『ワイルド・スピード』のNOSとはどんな装置なの?

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世界中のクルマ好きを虜にした、アメリカのカーアクション映画『ワイルド・スピード』。そのなかでチューニングカーに搭載されていたのが、NOSというシステムです。いったいどんな装置なのでしょうか。

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(2018年5月7日)
Chapter
そもそもNOSって何?
アメリカではメジャーだが日本では流行らなかった?
エンジンパワーとともに必要なこと

そもそもNOSって何?

NOSとは、ナイトラス オキサイド システム(Nitrous Oxide Systems)という装置のことです。ナイトラス オキサイドとは、亜酸化窒素と呼ばれるガス(N2O)で、エンジンが吸気するタイミングに合わせ、エンジン内に噴射することで、燃焼室内に入ったナイトラス オキサイドが一気に膨張して、爆発的なパワーを生み出し、映画のシーンにあるとおり、クルマがロケットのように急加速します。

さらに、高圧液化されてタンク内に封入されていたN2Oは、気化するときに約マイナス60度もの低温となり周囲の熱を奪うことができます。そのためターボチャージャースーパーチャージャーなどの過給器よりも簡単に、空気の圧縮率を上げてパワーを引き出すことができます。

使用時のパワーアップ比率は、ノーマルエンジンでも200%以上。ただし、エンジン本体や駆動系がパワーアップによる負担に耐えられなくなるので、その際には各部のチューニングも必要になります。

そのチューニングが施されたエンジンを、通称ニトロまたはナイトロ(Nitro)エンジンと呼びます。映画では※NOSを搭載した車のボンネットから白煙が吹き出したり、最後にはクルマが爆発炎上しているシーンがあり、「ニトロ=爆発する」といった誤解もありますが、爆発するのはニトログリセリンのほうであり、N2O自体が爆発するようなことはほぼありません。また、ドラッグレースで用いられるニトロメタンとも異なります。

※ワイルドスピードで使用されたものは、NOSとは異なるメーカーが販売するNXというシステムでしたが、日本向けDVDではなぜかNOSと紹介されていました。

アメリカではメジャーだが日本では流行らなかった?

日本ではあまり馴染みのないパワーアップの方法ですが、アメリカでは大変メジャーなチューニングです。

ニトロタンクは載せ替えが容易なうえに、20万円程度の投資でシステムを搭載することができますので、馬力アップに対する費用の安さは、他のエンジンチューニングに比べて、かなりリーズナブルといえます。

ただし使うほど減っていく消耗品ですから、N2Oが底をついてしまえば、ガスボンベ自体を交換する必要があります。また「ニトロは危険」というイメージがあったことも、日本で流行らなかった理由のひとつといわれています。

映画『ワイルド・スピード』の影響で知名度が高まり、日本でもチューニング手段として注目された時期もありましたが、実際に購入して愛車に装着したユーザーは少なかったようです。

エンジンパワーとともに必要なこと

馬力&トルクアップすると、クルマには相当な負担がかかります。エンジンチューニングで大切なのは、そのパワーに見合う車両側のチューニングを行いバランスを保つことがもっとも重要です。

NOSを搭載した車は爆発的な加速をするため、制動系のチューニングや、コーナリング時の安定性を高めるためのサスペンションのチューニングが必要となってきます。

さきほど日本ではそれほど流行らなかったと書きましたが、チューニングカーのイベントなどでは装着している車両を見ることができます。見かけたら、改造の様子を楽しんでみてはいかがでしょうか。

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