愛車の屋根にテントは後付けできる?
更新日:2024.09.09
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ここ数年、右肩上がりに需要が伸びているキャンピングカー。車内で快適に寝られることが魅力ですが、通常のミニバンやワゴンにはないキャンピングカーならではの特徴的な装備といえば「ポップアップルーフ」です。“自分の車もキャンピングカーにしたい!”と思っている方に、このポップアップルーフについてお話しましょう。
文・山崎友貴
文・山崎友貴
車内空間を増やすポップアップルーフ
自由に移動できて、車内で快適に生活ができるのがキャンピングカーの魅力です。まさに自由の象徴と言っても過言ではありません。
キャンピングカーにはいろいろな種類があり、価格もタイプも多種多様。ですが、車内空間の快適性が高いほど、ボディサイズは大きくなってしまいます。
狭い日本では、キャンピングをとりまく環境は厳しく、なかなか欧米のようなオートキャンプライフを過ごすことは難しいというのが実情です。そんななかで、日常生活での使用を犠牲にすることなく、しかもオートキャンプができるコンパクトなモデルが日本では人気です。こうしたコンパクトキャンパーでは、「バンコンバージョン(以下バンコン)」と言われるカテゴリーがコアとなっています。
軽ワンボックスや商用ワンボックス、ミニバンなどをベースにベッドやギャレーなどのキャンピング装備をインストールしたモデルのことを言います。大規模な改造がいらず、駐車場の広さや走行性能といった面での影響が少ないのがメリットとなっています。
ただし、ベース車両の室内空間=居住空間となるバンコンは、就寝スペースや車内での移動のしやすさという点で制約があります。その制約を解決するために考えられたのが、ポップアップルーフです。もともとは、車内の頭上空間を拡大させるためにドイツで考えられた装備ですが、やがて進化して、そのなかで寝られるものが登場しました。
ポップアップルーフはその後日本にも輸入され、95年にマツダのボンゴ フレンディに標準で採用されたことから、一般的になっていきました。
キャンピングカーにはいろいろな種類があり、価格もタイプも多種多様。ですが、車内空間の快適性が高いほど、ボディサイズは大きくなってしまいます。
狭い日本では、キャンピングをとりまく環境は厳しく、なかなか欧米のようなオートキャンプライフを過ごすことは難しいというのが実情です。そんななかで、日常生活での使用を犠牲にすることなく、しかもオートキャンプができるコンパクトなモデルが日本では人気です。こうしたコンパクトキャンパーでは、「バンコンバージョン(以下バンコン)」と言われるカテゴリーがコアとなっています。
軽ワンボックスや商用ワンボックス、ミニバンなどをベースにベッドやギャレーなどのキャンピング装備をインストールしたモデルのことを言います。大規模な改造がいらず、駐車場の広さや走行性能といった面での影響が少ないのがメリットとなっています。
ただし、ベース車両の室内空間=居住空間となるバンコンは、就寝スペースや車内での移動のしやすさという点で制約があります。その制約を解決するために考えられたのが、ポップアップルーフです。もともとは、車内の頭上空間を拡大させるためにドイツで考えられた装備ですが、やがて進化して、そのなかで寝られるものが登場しました。
ポップアップルーフはその後日本にも輸入され、95年にマツダのボンゴ フレンディに標準で採用されたことから、一般的になっていきました。
いまの愛車に後付けできる!
キャブコンバージョン(キャブコン)という、車両の大部分がFRP製のシェルになっているタイプは、製造から行わないと難しいですが、それ以外は車両の持ち込みでキャンピングカーへの改造を行っているビルダーがいます。そういうビルダーに頼めば、ポップアップルーフを愛車に装着することが可能です。
ポップアップルーフを装着するのは、まず車の屋根の一部を切って穴を開けなければなりません。そして、開口部にシーリングなどの防水処理を行う必要があります。こうした施工はノウハウが必要で、きちんと作業をしていないと雨漏りをする恐れもありますので、信頼のおけるビルダーに依頼することが大切です。
またポップアップルーフを取り付けた場合、車検上の構造変更の手続きが必要となります。これもプロに任せたほうが楽に登録できます。
費用としては、ポップアップルーフ本体+取り付け工賃で100万円弱。これに構造変更に関する手数料などが発生するので、約100万円と考えれば良いでしょう。
ちなみにポップアップルーフは、テント部の生地が2種類あります。ウェットスーツに使われるネオプレーンと、キャンバス地です。ネオプレーンのほうが若干安く、断熱性もそこそこあります。しかし、大雨になった場合は水が染みてくることも。一方、キャンバス地は撥水処理をすれば雨にも強く、生地も丈夫。ただし、断熱性の点ではネオプレーンにおよばず、価格も高いというデメリットがあります。
気になるのは耐用年数ですが、一般的に言われているのは、ネオプレーンもキャンバス地も10年以上は交換いらず。車よりも先にダメになるというのは希で、尖ったものなどで時折ネオプレーンを破ってしまうことがあるという程度です。
ポップアップルーフを装着するのは、まず車の屋根の一部を切って穴を開けなければなりません。そして、開口部にシーリングなどの防水処理を行う必要があります。こうした施工はノウハウが必要で、きちんと作業をしていないと雨漏りをする恐れもありますので、信頼のおけるビルダーに依頼することが大切です。
またポップアップルーフを取り付けた場合、車検上の構造変更の手続きが必要となります。これもプロに任せたほうが楽に登録できます。
費用としては、ポップアップルーフ本体+取り付け工賃で100万円弱。これに構造変更に関する手数料などが発生するので、約100万円と考えれば良いでしょう。
ちなみにポップアップルーフは、テント部の生地が2種類あります。ウェットスーツに使われるネオプレーンと、キャンバス地です。ネオプレーンのほうが若干安く、断熱性もそこそこあります。しかし、大雨になった場合は水が染みてくることも。一方、キャンバス地は撥水処理をすれば雨にも強く、生地も丈夫。ただし、断熱性の点ではネオプレーンにおよばず、価格も高いというデメリットがあります。
気になるのは耐用年数ですが、一般的に言われているのは、ネオプレーンもキャンバス地も10年以上は交換いらず。車よりも先にダメになるというのは希で、尖ったものなどで時折ネオプレーンを破ってしまうことがあるという程度です。
取り付け簡単な超お手軽な製品も!
愛車に穴を開けたり、高額な改造費は支払えないという人もいると思います。またセダンやハッチバックなどの車種は、改造が難しいケースもあります。ですが、すぐに諦める必要はありません。どんな車種にも、手軽に取り付けることができる製品があるのです。
それはルーフボックスのようなFRP製のケースのなかにテントが入っており、ポップアップさせて使うタイプです。三角テントのように立ち上がるタイプや、箱形に立ち上がるスクエアなタイプ、さらには二つ折りで床面が2倍に広がるタイプなどいろいろ。
この手の「ポップアップテント」の価格帯は、20万円前後。取り付けるには、別にベースキャリアが必要となりますが、これは10万円もしません。自分で取り付けられるのも、この手の商品の魅力のひとつですね。さらに車を買い替えた場合でも、次の愛車に簡単に載せ替えることも可能です。
ここまででおわかりの通り、ポップアップルーフは現在の車に取り付けることができます。これにより、愛車の可能性は大きく広がることでしょう。ただ、ポップアップルーフ内で寝返りをうつと、想像以上にクルマが揺れます。デリケートな人は、この揺れでよく寝られないという話も聞きます。
巷にはポップアップルーフが装着された、キャンピングカーのレンタカーもありますので、まずはこういった車で車中泊を体験してから、購入することをお勧めします。
それはルーフボックスのようなFRP製のケースのなかにテントが入っており、ポップアップさせて使うタイプです。三角テントのように立ち上がるタイプや、箱形に立ち上がるスクエアなタイプ、さらには二つ折りで床面が2倍に広がるタイプなどいろいろ。
この手の「ポップアップテント」の価格帯は、20万円前後。取り付けるには、別にベースキャリアが必要となりますが、これは10万円もしません。自分で取り付けられるのも、この手の商品の魅力のひとつですね。さらに車を買い替えた場合でも、次の愛車に簡単に載せ替えることも可能です。
ここまででおわかりの通り、ポップアップルーフは現在の車に取り付けることができます。これにより、愛車の可能性は大きく広がることでしょう。ただ、ポップアップルーフ内で寝返りをうつと、想像以上にクルマが揺れます。デリケートな人は、この揺れでよく寝られないという話も聞きます。
巷にはポップアップルーフが装着された、キャンピングカーのレンタカーもありますので、まずはこういった車で車中泊を体験してから、購入することをお勧めします。
山崎友貴|Yamazaki Tomotaka
四輪駆動車専門誌、RV誌編集部を経て、フリーエディターに。RVやキャンピングカー、アウトドア誌などで執筆中。趣味は登山、クライミング、山城探訪。小さいクルマが大好物。