大型トラックがPA・SAで休憩中でもエンジンを切らない理由

大型トラック

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パーキングエリア・サービスエリアで休憩中でもアイドリングしたままのトラックを見かける。同じ大型車でも観光バスなどは、休憩時にエンジンを切る印象はあるのだが、なぜだろうか?

文・塚田勝弘
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休憩中、エンジンを切らない理由

休憩中、エンジンを切らない理由

筆者の知り合いで、大型トラックの拠点間輸送をしている人や、中型トラックで配送している知人に聞いてみたところ、案の定、「仮眠や休憩しているから」という答えが返ってきた。

なお、車中泊を前提としたキャンピングカー(簡易キャンパーなどをのぞく)の場合、断熱加工をはじめ、FFヒーターや家庭用エアコン(エンジンを切った状態で作動する電源対策が施されているのが前提)が付いているモデルならエンジンを切っても朝まで快眠できるはずだが、大型トラックは言うまでもなく、荷物を運ぶためで、寝るのが主な使用用途ではない。

真夏でも真冬でもサービスエリアで仮眠したことがある人なら分かるだろうが、エンジンを止めて、ヒーターやエアコンを切った状態だと、短時間でもとてもじゃないが寝られるものではないし、熱中症などの危険性も高まる。大型トラックでもなくても、営業車などで仮眠している人はエンジンをかけっぱなしというケースも多々ある。

さらに、保冷車や冷凍車などはエンジンを止められないという構造上の事情もある。普通のクルマよりも電装系への負荷が高いため、バッテリー保護の面からエンジンを止められないという事情もあるだろう。なお、エンジンにのみ依存しないサブエンジン式であれば、積み荷を守るためにエンジン(メインエンジン)を回し続けなくても済む場合もある。

そのほか、運輸業界でも非常に深刻化している人材不足によるドライバーへの負担の拡大(長時間拘束で、仮眠を繰り返す必要があるなど)、サービスエリアや路肩などに停車するしかないトラックステーションなどの不足などの要因も、目に付く場所でエンジンを回し続けるしかないという事情もあるかもしれない。

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