また、クルマの上部からの2次元の映像でモニターに表示されるので、立体駐車場のトレーなどの段差については、その高低差まではモニター映像では判別が難しい点もあります。
そのため、現在の360°ビューモニターで完成形というわけではなく、さらに見やすく、使い勝手が向上した360°ビューモニターの熟成が期待できそうです。
フロントウインドウ照射方式に熟成されたアクティブドライビングディスプレイ
マツダは、スピードメーターなどの情報をダッシュボードの上で確認できるHUD(ヘッドアップディスプレイ)をエントリーモデルであるデミオにも採用するなど、他社と比べて積極的にHUDの採用を進めているメーカーです。
最近では、専用の表示パネルを装備するコンバイナー方式での展開から、フロントウインドウ照射方式に移行し、CX-5やアテンザ、マツダ3などに展開を広げています。
フロントウィンドウ照射方式のメリットは見やすさ
そこで、今回はこれまで多く採用してきたコンバイナー方式からフロントウィンドウ照射方式に変更した意図について説明員の方に伺いました。
フロントウインドウ照射方式は、コンバイナー方式よりも表示をより遠くにあるように映し出すことができるので、運転中の目線の移動などを考慮すると、より見やすくなっているとのことでした。
なお、今回マツダ3に採用されているユニットは、およそ3M先に表示があるように見えるように映し出しており、従来のモデルよりも目線の移動によるストレスの低減を実現しているとしています。
フロントウインドウ照射方式のデメリットは、コストとユニットの大きさ
フロントウインドウ照射方式のデメリットは、表示をより遠くに見せるために、コンバイナー方式よりもユニットが大きくなり、コストもアップしてしまうということがあります。
ちなみに、もっと目線の移動を少なくするために、3M先よりも遠くに表示することもできるとのことですがユニットが大きくなったり、遠くに映し出しすぎて、信号などで止まっている際など、前の車を突き抜けたような位置に表示されているかのように見えるなどの問題もあるそうです。
マツダのHUDの見やすさへのこだわりとは?
ユニットの改良に加え、素材の面からも技術の熟成が感じられました。