自動車で世界一周旅行する際の注意点

旅

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世界中のどんな僻地にも、人が住んでいるならば道があるはず。そして道があるなら車で行くことができるはず。公共交通機関がないところでも、自由に行けるのが、車やバイクを使った旅の醍醐味ですよね。そこで、車で世界一周するには、どういった点に気をつけなくてはいけないか、考えてみました。

文・吉川賢一
Chapter
自動車の手配をしよう
必要な書類と準備
ルート作りでの注意点

自動車の手配をしよう

島国である日本から世界一周旅行を始めるには、まずは海を渡る必要があります。世界一周旅行をする際に、車をどこで手配するかをまず考えなくてはなりません。その方法は大きく分けて2つです。

①日本で車両を準備して日本に戻ってくる
メリット:事前に必要と思われる装備を搭載したり、改造することができる。運転に慣れた車が使える。
デメリット:長期に渡って、環境が異なる場所を走ることによる、故障の可能性がある。また、行った先で車両の出入国手続きが必要。日本からの出入国はもちろん、大陸を渡る際にも輸送の手配が必要。

②大陸、地域ごとに車を調達する現地調達
メリット:国によってインフラが異なるので、道路事情や環境の変化に合わせた車両の調達が可能。
デメリット:行った先で車探しをする必要がある。探すだけでなく、購入した場合には、再度売却することも考慮する必要がある。車を売る際には買った国で売らないと、輸出になってしまうため、手続きが面倒(購入した国に戻る必要が出てくる)。

必要な書類と準備

まず、通常の海外旅行と同様、パスポートやビザ、そして国によっては予防接種などが必要になります。これらに加えて、車で世界一周をするために、次のようなものが必要となります。ここでは、日本国内で車を購入した場合について解説しています。

①国際免許証:国際免許証が有効でない国があるので、国際免許証で走れるかどうか、確認が必要です。

②自動車保険:自動車保険は国によって規定が異なってきます。日本でかけた保険だけでなく、なかにはそれぞれの国で保険をかける必要があります。無保険で走っていると、出国の際に罰金がかかることもあるので、予定している国の規定はチェックしましょう。

③国際自動車登録証:陸運支局か車検の検査登録事務所で発行してもらいます。

④国際ナンバープレート:JAFで申請します。

⑤自動車カルネ(自家用自動車通関手帳):自分の車で旅する場合、国境を越えるたびに輸出・輸入を繰り返すと、通関手続きが煩雑なだけでなく、かなり高額な関税がかかってしまいます。カルネがあれば、協定を結んでいる国では手続きを簡略に済ませることができます。

⑥スペアパーツの準備:世界にはさまざまな道路がありますから、故障の可能性も高まります。簡単な修理は、自分でできるようにしておくとともに、交換用のスペアパーツもある程度用意しておきましょう。

⑦安全情報の確認:世界情勢は刻々と変化するため、必要に応じてルートを変更できるように、最新情報を押さえておくようにしましょう。外務省の「たびレジ」という海外安全情報配信サービスに登録しておくのもおすすめです。

ルート作りでの注意点

まず日本からの出国を決める必要があります。フェリーでの出国は、韓国(プサン、トンヘ)、ロシア(ウラジオストク、コルサコフ:夏季のみ)のいずれかですが、朝鮮民主主義人民共和国には入国できないので、ロシアに渡ってしまう方が多いようです。

またほかに貨物船に乗せて送るという手もあります。ただし、人も一緒に乗せてくれる貨物船の便が少ないため、出発港が限られてきます。貨物船で車を送り、運転手は飛行機で飛び、現地で受け取りを待っているほうが、スタート国の選択肢は広がります。

日本は世界有数の安全な国です。世界には犯罪が多い地域や紛争地帯が点在しています。車での旅は、公共交通機関を使った旅とは違い、周囲に誰もいないことが多く、安全に気を使ったルート作りが必須です。

また、自分の車で世界一周を計画している場合、右ハンドル車の走行が禁止されている国もあります。南米のコスタリカ、パナマ、パラグアイといった国々が該当しますので、気を付ける必要があります。

自動車で世界一周をするには、事前の下調べと、現地での緊急対応ができる装備を用意しておくことがポイントです。準備も旅の始まりです。困難を乗り越えた旅は格別な経験となりますから、もしチャンスがあれば冒険に出てみてはいかがでしょうか。

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