車でステンレスがあまり使われない理由!採用された車はある?
更新日:2024.09.09
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クルマのボディを形成する素材で、もっとも多く使用されているのは鋼板(スチール)です。そのほかには、カーボン、アルミ、FRPなどが多く使われる素材ですが、身近でありながらあまり使われることがない素材があります。それがステンレスです。鉄道では主流のステンレスですが、どうしてクルマには用いられていないのでしょうか?
なぜステンレスはクルマに使用されないのか?
現代のクルマは、ほとんどがモノコック構造で作られています。ボディ全体で骨格を形成するモノコック構造は、複雑な形状をしているため、鉄をベースとした加工のしやすいハイテン鋼といわれる高張力鋼板が使われています。
しかし鉄である以上、錆びやすいという弱点があります。その点、同じ鋼でもステンレスなら、含有するクロムが空気中で酸素と結合することで表面に不動態皮膜を形成するため、錆に強く、価格も安価です。これはクルマの素材にうってつけにも思えますが、意外にも使われることはほとんどありません。
それはステンレスが、鉄よりも硬くプレス成型がしにくいという欠点を持っているからです。また、鉄よりも硬い性質は、そのぶん金属疲労が起きやすく、頻繁に振動や衝撃を繰り返し受ける部位では思わぬダメージが発生する、というリスクもあります。
しかし鉄である以上、錆びやすいという弱点があります。その点、同じ鋼でもステンレスなら、含有するクロムが空気中で酸素と結合することで表面に不動態皮膜を形成するため、錆に強く、価格も安価です。これはクルマの素材にうってつけにも思えますが、意外にも使われることはほとんどありません。
それはステンレスが、鉄よりも硬くプレス成型がしにくいという欠点を持っているからです。また、鉄よりも硬い性質は、そのぶん金属疲労が起きやすく、頻繁に振動や衝撃を繰り返し受ける部位では思わぬダメージが発生する、というリスクもあります。
利点が多い鉄フレーム
一方、現在の主流になっているハイテン鋼は、変形応力に対して復元性が高いため、金属疲労に対してもステンレスより強いという性質があるのです。
また腐食に関しても、現在は防錆塗料の性能がかなり向上しているので、ステンレスがアドバンテージあるかというとそれほどでもない…というのが実情のようです。
こうしてみると、鉄といっても、安易に侮れない素材ということがいえますね。
また腐食に関しても、現在は防錆塗料の性能がかなり向上しているので、ステンレスがアドバンテージあるかというとそれほどでもない…というのが実情のようです。
こうしてみると、鉄といっても、安易に侮れない素材ということがいえますね。
ステンレスを使用したクルマも存在する!
クルマの骨格に用いるには、やや難のあるステンレスですが、錆びにくい特性を活かして、現在では外装のモールを始め、ブレーキディスクローター、排気系などに使われています。
そして、過去にはボディをステンレスで作ったクルマもありました。そう、皆さんご存知の「デロリアン DMC-12」です。硬度が高いため、複雑なプレスラインの再現には向かない素材ですが、デロリアンのように直線的なデザインであれば可能だったということですね。
1981年に発表されたデロリアンのボディの売りは、メンテナンスフリーということでした。ボディは塗装をせずに、加工時のサンドペーパーの傷をそのまま残しています。
ただ、この仕上げが原因で、ワックスやコンパウンドをかけた方はボディが悲惨な状態になってしまった…という話もありますので、正直どれほどのメリットがあったのか、なんとも言えないところではあります。
とはいえ、当時、ステンレスの鈍色のボディはなんとも言えない未来的なイメージがあったことも事実。後に映画『バック・トゥ・ザ・フューチャー』に採用されたのも、このステンレスボディあってこそだったのではないでしょうか。
ハイテン鋼は超ハイテン鋼に、さらにアルミやカーボンの技術も進化した現在、ステンレス製のクルマが現れることはもうないでしょう。
そして、過去にはボディをステンレスで作ったクルマもありました。そう、皆さんご存知の「デロリアン DMC-12」です。硬度が高いため、複雑なプレスラインの再現には向かない素材ですが、デロリアンのように直線的なデザインであれば可能だったということですね。
1981年に発表されたデロリアンのボディの売りは、メンテナンスフリーということでした。ボディは塗装をせずに、加工時のサンドペーパーの傷をそのまま残しています。
ただ、この仕上げが原因で、ワックスやコンパウンドをかけた方はボディが悲惨な状態になってしまった…という話もありますので、正直どれほどのメリットがあったのか、なんとも言えないところではあります。
とはいえ、当時、ステンレスの鈍色のボディはなんとも言えない未来的なイメージがあったことも事実。後に映画『バック・トゥ・ザ・フューチャー』に採用されたのも、このステンレスボディあってこそだったのではないでしょうか。
ハイテン鋼は超ハイテン鋼に、さらにアルミやカーボンの技術も進化した現在、ステンレス製のクルマが現れることはもうないでしょう。