「公道カート」は普通免許で走行できる?都内で見かける、キャラクターに扮して走るカートの集団
更新日:2024.09.09
※この記事には広告が含まれます
遊園地のゴーカートを少し大きくしたようなカート(小型自動車)を、東京都内の公道で見かけるようになったのは、ここ10年ほど。外国人観光客に人気で、ツアーにも組み込まれるなど、アトラクションとしての需要が高まっています。あのレンタルカートは、どうして公道を走行できるのでしょうか?
文・吉川賢一
文・吉川賢一
普通免許があれば公道でカートに乗ることができる
日本の公道を走るすべての車両は、『道路交通法』に従わなくてはなりません。道路交通法の第3条にある自動車の種類では、公道を走行するカートは普通自動車に分類されるため、普通免許が必要になります。また、海外から来日された観光客の方々が乗る際には、日本で有効な国際免許が必要となります。
そして、公道でカートを運転する際には、『道路交通法』に定められている通り、交通標識や法定速度に従う必要があります。
いまや東京以外でも、横浜、大阪、札幌など、日本中にカートのレンタル業者が存在しています。お気に入りのコスチュームや、ゲームのキャラクターに扮装して、自らの運転で観光をするツアーは、良い思い出になるのでしょうね。
そして、公道でカートを運転する際には、『道路交通法』に定められている通り、交通標識や法定速度に従う必要があります。
いまや東京以外でも、横浜、大阪、札幌など、日本中にカートのレンタル業者が存在しています。お気に入りのコスチュームや、ゲームのキャラクターに扮装して、自らの運転で観光をするツアーは、良い思い出になるのでしょうね。
『道路運送車両法』では動機付自転車と同じ扱い
公道を走行するカートについているエンジンは、0.6kwもしくは総排気量50㏄以下です。そのため『道路運送車両法』では、原動機付自転車として扱われます。原付バイクと同じ扱いのため、シートベルトを締める必要はありませし、車検もありません。原動機付自転車ですから自動車専用道路や高速道路を走ることはできません。
しかしよく見れば、ドライバーはヘルメットを着用していません。原動機付自転車であれば、ヘルメット着用は義務ですが、どうしてヘルメットが着用されていないのでしょうか?
じつは公道を走行するカートは、道路交通法ではミニカーに分類され、ヘルメットの着用、2段階右折などの原動機付自転車のルールを逃れることができるのです。このように、道路交通に関する法律のすき間をついた公道を走行するカートは、ノーヘル、ノーシートベルトで許されてきたのです。非常に危険ですね。
そして昨今、公道におけるカートによる事故が相次ぎ、ついに国土交通省は公道でのカートの運転について、安全基準の強化を発表しました。
しかしよく見れば、ドライバーはヘルメットを着用していません。原動機付自転車であれば、ヘルメット着用は義務ですが、どうしてヘルメットが着用されていないのでしょうか?
じつは公道を走行するカートは、道路交通法ではミニカーに分類され、ヘルメットの着用、2段階右折などの原動機付自転車のルールを逃れることができるのです。このように、道路交通に関する法律のすき間をついた公道を走行するカートは、ノーヘル、ノーシートベルトで許されてきたのです。非常に危険ですね。
そして昨今、公道におけるカートによる事故が相次ぎ、ついに国土交通省は公道でのカートの運転について、安全基準の強化を発表しました。
公道を走行するカートの法的根拠の見直し
公道を走行するカートは、車高が低く、クルマの間に入ってしまうと見えなくなってしまいます。さらに、普通自動車のように、クルマの周囲が覆われていないため、事故が起きると非常に危険です。
公道にてカートが関係した事故は、2016年度88件、2017年度50件と、決して見過ごすことができなくなってきています。そのため、2018年4月27日に国土交通省は、公道カを走行するカートにおける安全基準の強化を発表しました。おもな改正項目は以下のようになっています。
①周囲の車両が視認できるよう部品を設置すること。(座席の地上からの高さが500mm 未満の3輪又は4輪の原動機付自転車が対象)
地上から1m以上の高さにおいて、前後左右から一定の面積が視認できる構造とすること。具体的には、座席の背もたれの部分が1m以上の高さになるようにする必要があります。
②夜間でも周囲の車両が視認できるよう灯火器をつけること
車両のもっとも高い部分付近に、尾灯をつける必要があります。
③運転者を守るための装備を設置すること
2点式か3点式の座席ベルトの装着と、頭部を守るヘッドレストの装備が義務化されます。
④かじ取り衝撃吸収構造
ハンドル周りが、かじ取りの衝撃を吸収する構造となっている必要があります。
⑤回転部分の突出は禁止
着ているものなどが巻き込まれることを防ぐため、タイヤにフェンダーを取り付ける必要があります。
①②③が、2020年4月1日。その他は2021年4月1日から適用されることになります。
公道にてカートが関係した事故は、2016年度88件、2017年度50件と、決して見過ごすことができなくなってきています。そのため、2018年4月27日に国土交通省は、公道カを走行するカートにおける安全基準の強化を発表しました。おもな改正項目は以下のようになっています。
①周囲の車両が視認できるよう部品を設置すること。(座席の地上からの高さが500mm 未満の3輪又は4輪の原動機付自転車が対象)
地上から1m以上の高さにおいて、前後左右から一定の面積が視認できる構造とすること。具体的には、座席の背もたれの部分が1m以上の高さになるようにする必要があります。
②夜間でも周囲の車両が視認できるよう灯火器をつけること
車両のもっとも高い部分付近に、尾灯をつける必要があります。
③運転者を守るための装備を設置すること
2点式か3点式の座席ベルトの装着と、頭部を守るヘッドレストの装備が義務化されます。
④かじ取り衝撃吸収構造
ハンドル周りが、かじ取りの衝撃を吸収する構造となっている必要があります。
⑤回転部分の突出は禁止
着ているものなどが巻き込まれることを防ぐため、タイヤにフェンダーを取り付ける必要があります。
①②③が、2020年4月1日。その他は2021年4月1日から適用されることになります。
2018年に入ってからも、都内だけでもニュースになった事故がいくつもありました。そうした事故を未然に防ぐため、今後も法整備はさらに進んでいくものと思われます。
カートを公道で楽しむこと自体は悪いことではありませんので、最大限、安全に留意していただき、観光客には楽しい思い出を持って帰ってもらいたいですね。
吉川賢一
モーターエンジニア兼YouTubeクリエイター。11年間、日産自動車にて操縦安定性-乗心地の性能技術開発を担当。次世代車の先行開発を経て、スカイラインやフーガ等のFR高級車開発に従事。その後、クルマの持つ「本音と建前」を情報発信していきたいと考え、2016年10月に日産自動車を退職。ライター兼YouTube動画作成をしながら、モータージャーナリストへのキャリア形成を目指している。