レクサスLCの「ストラクチャルブルー」は青を使っていないのに青く見える?
更新日:2024.09.09
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通常、自動車のボディカラーは、青色なら青、赤色なら赤の顔料を主原料にしています。ところが、レクサスLCの限定モデルに採用されたストラクチュアルブルーは、青色の顔料を使わずに鮮やかなブルーを再現しています。どうして青を使わずにブルーのボディカラーが可能になったのでしょうか?そこには長きにわたるレクサスの研究があったのです。
ストラクチュアルブルーはLC特別仕様車限定カラー
青色ボディなのに塗料に青色の顔料が使われていない、そんな不思議なボディカラーを採用したのは、レクサスの国内累計販売台数50万台を記念して発売された、LC500h/LC500の特別仕様車です。
レクサスのフラッグシップクーペであるLC500の特別仕様として注目が集まっていますが、特に注目すべき点はそのボディカラーです。ストラクチュアルブルーと名付けられたボディカラーは、青色顔料を使わず輝きのある青色を再現しています。
その色彩が際立つ魅力的なボディカラーには、レクサスが長年に渡り研究してきた技術がつぎ込まれているのです。
レクサスのフラッグシップクーペであるLC500の特別仕様として注目が集まっていますが、特に注目すべき点はそのボディカラーです。ストラクチュアルブルーと名付けられたボディカラーは、青色顔料を使わず輝きのある青色を再現しています。
その色彩が際立つ魅力的なボディカラーには、レクサスが長年に渡り研究してきた技術がつぎ込まれているのです。
ストラクチュアルブルーはモルフォ蝶の鱗粉を参考に生み出された
開発のヒントとなったのは、南米を生息地とするモルフォ蝶。この蝶は、タマムシや魚の青や銀色に見られる構造色の代表例で、それ自体は特定の色を持たず、光の波長や構造によって発色しています。
モルフォ蝶の場合は、鱗粉が積層構造となっており、そのなかの壁が青色の波長だけを強く反射することで、独自の青色(構造発色)を放つのです。
この構造発色の構造・仕組みをボディ塗装に活かして、今までにない顔料を作り出す、それがレクサスの15年に渡る研究・開発における目標となりました。構造発色顔料自体は、すでに自動車の塗装に用いられていましたが、これまでは角度による色の変化を活かしたもので、ひとつの色だけを発現、彩度変化をするものはありませんでした。
そこでレクサスは、ブルーのみの色彩を作り出すことに焦点を定めました。
モルフォ蝶の場合は、鱗粉が積層構造となっており、そのなかの壁が青色の波長だけを強く反射することで、独自の青色(構造発色)を放つのです。
この構造発色の構造・仕組みをボディ塗装に活かして、今までにない顔料を作り出す、それがレクサスの15年に渡る研究・開発における目標となりました。構造発色顔料自体は、すでに自動車の塗装に用いられていましたが、これまでは角度による色の変化を活かしたもので、ひとつの色だけを発現、彩度変化をするものはありませんでした。
そこでレクサスは、ブルーのみの色彩を作り出すことに焦点を定めました。
長年の研究を重ねて完成したストラクチュアルブルー
初めにプロジェクトチームは、多層膜構造の研究に着手しました。その研究では、材質やひとつひとつの層の膜厚、さらに積層の数がどうなっていればブルーを生み出せるのかを探したのです。その後、層ごとの反射率の違いや膜厚の値、総数の変化、使用する材質の変化など、細かな要素による違いを検証。最適な組み合わせを発見しました。
顔料は7つの層で構成される積層構造、高反射率層にアルミニウムなどの金属素材、低反射率層部分には硫化亜鉛が使われています。
こうして完成した新たな顔料は、グレーの金属粒子と無色の硫化亜鉛の粒子が透明フィルムにコーティングされたもので、ブルーに発色します。こうして、青色の顔料を使わない、構造発色による(ストラクチュアル)ブルーが完成したのです。
顔料は7つの層で構成される積層構造、高反射率層にアルミニウムなどの金属素材、低反射率層部分には硫化亜鉛が使われています。
こうして完成した新たな顔料は、グレーの金属粒子と無色の硫化亜鉛の粒子が透明フィルムにコーティングされたもので、ブルーに発色します。こうして、青色の顔料を使わない、構造発色による(ストラクチュアル)ブルーが完成したのです。
LC500h特別仕様車"Structural Blue(ストラクチュアルブルー)"
国内累計販売台数50万台を記念して発表されたLCの特別仕様車には、レクサスが15年をかけて生み出した独自のカラーが採用されています。
光の角度や陰影によって表情が変わり、照明の下ではあたかもボディが発色しているように見えるストラクチュラルブルー。ぜひ自身の目で確かめてみてはいかがでしょう。