よく聞く、サルーンとは?日本と世界で意味が違うの?語源や意味を解説
更新日:2024.09.09
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自動車などでよく聞く「サルーン」という言葉。よく聞くけど、どんな意味なのかは知らない…。という方が多いのではないでしょうか。今回は、サルーンという言葉の語源や意味、そして日本と世界のサルーンについて、紹介していきます。
文・吉川賢一
文・吉川賢一
サルーンはフランス語起源の英語
サルーンは、「Saloon」とつづり、フランス語の「Salon」を起源にもつ英語です。このサルーンには5つの意味があります。
①ホテル、客船などの大広間、談話室
②大きな酒場、バー(米国での用法)
③パブの特別席(英国での用法)
④列車の特別客車、食堂車
⑤セダン型自動車(運転手席を仕切らない普通の箱型の車)
※研究社:ライトハウス英和辞典より
日本でも、④に近い意味で使われているのが、小田急ロマンスカーのサルーン席です。パーテーションガラスで仕切られた準個室は、ウッド製のテーブルを挟んで、乗客がくつろいだ時間を過ごせる空間となっています。
①ホテル、客船などの大広間、談話室
②大きな酒場、バー(米国での用法)
③パブの特別席(英国での用法)
④列車の特別客車、食堂車
⑤セダン型自動車(運転手席を仕切らない普通の箱型の車)
※研究社:ライトハウス英和辞典より
日本でも、④に近い意味で使われているのが、小田急ロマンスカーのサルーン席です。パーテーションガラスで仕切られた準個室は、ウッド製のテーブルを挟んで、乗客がくつろいだ時間を過ごせる空間となっています。
車のサルーンはセダンと同じ
車のサルーンは、セダンと同じ意味を持ちます。JIS(日本工業規格)では、サルーンはセダンとも呼ばれ、座席が2列合計4席以上、側面に2枚もしくは4枚のドアがあり、側面に4枚の窓がある箱型の乗用車とされています。
JISの分類によると、屋根が開放可能で格納できるものはコンバーチブル サルーン、箱型で前後の座席の間に仕切りがあることもあり、6枚以上窓があるものは、ブルマン サルーン(通称:リムジン)となっています。
JISの分類によると、屋根が開放可能で格納できるものはコンバーチブル サルーン、箱型で前後の座席の間に仕切りがあることもあり、6枚以上窓があるものは、ブルマン サルーン(通称:リムジン)となっています。
日本では高級セダンのイメージ
日本において、サルーンは、通常のセダンよりも高級でステータスのある車、という意味合いで使用されることが多いようです。
ホンダが1978年に発売した「アコード サルーン」は、先に発売されていたハッチバックと差別化を図るため、アコード サルーンと呼ばれました。
外観は、大型フロントグリルを採用した”落ち着きがある車”としてデザイン。内装には重厚感があるインストルメントパネルを採用、迫力あるステレオ音楽が楽しめるカーステレオ、好みの温度に設定しておけば気候条件の変化に応じて自動的に温度と風量を調整してくれるオートエアコンを装備するなど、当時の最高級機能車でした。
また日産は、1994年にクルー サルーンを発売。クルーは、後部左側のドアが右側よりも大きいなど、タクシー用として設計された車で、パトカー、教習車としても使われていました。クルーをグレードアップして一般用に発売されたモデルが、クルー サルーンです。価格帯は、高級車よりもかなり安く、業務用車と同じ頑丈さを備え、内装などで居住性がアップした車でした。
トヨタは、グレード名にサルーンを使っています。なかでもクラウンは1971年発売の4代目から14代目(2018年販売終了)まで、歴代サルーンというグレードが用意されてきました。
ホンダが1978年に発売した「アコード サルーン」は、先に発売されていたハッチバックと差別化を図るため、アコード サルーンと呼ばれました。
外観は、大型フロントグリルを採用した”落ち着きがある車”としてデザイン。内装には重厚感があるインストルメントパネルを採用、迫力あるステレオ音楽が楽しめるカーステレオ、好みの温度に設定しておけば気候条件の変化に応じて自動的に温度と風量を調整してくれるオートエアコンを装備するなど、当時の最高級機能車でした。
また日産は、1994年にクルー サルーンを発売。クルーは、後部左側のドアが右側よりも大きいなど、タクシー用として設計された車で、パトカー、教習車としても使われていました。クルーをグレードアップして一般用に発売されたモデルが、クルー サルーンです。価格帯は、高級車よりもかなり安く、業務用車と同じ頑丈さを備え、内装などで居住性がアップした車でした。
トヨタは、グレード名にサルーンを使っています。なかでもクラウンは1971年発売の4代目から14代目(2018年販売終了)まで、歴代サルーンというグレードが用意されてきました。
世界のサルーン
世界でもっとも”サルーン”という呼び名がふさわしい車は、ロールス・ロイスではないでしょうか。なかでも、最高級車の代名詞とも言われているモデルがファントムです。
1929年にロールス・ロイスの旗艦車として初代が発表されました。そして2018年には、8代目となる新型が発表。8代目は、7代目よりも車体剛性が30%高くなり、乗り心地、振動騒音、居住快適性等の面から、他車の追随を許さないスペックを備えています。なんと130kgもの遮音材を搭載した、世界でもっとも静かな車でもあります。
ロールス・ロイス ファントムの価格は5,460万円〜と、価格の面でもかなりのハイクラスです。サルーンのイメージにぴったりといえますね。※価格は2018年2月1日現在
1929年にロールス・ロイスの旗艦車として初代が発表されました。そして2018年には、8代目となる新型が発表。8代目は、7代目よりも車体剛性が30%高くなり、乗り心地、振動騒音、居住快適性等の面から、他車の追随を許さないスペックを備えています。なんと130kgもの遮音材を搭載した、世界でもっとも静かな車でもあります。
ロールス・ロイス ファントムの価格は5,460万円〜と、価格の面でもかなりのハイクラスです。サルーンのイメージにぴったりといえますね。※価格は2018年2月1日現在
国内にもサルーンと呼ぶのにふさわしいと考えられる車は、いくつかあります。レクサス LSやトヨタ クラウン、日産 シーマなど、いずれもハイブリッドで燃費もよく、環境に優しいクルマです。
そして2018年6月に、トヨタ センチュリーが発売開始となりました。価格も1,960万円と高額であり、これぞ、"ドメスティックサルーンの決定版"と言えそうですね。
そして2018年6月に、トヨタ センチュリーが発売開始となりました。価格も1,960万円と高額であり、これぞ、"ドメスティックサルーンの決定版"と言えそうですね。
吉川賢一
モーターエンジニア兼YouTubeクリエイター。11年間、日産自動車にて操縦安定性-乗心地の性能技術開発を担当。次世代車の先行開発を経て、スカイラインやフーガ等のFR高級車開発に従事。その後、クルマの持つ「本音と建前」を情報発信していきたいと考え、2016年10月に日産自動車を退職。ライター兼YouTube動画作成をしながら、モータージャーナリストへのキャリア形成を目指している。