戦車を動かすにはどんな免許が必要?

戦車

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日本では個人が本物の戦車を所有して公道を走らせることはまず不可能ではありますが、自衛隊にはたくさんの戦車が存在します。戦車の免許は自衛隊で取得する以外方法はありませんが、どのような免許が必要になるのでしょうか?

文・加藤久美子 写真・加藤博人
Chapter
自衛隊に入ると、戦車の免許が取れる?
自衛隊に入っても全員が戦車の免許を取れるわけではない
自衛隊では普通免許を飛ばしていきなり大型免許から
自衛隊で取得できる免許や資格はなんと50種類以上!

自衛隊に入ると、戦車の免許が取れる?

※写真は防衛省より提供

陸上自衛隊装備品の花形ともいえる戦車ですが、現在、陸上自衛隊で使われている戦車には74式戦車、90式戦車、10式戦車の3種類があります。74などの数字はその戦車が「制式化」された年を意味しているので、74式は1974年、10式は2010年以降に配備されています。
これらの戦車を操縦するにはまず、「大型特殊」免許が必要になります。そして戦車を操縦するための特別な訓練が行われ、適性も考慮しながら免許取得に至るのです。

普通の大特とは違い、戦車は履帯(キャタピラー)のついた装備品となるため、免許証には「大特車はカタピラに限る」という条件が記載されています。大特車はカタピラに限る…これこそが、戦車乗りの証であり、自衛隊の教習所以外では取得できない戦車ファン憧れの免許なのです。

また、見た目は戦車に似ていますが、キャタピラーではなくタイヤを履いた「装輪車」もあります。最も新しい話題の装備品として2016年に制式化された16式機動戦闘車がありますが、こちらは戦車の免許は不要です。

通称MCVと呼ばれるもので、105mm砲を搭載した陸上自衛隊の最新鋭の装輪装甲車です。戦車のような火力とタイヤで走れる機動力を駆使してさまざまな事態へ迅速に対応が可能。戦車と比べると軽量でもあることから、公道での走行もスムースで高速道路では時速100km/hでの走行も可能です。

自衛隊に入っても全員が戦車の免許を取れるわけではない

自衛隊=戦車のイメージが強いかもしれませんが、陸上自衛隊には普通科、機甲科、特科(野戦)、特科(高射)、情報科、航空科など、現在は15の職種があります。

この中で、戦車を使用した訓練を行っているのは主に「機甲科」という職種になります。機甲科には戦車部隊と偵察部隊があり、主に戦車の正確な火力、優れた機動力及び装甲防護力により、敵を圧倒するとともに情報収集を行う訓練を行っています。陸上自衛隊の花形部隊ですので、人気も非常に高く、希望する全員が機甲科にはいれるわけではありません。

自衛隊の場合、原則として途中で職種を替えることはほとんどありません(特別な事情がある場合を除く)ので、自衛隊に入って戦車に乗りたい!という人は、機甲科をめざして頑張りましょう。

自衛隊では普通免許を飛ばしていきなり大型免許から

一般人は18歳から普通運転免許が取得可能で、大型免許は普通免許取得から3年経過しないと取得ができませが、自衛隊では多くの場合、普通免許を飛ばして大型免許から取得します(免許の交付は19歳~で、大型車の運転は自衛隊車両に限るという条件付き)。

一つの都道府県の中に1〜2か所、自動車教習所(自衛隊自動車訓練所 通称「自訓」または「自教」)があり、そこで教習を受けます。本免許の学科試験は一般人と同様に各都道府県にある運転免許試験場で受験します。

ちなみに「自訓」の人気は非常に高く、希望したものが全員すぐに自訓に行けるわけではありません。部隊ごとに一度に行ける人数が決まっているため、まずは、車の運転が必須となる「輸送科」の隊員から入校します。早ければ入隊直後の教育期間中に自訓での教習を受けることもあります。

なお、輸送科以外では自動車免許の必要性が高い部隊から入校となりますが、そこでもやはり順番があります。早く自訓に行くための条件は「成績優秀・勤務態度良好・適性検査良好」で、なおかつ「最初の任期を経てその後も自衛隊で働く意思がある」ことも条件となります。

自衛隊で取得できる免許や資格はなんと50種類以上!

自衛隊に入るとたくさんの免許が取得できます。その数はなんと50以上。

車に関連した資格だけでも、大型自動車免許、大型特殊免許、自動車整備士、けん引免許、建設機械などが取得可能で、船舶・航空関連では小型船舶操縦士、潜水士、航空管制官、航空無線通信士などの資格があります。

このほか医師免許〈防衛医大〉、救急救命士、准看護師、臨床検査技師、診療放射線技師、ホームヘルパー、ガス溶接、電気工事士、ボイラー技師、調理師などなど。多様な免許取得が可能で、自衛隊を辞めて再就職する際にも役立つ資格がたくさん取得できるのです。

日本では個人が戦車を所有することができませんが、戦車マニアの中には自作戦車を所有している人もいます。ガルパンの聖地、大洗では町おこしの目的を含め、ガルパンに登場する戦車と同様のルックスに仕上がっています。

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