キャデラックXT5クロスオーバー、初期とは比較にならない「CUE」の大幅な進化

キャデラック・XT5

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キャデラックXT5クロスオーバーは大ヒットモデルとなったSUV「SRX」の実質後継モデルである。このSRX、2012年にキャデラックの新しいインフォテインメントシステムである「CUE(Cadillac User Experience)」が搭載されたが、続くATSにも搭載された日本仕様には本国仕様と比較しても機能がかなり限定されていたことを記憶している。特にナビゲーションシステムに関しては汎用性の高いパナソニック製のSDカード式のモデルなども設定されたのだが、後付け感もありナビの起動や切り替えもやや面倒くさかった。

文・高山正寛
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XT5クロスオーバー、初期とは比較にならない「CUE」の大幅な進化
XT5クロスオーバーの静粛性の高さは"BOSE"にあり

XT5クロスオーバー、初期とは比較にならない「CUE」の大幅な進化

さて話をXT5クロスオーバーに戻すと、CUE自体が時代に合わせて大きく進化していることがわかる。

その最大の進化は「スマートフォンとの連携」である。昨今のインフォテインメントシステムのトレンドのひとつがGoogleの「Android Auto」とAppleの「CarPlay」に対応しているかどうか、であるが、XT5クロスオーバーもこの機能を採用している。

CUEの基本ユニットはセンターコンソールに装着された8インチのタッチスクリーン式のディスプレイである。AM/FMラジオの他、Bluetooth(電話だけでなくオーディオにも対応)、AUXの外部入力端子、そして何かと使用頻度が高いUSBポートは4つも付いているのはありがたい。

これに前述したスマートフォン(以下スマホと表記)を接続することでコネクティビティに優れたシステムをすぐに使うことができるわけだ。

個人的にはナビをメインにするのであれば「Android Auto」の方が渋滞回避を含めた誘導能力に優れるし、「CarPlay」の場合はSiriによる音声コントロールや音楽再生上の使い勝手に優れる。ただこれに関しては所有するスマホによるわけなので、考え方によっては「一長一短」であることは覚えておきたい。
CUE自体は初期の頃に比べると非常にレスポンスが向上したことが体感できる。CPUやメモリーなどは時代に合わせて仕様も向上しているので当然と言えば当然だが、初期画面などの日本語フォントの見やすさなど、よく練り込まれていることもわかる。

この他にもメーターを液晶化することで運転時に役立つ各種情報を表示することができる。試乗車は上位グレードのプラチナムで8インチのディスプレイだったが、下位グレードのラグジュアリーは5.7インチとサイズが異なる。後述するオーディオシステムのことも考えると買いのグレードは自ずとプラチナムになるだろう。

また先進安全装備の連携という意味では360度カメラを活用したサラウンドビジョンが有効、死角が多くなりがちなSUVだからこそ実際使ってみるとありがたさが良くわかる。

XT5クロスオーバーの静粛性の高さは"BOSE"にあり

最後にこれは良い!と感じたのがプラチナムに標準装備されているBOSEのオーディオシステムである。プラチナムには14スピーカー(スタジオサラウンド)、ラグジュアリーには8スピーカーが搭載されているが、他の装備も含め価格差(80万円)から逆算してもプラチナムの方がコストパフォーマンスの高さは圧倒的だ。

ちなみにBOSEの技術のひとつである「アクティブノイズキャンセレーション」は両グレードに標準装備されるが、いわゆる「こもり音」を消す能力のレベルが非常に高い。XT5クロスオーバーの静粛性の高さはこんな技術にも支えられているわけだ。
CUE自体は過去、欧州車や国産のインフォテインメントシステムに比べるとやや見劣りする部分を感じていたが、最新のXT5クロスオーバーを見る限りでは大きく進化していることがわかる。

そもそもIT大国であるアメリカ生まれのクルマであればトップランナーであっても不思議ではない。その点でも今後の進化にも期待ができる仕上がりと言えるだろう。

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