再流行か!? 4WSを採用する車4選

1980年代後半から高性能な日本車に多く採用された4WS。前輪に加えて、後輪も操舵するこのシステムは、ホンダ プレリュードに搭載された4WSや、日産 スカイラインシリーズなどに搭載されたHICAS(ハイキャス)と聞けばピンとくる方もいるのでしょうか?構造が複雑なことや、コストの面で一時は廃れてしまったシステムですが、近年再び4WSを搭載する車種が増えてきています。そこで今回は、4WSを搭載する車種を紹介します。

文・西川昇吾

Chapter
ポルシェ 911シリーズ
レクサス LC、GS、ISなど
アウディ A8 
ルノー メガーヌ

ポルシェ 911シリーズ

ポルシェ 911 GT3 2017

歴史あるスポーツカーの1台であるポルシェの911シリーズ。ポルシェ初の4WSシステムである「アクティブリアホイールステアリング」が現行(991型)のGT3とターボ系グレードから採用されました。2015年のマイナーチェンジで2駆、4駆問わずカレラ系グレードでもオプションで選択できるようになっています。

後輪を操舵する基準に関してポルシェは古くから開発しており、4WSとは異なりますが、その元祖ともいえる技術「ヴァイザッハ・アクスル」を1977年登場のFRポルシェ928で実用化しています。ヴァイザッハ・アクスルはコーナーリング中の横Gにより、後輪アウト側のタイヤを最大2°トーインにすることによって、オーバーステアを抑制しています。

現行で採用されているアクティブリアホイールステアリングは、車速に応じて高速ではフロントタイヤと同じ方向にリアタイヤを操舵し、低速では反対方向に操舵するという機構になっています。これにより街乗りなどの低速域では従来よりも小回りが効き、高速域では安定した旋回が可能となっており、高速のレーンチェンジなどでその効果を実感できます。

レクサス LC、GS、ISなど

レクサス LC

レクサスのLCやGS、ISなどに搭載されるLDHとは(レクサス・ダイナミック・ハンドリングシステム)の略。2012年にデビューした2代目GSに初めて採用されました。(一部グレードのみ)

アンダーステア時はフロントタイヤと反対方向にリアタイヤを操舵し、より曲がるように、オーバーステア時は、フロントタイヤと同じ方向にリアタイヤを操舵することでオーバーステアを抑制するようになっています。

また、LDHは車両を統合制御するVDIM(Vehicle Dynamics Integrated Management)とリンクし、より高い次元で車両を安定させ、かつ運転する楽しさを提供しています。

アウディ A8 

アウディ A8 2018


4WS技術で現在、一歩先を行っているメーカーの一つがアウディです。

A8にオプション設定されたダイナミックオールホイールステアリングは、低速と高速でリアタイヤの操舵を切り替えて、取り回し性と高速安定性を両立しているのはもちろんですが、後輪舵角のステアリングギア比は車速だけでなく、様々な運転条件に合わせて変化させています。片側のみが滑りやすい状況下などでもフロントとリアそれぞれの操舵機構に働きかけ、車両安定性を確保しています。

また4WS技術とは別ですが、前方の路面状況を検知し、AI制御によってサスペンションストロークをアクティブ制御するという技術を導入予定です。

このAI制御アクティブサスペンションとダイナミックオールホイールステアリングが将来的にリンクされれば、今までにない乗り味が期待できるのではないでしょうか?

ルノー メガーヌ

ルノー メガーヌ GT

現行ルノーメガーヌに搭載された4コントロールは時速60キロ(スポーツモード時・時速80キロ)ではフロントタイヤと反対方向に最大2.7度リアタイヤを操舵し、それ以上の車速の高速走行時はフロントタイヤと同じ方向に最大1度リアタイヤを操舵して取り回し性と高速安定性を両立する。

という基本的な部分は他の4WSと変わりありませんが、コンパクトなスポーツハッチに4WS機構が採用される例は世界的にもめずらしく、コンパクトボディとルノー・スポールチューニングのサスペンション、そして4WSの組み合わせで生み出されるステアリングフィールは高い評価を得ています。


4WS機構の目的は取り回し性と高速安定性の両立ですが、やはり一番実感できるのは低速の街乗り時でしょう。比較的ハイセグメントの車種に採用されることが多いため、実際に運転してみると「この大きな車体が、こんなに小回りするの!?」と驚くはず。

もし機会があればディーラなどで4WS機構が採用された車種に試乗してみると面白いかもしれません。