ワイパーの歴史と進化を解説|昔は手動だった?

ワイパー

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ワイパーは自動車に欠かせないアイテムの一つです。手動式ワイパーが生まれたのは1900年代初頭ですでに100年以上の歴史があります。その後、電動ワイパー、間欠ワイパー、リアウィンドウ用やヘッドライト用などのワイパーも開発されました。シートベルトと同様で、「ゴムの刃(ブレード)でガラスの水滴を拭きとる」という基本構造は変わっていませんが、機能や快適性は大幅に進化しています。ワイパーの歴史を振り返ってみましょう。

文・加藤久美子
Chapter
手動式ワイパーの誕生は100年以上前
ワイパーの本数にはどんな変化があった?

手動式ワイパーの誕生は100年以上前

ワイパーがこの世に誕生して2018年で115年。今日までの進化の歴史をざっと年表にしてみました。

1903年 アメリカのメアリー・アンダーソン氏が世界で初めて手動ワイパーを発明。17年間限定の特許を取得

1917年 TRICO(トリコ)社が、ワイパーブレード(Rain Rubber)の生産を開始

1922年 世界初、現ゼネラルモーターズのキャデラックが手動ワイパーを標準装備
         Tri-Continental Corporationが、エンジンの動力を利用した真空式ワイパーを開発

真空式ワイパーは、エンジンのマニホールドのバキュームを利用した設計がされており、スロットルの開閉によってワイパーの速度が変化したり、時には止まってしまうという欠点がありました。
1926年 BOSCHが世界初電動ワイパーを発表

1938年 TRICO社がウインドシールドウォッシャーシステムを開発

1940年代 リアワイパーが登場

1969年 フォード マスタングに間欠ワイパー(大学教授だったロバート カーンズによる発明)

1971年 ヘッドライトワイパー(サーブ 99)

1970年 雨滴感知式間欠オートワイパー(シトロエン SM)

1988年 サイドウィンドウワイパー(トヨタ マークII/チェイサー/クレスタのオプション装備)。ドアミラーワイパー(日産 シーマ)

2012年 ワイパーブレードに設けられた穴からウォッシャー液を噴射するマジックビジョンコントロールが登場(メルセデス SL)
 
ワイパーの形状は、初期のフラットなものに始まり、1950年代にはガラスの曲面を考慮し、一定の圧力を維持するよう設計したワイパーブレードが誕生。もっとも一般的なタイプで、その形状からトーナメント型と呼ばれます。このトーナメント型にスポイラーを装備して、拭き取り性能を向上させたモデルは1980年代に登場しました。

その後、1999年にはメルセデスがBOSCHと共同開発したフラット型を採用。現在では、欧州車を中心に採用が増えています。

その他、ゴムの素材も進化し、撥水ワイパー、グラファイトワイパーなど使いやすく快適なワイパーが登場しています。

ワイパーの本数にはどんな変化があった?

通常、乗用車には2本、トラックやバスなど面積が横方向に広いものは3本。縦方向に面積が大きいものには1本と、メーカーは車両のフロントウィンドウの形状によって使い分けています。

ちなみに、すでに姿を消してしまいましたが、かつてのメルセデス・ベンツ Eクラス(1985年〜)には「パノラマワイパー」と呼ばれる1本ワイパーが採用されていました。

これは、通常なら2本のワイパーでカバーする範囲を1本でカバーするようにしたもので、リンク機構を使ってワイパーアームを伸縮させ、アルファベットのMのような形にふき取るというものでした。(筆者の実家の車がこれで、免許を取って初めて乗った車だったので、M型に動くワイパーは懐かしく印象深いものがあります)

これからの季節、雨の多くなる日本ではワイパーが正しく快適に作動するかは、安全運転のために重要な要素です。ワイパーブレードが傷んでいないか?フロントウィンドウに油膜が付いていないか?雨に備えて確認しておきましょう。

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