アメリカのラグジュアリーSUV、キャデラック エスカレードってどんな車?
更新日:2024.09.09
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SUV人気はまだまだ加速しています。ランボルギーニからはウルスの登場、ポルシェはカイエンクーペを追加しました。そのSUV人気の中で、今後ヒートアップしそうなカテゴリーが全長5mを超えるフルサイズSUVでしょう。2018年4月に開催されたニューヨークモーターショーでは、メルセデス・ベンツGLSの新型が発表されましたし、BMWも3列シートをレイアウトしたフラッグシップモデル、X7の日本導入が決定しています。そんなフルサイズSUVの中で、最も歴史をもちVIP向けのラグジュアリーSUVという価値を提供しているのが、キャデラックエスカレードなのです。
文/撮影・萩原文博
文/撮影・萩原文博
キャデラック エスカレードについて①|アメリカのラグジュアリーSUVの決定版ともいうべき存在
キャデラックエスカレードの初代モデルは1999年に登場し、すでに20年という歴史があります。エスカレードがラグジュアリーSUVという地位を確固たるものとしたのが2002年に登場した2代目モデルでした。大ヒットモデルとなった2代目エスカレードは従来はセダンがメインだったラグジュアリーカーの定義を変えるまでになり、実業家やセレブに愛されるアメリカン・ラグジュアリー・フルサイズSUVとなりました。こうして、エスカレードは販売してから20年での販売台数は米国だけで75万台を上回り、グローバルで83万6000台にのぼるラグジュアリーSUVの成功例となったのです。
現行型となる4代目キャデラックエスカレードは、2015年2月に導入されました。外観デザインは、クオリティの高さとエレガンスさを兼ね備え、同時に高い能力を主張しています。ダイナミックなフロントスタイルを強調するのが、細かいクロームメッキのグリル。そしてフロントとリアのライトすべてに採用された縦型LEDによってカミソリのような鋭い表情を作り出しています。室内の静粛性を高めるためにボディサイドにフィットする新しいドアを採用。また、空気抵抗を減らすことでエアロダイナミクスにも貢献しています。さらに、軽量化を図るために、エンジンフードとテールゲートにはアルミニウムを採用するなど、細かい配慮がなされています。
キャデラック エスカレードについて②|2トンを超える重量を支える、6.2LV型8気筒OHVエンジン
全長5,195mm、全幅2,065mm、全高1,910mm、車両重量2,670kgという超ヘビー級のエスカレードに搭載されるエンジンは最高出力426ps、最大トルク623N・mを発生する6.2LV型8気筒OHVエンジンです。燃料噴射装置の直噴化やアクティブ・フューエル・マネジメント(シリンダー休止システム)など最新鋭の技術によって全回転域でのパワーとトルクそして燃料消費量を向上させています。組み合わされるトランスミッションは当初6速ATでしたが、2017年6月の一部改良で8速ATへ変更され、エンジンパワーの高効率化とともに、高速巡行時の低燃費化を実現しています。
キャデラック エスカレードについて③|まるでファーストクラスを彷彿とさせるインテリア。ワイヤレス充電も完備
インテリアは、優れた職人技を集結させています。飛行機のファーストクラスを彷彿させる1列目、2列目シート(プラチナム)には肌触りの良いセミアニリンのナッパレザーを使用。さらに舵手ボード、アッパードアパネル、センターコンソールは手縫いのレザーで覆われています。また高級家具を作るのと同じ手法のステッチを施すなど、SUVらしい力強さとキャデラックならではの洗練度と最新技術の融合を感じられます。
さらにVIPが後席に乗るラグジュアリーSUVらしく、キャデラック エスカレードは高い走行性能を実現しています。新開発されたシャシーは75%以上に高張力鋼板を採用。またサスペンションには路面状況の変化に素早く反応する第3世代のマグネティックライドコントロールを標準装備。さらに新しい4WDシステムは、ドライバーがオートモードを選択すれば、必要な状況で自動的にトラクション性を向上させるように作動。また、独立した4HIモードではより過酷なコンディションの下でも最大の走行性能を発揮し高い走破性を確保しています。
キャデラック エスカレードについて④|安全装備も抜かりはなし
キャデラックエスカレードはラグジュアリーSUVに相応しい安全装備も充実しています。レーダーと超音波センサーという2つのデバイスを使用し、低速での危険を感知すると、警報を発し、必要な場合には自動的にブレーキを掛けてくれるフロント・オートマチック・ブレーキ(衝突被害軽減ブレーキ)をはじめ、側面衝突の際、ドライバーと助手席乗員の間に展開し、前席乗員を保護する、フォワード・コリジョン・アラート(前方衝突事前警告機能)やアダプティブ・クルーズ・コントロール(全車速追従機能)など最新の運転支援技術が搭載されています。
現行型キャデラックエスカレードの車両本体価格はプレミアムが1260万円、上級グレードのプラチナムが1360万円です。世界中のセレブが認めたラグジュアリーSUVのキャデラックエスカレード。その圧倒的な存在感と豪華な空間はほかのクルマではそう味わえないでしょう。
萩原 文博|はぎはら ふみひろ
1970年生まれ。10代後半で走り屋デビューし、大学在学中に中古車情報誌の編集部にアルバイトとして加入。1995年より編集部員として編集作業に本格的に携わる。中古車の流通、販売店に精通し、「中古車相場師」として活動。2006年からフリーランスの編集者となり、中古車だけでなく、現在は日本で最も多くの広報車両を借り出して取材を行い、新車でもユーザー視点のバイヤーズガイドを中心に、人気車種の動向や流行りの装備の価値評価などを加味した、総合的に買いのクルマ・グレードの紹介をモットーとしている。