【完全ガイド】AT限定解除でMT免許を再取得するには?方法・費用・期間を徹底解説

AT 免許証

※この記事には広告が含まれます

AT限定免許を解除してMT車も運転できるようにする方法を、費用・期間・メリット・デメリットまで網羅した完全ガイドです。教習所と一発試験の違いや教習所選びのポイントも解説し、初心者や再取得希望者でも安心してMT免許への切り替えに臨めます。

CARPRIME編集部

クルマ情報マガジン CARPRIME[カープライム]を運営。
「カーライフを楽しむ全ての人に」を理念に掲げ、編集に取り組んでいます。

CARPRIME編集部
Chapter
AT限定解除とは? MT免許への切替基礎ガイド
AT限定解除のやり方2選|教習所講習と一発試験を徹底比較
教習所でAT限定解除|技能講習から免許更新までの流れ
一発試験で即日AT限定解除|試験場チャレンジガイド
費用・期間を比較|教習所vs一発試験 AT限定解除
AT限定解除のメリット・デメリット総まとめ
AT限定解除の主なメリット
AT限定解除の注意点・デメリット
教習所選びと再取得のコツ|失敗しないAT限定解除
公認教習所と届出教習所の違い
料金プランと追加費用チェック
教習スケジュールの柔軟性
教習所の立地と雰囲気
免許再取得+AT限定解除のポイント
まとめ|AT限定解除で広がるカーライフ

AT限定解除とは? MT免許への切替基礎ガイド

AT限定解除とは、オートマチック車(AT車)のみ運転可能な「AT限定免許」から、その限定条件を外してマニュアル車(MT車)も運転できるようにするための審査手続きです。

免許証の条件欄に「AT車に限る」とある状態でMT車を運転すると違反になるため、正式な手続きを経て限定解除する必要があります。幸い、すでに普通免許自体は保有しているので運転の基礎知識は身についており、イチから新しく免許を取得するより手軽なプロセスといえます。

2017年には普通免許取得者の60%以上がAT限定免許を選択しました。AT車の普及によりAT限定で困らない場面が多い一方、「仕事でMT車の運転が必要になった」「スポーツカーなどMT車に乗ってみたい」といった理由で後からMT免許への切り替え(AT限定解除)を検討する人も少なくありません。

特に商用車では今でもMT車が一定数流通しており、MT免許を持っていれば運転できる車種の幅が広がります。就職・転職で「MT免許必須」の求人に応募できるなど、キャリア面でもメリットがあるでしょう。

AT限定解除のやり方2選|教習所講習と一発試験を徹底比較

教習所でAT限定解除|技能講習から免許更新までの流れ

  • 技能教習と修了審査のポイント

    AT限定解除の技能教習は最低4時限(4時間)と法律で定められており、学科教習はありません。教習所ではMT車の運転操作に特化した実技講習を行い、内容はギアチェンジやクラッチ操作、MT車での発進・停止、坂道発進、S字・クランク走行、縦列駐車などです。

    すでに道路交通法の知識や基本的運転技能は身についている前提なので、MT操作に絞った効率的な講習となっています。教習所で規定の教習を終えたら所内コースで技能審査(修了検定)を受け、合格すれば「技能審査合格証明書」が発行されます。

  • 免許証書き換えの手順

    教習所で発行された「技能審査合格証明書」を持参して、管轄の運転免許センターに行き、限定解除の申請手続きを行います。窓口で渡される申請書に必要事項を記入し、①現在の運転免許証、②技能審査合格証明書、③手数料を提出して申請します。(※通常の限定解除申請では、免許証を再発行しないため申請用の証明写真は不要です)。

    技能審査は教習所で合格済みのため、運転免許センターでの実技試験は免除されます。書類審査のみで手続きは完了し、その場で新しい免許証が交付されるのではなく、お持ちの免許証の裏面に「普通自動車はAT車に限るの限定を解除」といった内容が追記(裏書)され、返却されます。
    表面の「AT車に限る」という記載が消え、条件欄から正式になくなるのは、次回の免許更新時です。なお、技能審査合格証明書には3か月間の有効期限があるため、発行日から3ヶ月以内に手続きを完了させるようにしましょう。

  • AT限定解除にかかる日数

    教習は原則1日2時限まで(条件付きで1日3時限まで)と法律で決まっているため、技能教習4時限は最短でも2日間に分けて受講する必要があります。教習所によっては集中スケジュールで2日間で教習→3日目に修了検定というケースもありますが、予約状況によってはもう少し日数がかかることもあります。
    一般的には3〜5日程度で講習修了から免許交付まで完了することが多いようです。仕事をお持ちの方は土日を利用したり、有給休暇を取って集中的に通うなど計画すると良いでしょう。

  • AT限定解除にかかる費用

    教習所でのAT限定解除にかかる費用は教習所ごとに異なりますが、相場は約4〜8万円です。この中には4時限分の技能教習料と修了審査料が含まれています。
    ただし料金システムは教習所によって様々で、初回の検定料まで含めたパック料金の場合と、教習料とは別に検定料を支払う場合などがあります。表示料金に補習料や再検定料が含まれているかも確認ポイントです。

    もし教習所の修了審査に不合格だった場合、追加の補習(追加教習)を受けて再度審査となるため、その際は補習料金(1時間あたり約5,000円前後が一般的)と再審査の費用が別途かかります。最短の4時間教習で一発合格できれば5〜7万円程度で済みますが、不合格になるとその分の費用と時間が余計に必要になる点には留意しましょう。

  • 教習所ルートのメリット

    教習所ルートの最大の利点は、確実性と安心感が高いことです。プロの指導員から直接クラッチ操作のコツやMT車の走行テクニックを教わることで、正しい操作を身体で覚えられます。

    わからないことはその場で質問できますし、実技試験も教習所内の検定なので比較的リラックスして臨めます。合格するまで教習所が面倒を見てくれるため、「どうしてもMT操作に自信がないけれど限定解除したい」という方には最も確実な方法と言えます。教習所卒業生であれば高い合格率で免許証の限定を外せるでしょう。

  • 教習所ルートのデメリット

    一方で時間とお金がかかる点はデメリットです。教習所に通うためのスケジュール調整や、数万円単位の出費は避けられません。忙しい人にとって数日間教習所に通うのは負担かもしれませんが、それも安全にMT車を運転できる技術を身につけるための必要経費と割り切れるかどうかです。

    また教習所での検定に落ちてしまうと追加教習・再検定で余計に手間と費用がかかる点も注意が必要です。もっとも、しっかり教習を受ければ過度に心配する必要はありません。

  • 合宿免許で最短AT限定解除

    もし「できるだけ短期間でAT限定解除したい」という場合は、合宿免許を利用するのも一つの手です。合宿免許とは教習所が提供する宿泊施設に泊まり込みで連日教習を受けるプランで、AT限定解除向けには最短4日〜1週間前後のコースが用意されていることがあります。合宿なら毎日教習を受けられるため効率よく技能習得でき、仕事や学校の休暇を利用して一気に取得可能です
    費用面でも、地方の教習所の合宿プランを選べば宿泊費・食事代込みでも比較的安く済む場合があるとされています。

    ただし自宅を離れて泊まり込みになるため、時間に余裕がある方や環境の変化が平気な方向きです。また教習所によっては卒業生割引を用意しているところもあります。以前AT免許を取得した教習所があるなら、限定解除の料金割引が受けられないか問い合わせてみると良いでしょう。

一発試験で即日AT限定解除|試験場チャレンジガイド

  • 一発試験の流れと試験内容

    各都道府県の運転免許試験場で実施されている限定解除審査に申し込み、実技試験に合格すれば限定解除が認められます
    受付では「限定解除審査申請書」と「受験票」に記入し、現在の免許証・写真・手数料を提出します。その後、試験場のコースで試験官による技能試験を受けます。

    試験内容は教習所の卒業検定に準じますが、クラッチ操作やギアチェンジに不慣れな人には厳しい評価となりがちです。試験は減点方式で進み、減点が規定値以内に収まれば合格となります。合格できれば、その日のうちに免許証の書き換え手続きが行われ、お持ちの免許証の裏面に限定解除した旨が記載(裏書)され、その免許証が返却されます。

  • 受験日程・予約方法

    一発試験は平日に運転免許試験場で行われます。自治体によって開催日が決まっており、多くの場合事前予約制です。

    例えば毎週○曜日に限定解除審査を実施、定員あり要予約…という形です。予約方法は各運転免許センターの案内に従ってください。当日必要な持ち物(印鑑や受験票用写真など)も事前に確認しておきましょう。合格すれば即日交付ですが、不合格の場合はまた後日改めて受験することになります。

  • 一発試験にかかる費用

    一発試験ルートの最大のメリットはその安さです。受験料1,400円と試験車使用料1,450円の合計2,850円程度で済み、教習所に比べて1/10以下の費用負担で限定解除できます。不合格になった場合も、次回受験時に同額の手数料を支払えば何度でもチャレンジ可能です。極端な話、一発で受かれば数千円ですべて完了する非常に経済的な方法と言えるでしょう。

  • 一発試験に必要な期間

    理論上は1日で完了します。試験場で技能審査に合格さえしてしまえば、その日のうちに免許証を書き換えてもらえるためです。

    しかし実際には不合格になれば再受験まで日程を調整する必要があり、人によっては取得までにかなりの時間を要するケースもあります。試験は予約状況次第ですが、毎週実施されていない地域もあります。連続して毎日受験できるわけではないため、短期決戦で受かれば1日、落ち続ければ数ヶ月以上かかってしまうリスクもあります

  • 合格率と試験対策

    一発試験は「安く早く済む」のが魅力ですが、その恩恵を受けられるのは一発合格できた場合のみです。試験官の採点基準は教習所の検定より厳しく、運転操作に癖があると減点されやすい傾向があります。
    特にAT限定で長年運転してきた方はMT車のクラッチ感覚に慣れておらず、最初のうちはエンストや変速ミスで減点を重ねてしまうことが多いようです。「運転に相当自信がある人でないと難しい」「過去にMT車の運転経験がある人でないと厳しい」といった声もあり、逆に言えばMT車の練習さえ積めば合格の可能性は十分にあるとも言えます。

    一発試験に挑戦する場合、教習所に通わない分は自主練習や試験対策が重要です。教習所のペーパードライバー講習や届出教習所で数時間だけMT車の練習走行をしてみる方法もあります。また試験コースのレイアウトや減点ポイントを解説した書籍・動画なども参考になるでしょう。十分な準備をして試験に臨めば合格率を高めることができます。

  • 一発試験ルートのメリット

    一発試験方式のメリットは何といっても費用が格安であること、そして最短でその日中に免許を書き換えられることです。教習所に行く時間がない方、技能には自信があり「お金をかけるくらいなら多少苦労しても自力で合格したい」という方には魅力的な選択肢でしょう。

    また、人によっては「試験一発合格」というチャレンジそのものにやりがいを感じるという声もあります。

  • 一発試験ルートのデメリット

    最大のデメリットは合格までのハードルが高いことです。試験は減点方式かつ一発勝負の緊張感もあり、少しのミスで不合格となってしまいます。

    不合格だった場合、再度手数料を払い別日に受験しなければならず、回数を重ねるごとに結局費用も日数もかさんでいきます。例えば10回以上も落ちてしまえば、支払う合計費用は教習所に通った場合とほぼ同額になり、要した日数は何倍にもなる計算です。

    総合すると、一発試験はあまりおすすめできない方法ではありますが、過去にMT車を運転していた経験がある方や、どうしても費用を最小限に抑えたい方には検討の価値があるでしょう。

費用・期間を比較|教習所vs一発試験 AT限定解除

AT限定解除の方法費用(目安)期間(目安) 難易度・合格率
指定教習所に通う 4万~8万円程度
※補習・再検定の場合別途料金
最短3日~(教習2日+検定+手続)
※スケジュール次第で5日以上
合格ほぼ確実(教習所内の検定)
※不合格でも追加教習でフォロー
運転免許センター試験 約2,850円(1回)
※再受験ごとに同額必要
最短1日(その場で免許証に裏書)
※不合格なら次回まで間隔あり
合格率5~30%程度と低い
※一発合格は稀

AT限定解除のメリット・デメリット総まとめ

AT限定解除の主なメリット

  • 運転できる車種が増える

    MT車とAT車の両方を運転できるようになるため、自家用車選びの幅が広がります。スポーツタイプの車やクラシックカーなどMT仕様しかない車にも乗れるようになりますし、「やっぱりMTの運転が楽しい」というカーライフの楽しみを再発見できるかもしれません。

  • 仕事やキャリアの選択肢が増える

    業務で車を運転する可能性がある職種(営業車や社用車の運転、配送業務など)では「要普免(MT)」という条件が付く場合があります。MT免許を持っていればそうした求人にも応募できますし、社内で急にMT車の運転を任されても対応できます。

  • 運転技能の向上

    MT車の操作はAT車に比べてクラッチやシフト操作の分だけ難易度が上がります。その分、運転者は車両の挙動を細かく感じ取りながら操作する必要があり、結果として運転全体のスキルアップに繋がるとの指摘もあります。

AT限定解除の注意点・デメリット

  • 取得のためのコストがかかる

    前述の通り教習所に通うなら数万円の費用と数日間の時間、一発試験でも多少の費用と場合によっては複数回受験の手間が発生します。

  • MT車の運転機会がなければ宝の持ち腐れになる可能性

    せっかくAT限定解除しても、実際にMT車を運転する機会がほとんどなければ技能は徐々に錆び付いてしまいます。限定解除後もたまにはMT車に乗る機会を作るなど、技能維持に努めることが望ましいでしょう。

  • (人によっては)プレッシャーやストレス

    特に運転経験がAT車しかない方にとって、MT車の運転には最初戸惑いや緊張がつきものです。教習中にエンストを繰り返したり、思うように運転できず落ち込む場面もあるかもしれません。
    しかし皆そこを乗り越えて習得しているので、焦らず落ち着いて取り組めば大丈夫です。指導員もその点は承知していますから、疑問や不安は遠慮なく相談すると良いでしょう。

教習所選びと再取得のコツ|失敗しないAT限定解除

公認教習所と届出教習所の違い

基本的には公安委員会指定の公認教習所で教習を受けることをおすすめします。公認教習所であれば卒業時に技能審査合格証明書が交付され、試験場での実技試験が免除されます。

一方、公安委員会未指定の届出教習所は教習料金が安い場合がありますが、卒業しても試験場での審査を自力で受ける必要があります。運転に自信がある方向けの選択肢なので、迷ったら公認教習所を選びましょう。

料金プランと追加費用チェック

教習所によってAT限定解除コースの料金設定は様々です。一括パック料金で補習・再検定料込みの安心プランもあれば、低めの基本料金+追加費用(補習料等)という場合もあります。総額でいくらくらいになるか、事前に問い合わせて比較すると良いでしょう。キャンペーン割引やWEB申込割引などが使える教習所もあります。

また前述のとおり卒業生割引を実施している教習所も多いので、以前通った教習所があればまずはそこに確認してみるのも手です。

教習スケジュールの柔軟性

社会人の方なら土日や仕事帰りに教習を入れたいでしょうし、なるべく短期集中で終わらせたい場合もあるでしょう。教習所によって予約の取りやすさや教習の開講時間帯は異なります

平日夜間に教習を行っているか、連続したスケジュールで技能教習→検定を組めるかなど、自分の都合に合った教習計画が立てられるかをチェックしましょう。合宿プランがある教習所なら休暇を利用して一気に終わらせることも可能です。

教習所の立地と雰囲気

教習所が通いやすい場所にあるかも重要です。自宅や職場から近い、あるいは最寄り駅から送迎バスが出ているなど通学の利便性を確認してください。合宿の場合は教習所の所在地も考慮しましょう。せっかく地方の教習所に行くなら観光地が近い所を選んでプチ旅行気分を味わうのも一案です。

また教習所ごとの雰囲気や指導員の評判も、できれば事前に知っておきたいところです。ネットの口コミや卒業生の体験談が参考になります。「親切で丁寧だった」「厳しすぎて萎縮した」等、人によって感じ方は様々ですが、総合評価が高い教習所だと安心材料になるでしょう。

免許再取得+AT限定解除のポイント

過去に免許を失効・取消して再取得するタイミングでMT免許に切り替えたい場合は、いきなりMTで再チャレンジするか、一度ATで取り直してから限定解除するか迷うところです。
2025年以降、普通免許の教習カリキュラムが一部変更され、最初AT車で卒業検定まで進み、その後に所内4時間の限定解除教習を受けることでMT免許を取得できる方式が導入されました。いわば「AT取得+限定解除」のセットでMT免許を再取得できるようになったわけです。

この新方式では、MT車での教習は卒検後の4時間のみ(路上教習はAT車のみ)となり、全体のハードルが下がるとされています。そのため、久しぶりに免許を取り直す方や運転勘を不安に感じる方は、無理に最初からMTで教習を受けずATコースから始めて限定解除教習を追加する方法も有効でしょう

逆に「昔MTに乗っていたから大丈夫」といった方は初めからMTコースで教習を再開しても構いません。いずれにせよ、再取得の場合は失効期間や経過年数によって必要な手続きが異なりますので、まずは運転免許センターや教習所に相談し、自分に合ったプランでMT免許を目指してください。

まとめ|AT限定解除で広がるカーライフ

AT限定解除(MT免許への切り替え)は、最初は不安もあるかもしれませんが、正しい方法で取り組めば決して難しいものではありません。

本記事で解説したように、教習所に通えば4時間程度の講習でクラッチ操作を習得でき、費用は多少かかっても確実にMT免許を手にできます。一発試験は合格が簡単ではないものの、成功すれば短時間・低コストで済む魅力的な方法です。どちらの方法にもメリット・デメリットがありますが、自分の運転経験や目的、予算に応じてベストな選択をしてみてください

MT免許を取得できれば、これまで運転できなかった車に乗れるようになり、カーライフの可能性が大きく広がります。例えば趣味でスポーツタイプのMT車を運転してドライブを楽しんだり、仕事で求められる場面に対応できたりと、きっと「取って良かった」と感じる機会があるでしょう。

この記事が皆さんの不安解消に役立ち、AT限定解除への一歩を踏み出す助けになれば幸いです。

最後に、AT限定解除の具体的な期間や費用についてさらに詳しく知りたい方は、CARPRIME(カープライム)の記事『運転免許をATからMTにするには、期間・費用はどうなる?』も参考になりますのでぜひチェックしてみてください。あなたもMT免許を手に入れて、より豊かなドライブライフを送りましょう!
【お得情報あり】CARPRIMEのLINEに登録する

商品詳細