世界の自動車メーカーへ影響を与えた日本車、ロードスター・ハリアー・NSX
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文・西川 昇吾
マツダ ユーノスロードスター
1989年に登場したユーノスロードスターは、後にマツダ
ロードスターへと進化し「世界で最も多く生産された2人乗り小型オープンスポーツカー」としてギネスに登録されるほどの大成功を収め、それまでごくわずかにしか販売されていなかった「2シーターオープン」という市場を新たに確立しました。
ロードスターがヒットした理由は多く挙げられますが、間違いなく言えることは「安価で耐久性の高いオープンカー」という点でしょう。それまでのオープンスポーツカーは少量生産で高価だったり、手間がかかったり雨漏りは当たり前というような感じで気軽に味わえるものではありませんでした。
そのようなイメージを覆したのがロードスターです。冷え切っていたオープン2シーター市場でロードスターの成功がなければポルシェのボクスターやBMWのZ3やZ4などは世に送り出されなかったかもしれません。
トヨタ ハリアー・レクサス RX(初代)
1997年末に登場した初代ハリアーは、北米市場ではレクサスブランドからRXとして販売され「高級クロスオーバーSUV」というジャンルを開拓しました。
それまで全高や地上高の高い車というとクロカンやRV車という少々無骨で質素な内装という「道具」としての要素が強い車が多かったですが、ハリアーは背の高い車ながら高級サルーンのようなオンロードでの快適性と、洗練された内外装デザインを持って登場しました。
ハリアーのヒットによってオンロード走行を中心に考え、都心に溶け込むデザインを持ち合わせたSUVが各社から続々と販売されました。ポルシェ
カイエンやBMW X5、フォルクスワーゲン
トゥアレグがその例と言えるでしょう。
近年世界的な盛り上がりを見せるSUV市場ですが、初代ハリアーの成功がなければここまでの盛り上がりはなかったでしょう。
ホンダ NSX(初代)
日本車として初めて1,000万円に届こうかというプライスタグが与えられたホンダ
NSXは1990年にデビューしました。
当時市販車初の「オールアルミモノコック・ボディー」を採用し、リッター100馬力に届こうかという高性能な大排気量NAエンジンをミドシップレイアウトで搭載するNSXは日本車初のスーパースポーツとも称されました。
NSXが世界に影響を与えたポイントは「スーパースポーツでありながらドライバーに優しい」という点です。
当時のスーパースポーツというと快適と言えない乗り心地、良好とは言えない視界、運転しにくいオフセットされたペダルポジション…などなど「初心者&普段乗りお断り」なモデルばかりでした。(それが魅力とも言えるかもしれませんが…)
しかしNSXは、当時の欧州スポーツカーに並ぶ性能を持ちながら、そのような固定概念を覆したのです。この「快適なスーパースポーツ」というわがままなコンセプトは各国のスポーツカーメーカーに影響を与えました。
フェラーリのV8モデル328をベンチマークにしていたと言われるNSXですが、その2世代後の1994年デビューのF355が「現代的で乗りやすくなった」と称されるのはNSXの影響とも言われています。
そして歴史的なスーパースポーツであるマクラーレンF1。車格は違いますが設計したゴードンマーレーはNSXをベンチマークにしたほどで、搭載されるエンジンもホンダ製のものを望んでいました
これからも「日本発」の影響があるのか注目
今回紹介したモデル以外にも世界の自動車メーカーへ影響を与えた日本車はまだまだあります。それぞれのクルマの生い立ちや時代背景を考えてみると日本車がもっと面白く、そして魅力的に見えてくるかもしれません。
今後はどのような日本車が世界の自動車メーカーへ影響を与えるのか?そのような点も楽しみです。
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