「4」「5」「8」「21」「25」これっていったい何の車?

ルノー 4(キャトル)

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タイトルだけ見ると、単なる数字の羅列でまったくわからないのですが、じつはこれらの数字はいずれもある自動車メーカーのモデル名を表しています。本国での呼び方とともにご紹介しましょう。

文・西山昭智
Chapter
ルノー独特の感性が光る!?
25は日本でもお馴染みの読み方
フランスならではのネーミングセンス

ルノー独特の感性が光る!?

※写真はルノー4

フランスを代表する二大自動車メーカーのひとつ、ルノー。ヨーロッパでは最大の自動車メーカーであり、日本では日産を事実上の傘下に収めていることでも知られる巨大な自動車メーカーです。

そんなルノーの歴史は19世紀にまで遡るほど古い1898年。創業者ルイ・ルノーが現在のFRレイアウトの元祖となる「ダイレクト・ドライブ・システム」を考案したことから始まります。

第二次大戦後には一時国営企業化されながらも、1946年のパリサロンで発表した4CVが人気を博すと会社は復活を遂げ、ヨーロッパ以外にアメリカ市場でもルノーの名前が知れ渡り、日本では1953年に日野自動車が「日野ルノー」の名でライセンス生産を開始するなどワールドワイドな企業へと成長します。

そんなルノーの初モデルとなった4CVは、フランス語で「4馬力(4Cheval fiscal)」を表しており、その後に続く「6CV」「16CV」「40CV」もその表記を受け継いでネーミングされていました。

そのような中で1961年に突如発表されたのが「4」というモデル。フランス語で「キャトル(=数字の4)」と呼ばれるモデルは、商業的に成功した世界初のハッチバック車として量産モデル累計販売台数世界第3位を記録した超メジャーモデルでした。

これを皮切りにして「4」の廉価版となる「3(フランス語でトロワ)」、「5(フランス語でサンク)」と呼ばれるモデルが次々と発表されていくようになりました。

25は日本でもお馴染みの読み方

※写真はルノー21

1968年には「4」をベースにした上級グレードの「6(フランス語でシス)」を発表。しかし、その前には「7(フランス語でシェテ)」が発売されており、同時期には「8(フランス語でユイット)」も発売されています。この「8」はパワフルなエンジンを搭載したスポーツモデルが加わり、そのモデルは「ゴルディーニ」とも呼ばれていました。

続く「9(ヌフ)」は1981年に発売、「10(ディズ)」は1966年と、このルノーの数字を冠するモデルは、数字順で発表されたわけではありませんでした。

そして1986年、それまで続いた数字の名前に沿うようにして「21(ヴァンティアン)」というセダンが登場。その後も数字が続くのかと思いきや、「30(トラント)」(1975年に発売)を最後にして数字を持つモデル名は消滅してしまいました。

ちなみに日本でも有名なヴァンサンク(ヴァンサンカン)という名前を持つ「25(ヴァンサンク)」は、1983年に発売しています。

ユニークなのは「5」および「25」のモデルにおいてハイグレード版のモデルに採用されていたた「バカラ」というネーミング。レザーインテリアなどで豪華に彩られた高級モデルに「バカラ」(イタリア語でゼロをあらわしフランスでは超名門クリスタルガラスメーカーとして有名)という名前を冠しているのもフランスらしいこだわりです。

フランスならではのネーミングセンス

ほかにもルノーには「ヴェルサティス(異文化)」、「サフラン(薬用植物)」、「ラグナ(潟湖)」、「スカラ(スカラ座)」といったちょっとユニークな名前をモデル名につけています。

また、ルノーに限らずフランスの自動車メーカーはボディカラーのネーミングにも独特のこだわりをもっており、たとえば日本ではワインレッドと表記されるようなボディカラーも、プジョーでは「ルージュルシファー(堕天使の唇)」と呼ばれていたりもします。

このような独特のネーミングセンスにかけては、ルノーをはじめとするフランス車ならではの特長&魅力といえるかもしれません。

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